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この記事の目次
キングダム642話アニメ記念「厳しくも温かい麃公」
麃公将軍のもう一つの特徴は、徹底したリアリストで薄甘いヒューマニズムがない点です。蛇甘平原において、麃公は元々は小さな国の王族で戦乱で国を追われた呉慶という魏の将軍と対峙しますが、過去の経験から侵略者に対して強い敵意を持つ呉慶に。
貴様程度の不幸など、この乱世には掃いて捨てる程、転がっておるわ!将軍は目の前の戦いにいかに勝つか、それだけを考えればよいと切り捨て呉慶を打ち倒します。
全くその通りなんですが、では残酷なだけの人かというとそうではなく、一騎打ちに応じて散った呉慶の健闘も讃えていました。麃公は身分差別などもなく飛信隊という百人隊長の信にも気さくに酒を勧めて、共に語り合っています。
信も本能型の将軍であり、また、下僕の出である事でぶっきらぼうでガラが悪いのです。この点から麃公は王騎とは別の意味で師匠筋に当たりますね。
キングダム642話アニメ記念「部下は麃公が大好き」
麃公軍は、その部隊も皆んなミニ麃公のような人ばかりです。
縛虎申は猪突猛進タイプで、あらゆる犠牲を払っても勝利を得ようとする人物でした。決して分別のない人ではありませんが、結局は自分を犠牲にし魏の将軍の宮元と相討ちになりました。
麃公の死後、その部隊は飛麃隊として飛信隊に吸収されますが、岳雷も我呂も癖が強く好戦的な性格であり、麃公の死後もその人柄を慕っており、麃公の仇である龐煖が朱海平原に出現した時には、怒りで我を忘れて突撃しようとした程でした。よほど麃公将軍が好きだったんでしょうね。
キングダム642話アニメ記念「反骨の戦争職人」
麃公将軍は、実力では決して六大将軍に劣らなかったものの、秦王の招集命令に応じる事がなく、絶えず前線に居続けたので、咸陽での評判が悪く、六大将軍の選からも漏れてしまいました。秦の昭襄王の翼になり、中華統一の夢を見た王騎と違い、麃公将軍には主君も理想も要らず、ひたすら命のやり取りをする戦場を愛した反骨の戦争職人だったのです。
キングダム642話アニメ記念「信に盾を託した麃公将軍」
信が麃公に感化されたように、麃公将軍も信に大きな期待をかけていたようです。龐煖に腕を折られて死を悟った麃公は、信に自分の盾を託し火を絶やすでないゾォと遺言して亡くなります。長年、付き添った部下にではなく途中で知り合った信に盾を託す所に麃公の並々ならない期待を感じられます。
同じ本能型でもありますし、自分の後継者として活躍して欲しかったのでしょう。
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