えんがちょとは?穢れをバリアする呪文の歴史は?

2023年2月11日


劉備と徳川家康

 

えんがちょとは、子供の遊びのようで、差別にも直結する中々根が深い行為です。やりかたとしては、友達がウンコなど汚いモノを踏んだ時に、「えーんがちょ切った!」と言って、人差し指と中指を交差させます。すると、これが魔除けになり汚いモノを踏んだ友達に触られても穢れが移らないとされます。このえーんがちょは、一体、いつの時代からあるのでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



平治物語絵詞に登場

西遊記巻物 書物_書類

 

えんがちょと言いながら、人差し指と中指を交差させる行為は、鎌倉時代には成立していた「平治物語絵詞」に登場するそうです。場面は後白河上皇と二条天皇に仕え栄華を極めた信西が藤原信頼と源義朝の軍勢に攻められ、穴の中に隠れていたのを発見されて自害し、首を獲られたシーンです。

 

噂話をする戦国時代の庶民(モブ)

 

 

この場面では、薙刀の先に下げられた信西の生首を見た沿道の人々が人差し指と中指を交差させて、えんがちょを切り、死の穢れが自分につかないようにしています。また、えんがちょとは「人と人の縁をちょん切る」縁がちょん!が語源ともされます。人の縁を切るとは、縁を切った人とは一切交際しないという意味であり、ここにはよそ者やタブーに触れた者を忌避する排除の論理が見え隠れします。

 

関連記事:外国人が日本人の英語にイライラする理由は?意外な理由に目からうろこ

 

 

えーんがちょ!の派生形

テレビを視聴するkawauso編集長

 

 

派生形にはウルトラマンや鉄人28号のような子供向け番組が起源の「バーリア!」があり、これは両手を目一杯に広げて空間に四角を描きながらバリアと叫ぶと穢れが移らないとされます。

 

▼こちらもどうぞ

火葬場の残骨灰を売却して1億円!多死社会日本の拾骨事情

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
kawauso

kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-外部配信