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張譲に会えない孟佗は張譲の召使に賄賂を贈る
孟達の父、孟佗もその一人でした。しかし、張譲の勢いは今や飛ぶ鳥を落とす勢い以上、とてもではないがそう簡単には会えません。
そこで孟佗はある行動に出ました。張譲にではなく、張譲の家の召使いたちに贈り物をして、友誼を結んだのです。そして贈り物を重ねる内に、孟佗の家は傾きました。彼の家には最早何一つ残ってなかったと言います。
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破産寸前の孟佗は召使いたちに1つだけお願いをする
張譲の召使いたちは普段からたくさんの贈り物をくれる孟佗に感謝していました。このため孟佗が家を傾けたと聞くと、孟佗の元に行って、何か欲しいものはないか、と尋ねました。彼らに孟佗はこう答えました。
「私の願いを叶えて下さるというのならば、貴方たちが私のために一拝して下さい。私の願いはそれだけです」
拝というのは拝むこと。つまりお辞儀をして欲しいということですね。
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張譲と親しいと勘違いされ客から大量の贈物をゲット
その日もまた、張譲に面通ししたい人物たちで張譲邸は溢れかえっていました。召使いたちが応対する中で、そこに表れたのが孟佗です。召使いたちは揃って一拝し、孟佗を迎えました。それを見た周囲の人たちはびっくり!
「あんなに召使いたちが揃って頭を下げるなんて、きっと張譲殿が大事にしている客人に違いない!」
勘違いした彼らは張譲に面通ししたいがため、今度は競うように孟佗に贈り物をするようになりました。孟佗はそうして集まった贈り物を賄賂として張譲に贈り、これに喜んだ張譲は孟佗を涼州刺史に任じたということです。
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三国志ライター センのひとりごと
さて、孟達の父、孟佗のエピソードでした。自分の持っている家財だけでは限りがあるけれど、逆にそれを利用して自分の下に数多くの賄賂を集め、それを利用するという頓智の聞いたエピソードですね。
こういう話大好きです!
資治通鑑に乗っている話ですが、この才覚が孟達に受け継がれたからこそ、上手く立ち回れたのではないか、と思わせました。それにしては孟達の最期はちょっと物足りないものがありますが……そこはまあ別の話。
たまにはこんな話もね、ということで。孟達パパのお話でした。
どぼーん。
参考文献:資治通鑑五十六
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