呂布を文官で使いこなす!小国君主の三国時代[サバイバル]

2023年5月23日


 

呂布と袁術

 

呂布(りょふ)を文官として使ってみようと思うんです。

「え?どういうこと?」って思いますよね?

はい、すぐ説明しますね!

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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「呂布がいる」ということだけに意味があるのだと開き直れば、小国にもこんな未来が見えてくる!

成廉、魏越、呂布

 

みんな呂布を怖がりすぎですよね?

敵に怖がられるのは武将としてはよいことなのですが、味方に、それも主人のほうにひたすら怖がられるのは、本来おかしいですよね?

 

でも、それって見方を変えればこうも考えられませんか?

 

「そんなにもみんなが怖がっている呂布を、うちは雇って、ちゃんと使いこなしているぞ!」と言い切れれば、それだけで近隣の君主たちから脅威とみられるのではないでしょうか?

 

「あそこの小国には呂布がいるぞ!」

「マジか?でも、どうせ裏切るんじゃない?」

「ところが、既に十年も呂布をちゃんと雇っていて、特に混乱は起きていないらしいぞ!」

「本当か?!よほどなカリスマの持ち主が君主なんだな!これは手を出せないぞ!」

となるのでは?

 

華雄と呂布

 

呂布という存在は、とりあえず名簿に名前があるだけで、周囲への牽制になるというレアキャラと言えるわけです。この呂布を安全に使いこなす方法があるとすれば、試してみたいと思いませんか?

 

以下、ぜひご自身が三国時代の小国の君主になったつもりで、「呂布一人を置いておくことで周りから攻められない鉄壁の国になる」秘策として、参考にしていただければと思います。

 

 

 



三国時代の様々な君主たちの失敗から学んだ「呂布の安全な飼い方」とは?

成廉、魏越、呂布

 

この策は呂布の威名をフルに使わせてもらう策なのですから、「呂布を雇っておいて、特に何もさせない」ことがポイントです。

 

こう思うかもしれません。

「いやそれはムリだ!呂布はヒマになると美女にたぶらかされたり、駆虎呑狼の計を食らったりして騒ぎを起こすのだから、飼い殺しにしてヒマさせることこそ、いちばん危険だ!」

 

成廉、魏越、呂布

 

それはその通りです。仕事は、与えます!活躍も(ある意味)させます!それでいて、呂布については「兵は与えない」「戦場には出さない」ということが重要です。つまり、文官として仕えさせるのです。みんながイヤがって雇ってくれないためにクサッている呂布を召し抱えて、こう言いましょう!

 

「呂布よ、貴殿は文官に向いているよ!いや、なんでこれまで誰も気づかなかったんだろうね?私だけは、君の隠れた才能のすばらしさを知っているんだよ。君はむしろ、頭で世界を動かせる男なのだよ!」と、ヌケヌケに言ってみましょう。

 

呂布のことです、オシを強く「お前は文官に向いている!向いている!」と繰り返し吹き込めば、本人も、「うーむ、言われてみると、なんだかそんな気がしてきたな!」と言い始めると思います!

 

あとはひたすら毎日呂布が気持ちよくなる言葉をかけ続け、「オレってさあ、実は文官に向いていると思うんだよねー」と自分から周りに喋り始めるまで洗脳が進めば、もう大丈夫です!

 

 

文官としての呂布の正しい使い方を現代の核戦略に学ぶ!

呂布、黒山賊

 

こう思うかもしれません。

 

「しかし、呂布の文官としての使い心地って、どうよ?事務仕事なんか出来そうにないぜ?事務仕事をやらせて、本人が失敗して、『やっぱりオレは文官に向いてないわ』と思い始めたら、クサッてけっきょく暴れだすんじゃないか?」

 

それはその通りです。

 

ところが史実において、ひとつ、呂布が文官っぽい働きをして成功している事例があるのです。それは、外交です!袁術と劉備の仲介役に入ったとき、見事に双方を和平に導くという成果をあげているのです。

 

どうやったかというと、えらく遠くの距離に矛を立てて、「あの矛にオレが矢を一発で当てられたら、双方和平な?」

とわけのわからないことを言い切り、本当に人間業では不可能な距離と精度で矢を一発で当ててみせた、という話です。

 

これは説得して条件を飲ませたというより、「あの距離から弓矢を当てられるこのバケモノを怒らせるとヤバい!」と袁術側(ちなみにこのときの袁術側の使者は紀霊)を震え上がらせての外交的成功とも解釈できます。

 

「劉備と袁術を取り持った、あの時の手があるではないか、奉先よ!今度の調停も、あんな感じで頼むぞ!」と、呂布を外交特使として近隣各国に派遣しましょう。

 

行く先々でマッドな腕力を見せつけ、君主たちを震え上がらせ、

「こんなバケモノを外交官として送り付けてきやがって!頼むから早く帰ってくれないかな!」

という気持ちにさせるでしょう。

 

「同盟を結んでくれないとこの呂布に兵をつけて送り込んじゃうよ?いいの?ウチもただでは済まないけどお宅も大変なことになるよ?お互い、この男にはおとなしく文官でいてもらっていたほうがトクでしょ?」という無言の脅迫!

 

現代の戦略でいう核ミサイルのような外交的カードになるでしょう。

 

このやり方を貫けば、たとえ小国であっても、過酷な三国時代を生き延びることができるかもしれません!

 

 

 

このウラワザについて、ひとつ注意点が!

曹操から水攻めを受ける呂布

 

ただし、最後にひとつ、ご注意を!

 

今回紹介したのはあくまでも「小国でも生き延びる」ための戦略であり、三国時代が落ち着いてきて誰が天下を統一するかが見えてきたら、あっけなくその軍門に降って優雅な引退生活を手に入れ、呂布は手放しましょう!

 

というのも呂布については、たとえ兵を与えなくとも「突然トチ狂って寝込みを襲ってくる」という危険(=前科)が常にあるからです!

早いところ引退生活を手に入れて、呂布を部下にしているという緊張から解放された老後を手に入れましょう!

 

特に、ある日、呂布がなぜか立派な馬や、立派な武器などを手に入れてホクホクしていたら、すばやく別荘などに身を隠し、もっとよい贈り物を届けて呂布の様子が変わるのを待つことをオススメします!

 

三国志ライター YASHIROの独り言

三国志ライター YASHIRO

 

あなたの知らないところで誰かからプレゼントをもらった直後の呂布というものは、何かよからぬことを吹き込まれている可能性が高く、もっとよいプレゼントで籠絡し直さないかぎりきわめて危険な状態です!

 

くれぐれも、気をつけてください!

 

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とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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