ウクライナ軍の反転攻勢が伝わる中、これまで横綱相撲を気取っていたプーチン大統領が積極的に発言する場面が増えてきました。自ら広告塔になる事で情報戦を有利に展開したい思惑のようですが、プーチン大統領の戦況説明には誤情報も多く、プーチン大統領の怒りを恐れて側近がロシアに都合が良い情報を流している可能性も指摘されています。
ウクライナのパトリオット5セットを撃破!=実はゼロ
たとえば、6月16日のロシア西部サンクトペテルブルクの国際会議の全体会合でプーチン大統領はウクライナ軍が運用しているアメリカ製の地対空ミサイルパトリオットをロシア軍がキーウ付近で5セット撃破したと発言しました。しかし実際にはウクライナに配備されているパトリオットは2セットで、ウクライナのゼレンスキー大統領も18日の演説で1つも破壊されていないと全面否定しています。
また、プーチン大統領はウクライナ軍のワレリー・ザルジニー総司令官が国外にいるかも知れないと述べ、ロシアメディアはザルジニー氏の重傷説を流しましたが、ウクライナ国防省は全面否定しました。ザルジニー総司令官は、6月13日にアメリカ軍制服組のトップであるマーク・ミリー統合参謀長と電話会談しています。日時を考えるとザルジニー総司令官がウクライナ国外にいるとは考えにくいかも知れません。
部下が嘘を報告?裸の王様になるプーチン大統領
このようにプーチン大統領が事実と食い違う発言をする背景には、戦況の悪化を恐れたロシア軍が正確な情報をプーチン大統領に伝えず耳障りのよい戦果だけを大本営発表している可能性があるようです。これが事実なら、すでにプーチン氏は本当のウクライナの戦況も知らず、裸の王様となって世界に恥をさらしているという事かも知れません。
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