最近、渋谷区で新しい公衆トイレとして、男女の区別がない共用トイレが出現し物議を醸しています。利用者の中には、トイレの前で異性に出くわすと気まずいや、性犯罪、盗撮の温床になるのでは?と懸念する声も出てきています。一方で、トイレを性別で分けない事で、性別を問わず全ての人が快適に利用できるという意見もあります。今回は増え続ける共用トイレに潜む危険を取り上げます。
世界的に増えている共用トイレ
共用トイレは世界的にはオールジェンダートイレと呼ばれています。これは性別や人種に関係なく、全ての人が快適に使用できる事を目的としていて、ニューヨークなどでは、オフィスなどを含め、公衆トイレもオールジェンダートイレばかりになっているようです。
渋谷区も公式ホームページで、性別にかかわらず、誰もが快適にご利用いただける環境が整ったものと考えております」「渋谷区では今後のトイレ整備について女性トイレをなくす方向性など全くございません」と記載して理解を呼び掛けています。渋谷区としては、共用トイレを増やす事と女性トイレを減らす事は=ではないと考えているのでしょうが、共用トイレが設置された場所に女性トイレは置かれないわけで、それを不便に感じる女性は少なくないでしょう。
本当は建設コスト削減が目的では?
性別に関係なく、すべての世代が安心して利用できるトイレなら従来普及していた男性用、女性用、多目的トイレの3つが併設された複合トイレでいいのではないでしょうか?どうして、それを飛び越して性差を無視した共用トイレに向かってしまうのか?
ここにはトランスジェンダーなど肉体と心の性別が一致していない社会的少数者への配慮などLGBTQやSDGsへの配慮が見られるのですが、それ以外にも、建設費の問題も影響しているようです。複合トイレに比較して共有トイレは、1つあたりの建設費が安く抑えられお得なのです。超少子高齢化で一部の自治体を除き、どの自治体も税収減に悩んでおり、行政サービスのコストカットを進めていて、そこに共用トイレが利用されていると考えるのは穿ちすぎでしょうか?
監視カメラ設置?本末転倒な共用トイレ
そんな共有トイレですが、性別問わずに使用されている事から性犯罪の温床になっているという指摘もあります。これに対する対策として、共有トイレに監視カメラを設置したり、個室の壁を厚くしたり、鍵を強固にし、女性用の化粧台を設置する等の対策が取られていますが、トイレにまで犯罪抑止の監視カメラを入れてしまうなら、最初から男女のトイレを分けるべきではないかと筆者は考えてしまいますが、いかがですか?
男女別トイレでも防犯は出来る
共有トイレを批判すると、では、男女別トイレなら100%性犯罪を防げるのか?という意見もあるかと思います。100%性犯罪を防げるとは言えませんが、日本の従来の公衆トイレは男女別であっても入口の導線が一緒だったり、窓ガラスがない薄暗い場所だったり、樹木が手入れされず、周囲から死角になっていたり、元々、犯罪が起きやすい環境の場所が多くあります。
この大きな要因は、トイレを設置した自治体に防犯措置義務がなく、全てを性犯罪者の責任にしてすます風潮があるからです。イギリスではトイレを設置する自治体に防犯措置義務を負わせていて、それが達成されていないと判断されると性犯罪の被害者は自治体を相手に裁判を起こす事も出来ます。日本人は、やってもいいというポジティブリストは苦手ですが、やるな!というネガティブリストは厳格に守るのでトイレを設置する自治体に防犯義務を課すのは、大きな効果を挙げると思います。
▼こちらもどうぞ