週刊ヤングジャンプで大人気連載中の漫画キングダム。キングダムの主役である秦王政も主人公の信もどちらも秦の人間です。しかし、この秦、戦国七雄で最も、人民に対する扱いが厳しく怠け者が生きていく事が出来ない超厳罰主義の嫌な国でした。
分異の令で強制分家
例えば、あなたが秦に生まれたとしましょう。すると長男ではない限り、成人した段階で強制的に分家するように命令されます。これを「分異の令」と言います。
秦の政府は、あなたの為に土地を割り当て家を建ててくれます。一見すると至れり尽くせりですが、そんなに甘いモノではありません。あなたの移住先は秦が決定し、場合によっては数百キロも離れた土地に移住させられるのです。もちろん、家族とも友達とも恋人とも永遠のお別れです。
逃亡者を見逃すと連帯責任
移住した先には、あなたが会った事もない。同じ年頃の男子がいて、新しくつくられた村で共同生活が始まります。たった1人で、見ず知らずの人間と送る新生活。あなたじゃなくても気が滅入ります。それで、とうとう村人の1人が脱走してしまいました。内心、同情するあなたですが、そこに秦の役人がやってきて脱走を防げなかった罪として村人全員を鞭で叩き、罰金を科していきました。
そうです!秦の法律では見ず知らずの村の人間と、什とか伍の組織を組まされ、それぞれの行動を監視し、脱走などの法律破りは密告するように命じられていました。密告すると、戦争で敵の首を獲ったのと同じ恩賞が与えられ、見逃したりすると村人全体が連帯責任で処罰されたのです。
戦争でもチームを組むので否応なく人付き合い
また什や伍は戦争の時には、そのままチームを組まされる決まりでした。あなたは人見知りでも人付き合いが苦手でも関係なく、否応なく村の連中と関係を持たないといけないのです。
貧しくなると奴隷に落される強制労働
そして、最悪なのが秦では男女関係なく労働が奨励され、暮らし向きが貧しくなると怠けた罰として自由民から奴隷に落されました。だから秦では怠け者もニートもいませんでした。必死に働かないと奴隷に落されてしまうからです。どうですか?キングダムの時代の秦、少なくとも怠け者の私は絶対に住みたくありませんね。