最近、なにかと世界を賑わしている中国から飛んできた気球。アメリカのバイデン大統領が撃墜を命じた事で一気に話題となり、日本にも2020年から飛来してきていた事が明らかになりましたが、中国は気球を飛ばしてそもそも何を狙っているのでしょうか?
偵察は目的の一部
中国が世界中に気球を飛ばしている目的は、第一には日本やアメリカの偵察です。気球にはカメラがあり、上空から撮影する事で基地の場所などを把握します。中国政府は気球は観測気球で偵察用ではないとし、風で飛ばされアメリカ上空に入っただけだと主張しています。しかし、今回アメリカ上空で撃墜された気球は観測気球としては規模が桁違いに大きく、中国側の言い分には無理がありそうです。
本当の目的は大気圏の支配
中国の気球の本当の目的は核弾頭を積み込める積載力がある気球を開発量産し、大気圏を支配したいという事であるようです。2022年9月に中国科学院航天信息研究所が宇宙に近い高高度大気圏関連技術の一環として高度30キロに到達し1.2トンの積載能力を持つ気球を打ち上げています。
小型の核爆弾は1トン程度ですから、理論上、この気球には核弾頭が搭載できます。中国はアメリカに抑え込まれた宇宙開発に対抗すべく、アメリカがまだ支配していない。大気圏から下の超高高度の空を大型の飛行船や気球で支配し世界戦略を有利に進めたい思惑があるそうです。
アメリカが最新鋭F22Aで気球を撃墜した意味
今回、アメリカは中国の気球を高さ1万7000メートルの上空でF22Aという最新鋭戦闘機で撃墜しました。アメリカの戦闘機でも1万7000メートルの上空まで到達できる機種は少なく、あえてその中でF22Aを選んだのは超高度を飛行する気球でもアメリカは撃墜できるという事を示すためだったようです。日本人が知らない所で米中の軍備拡張の鍔迫り合いは継続しているんですね。
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