ウクライナは8月10日、北東部戦線で激しい戦闘が展開されていると発表しました。特にクピャンスク市周辺では、ロシア軍の攻勢が激化しており、市民に避難命令が出されました。
ウクライナ政府、苦戦を認める
ウクライナ東部作戦司令部の報道官は国営テレビを通じて、ロシアがクピャンスク一帯を制圧し、ウクライナの防衛線を突破しようとしていると述べ、戦況は困難であるものの、クピャンスク市はまだウクライナの支配下にあると強調しました。
一度奪還された地域、再び失陥の危機
昨年9月、ウクライナ軍はハルキウ州でクピャンスク市と周辺地域を奪還していましたが、その後ロシア軍によって再び奪回される事態となっています。クピャンスク市の軍政トップ、ベセディン氏は国営テレビのインタビューで「昨日、避難命令が発令され、市民の避難が始まった」と述べました。市民は避難を拒否することもできるが、意思表示の書類を提出する必要があるとのことです。クピャンスク市では、戦闘が激化し砲撃が増加した場合、子供たちの強制的な疎開も検討されています。
反転攻勢による影響か?
ウクライナ軍は南部ザボリージャ州やドネツク州での反転攻勢に多くの部隊を集中させていますが、ロシア軍の大量の地雷などにより進行が鈍化しており、この間に他のロシア軍部隊が攻勢を強化している可能性があります。しかしながら、反転攻勢を行わない場合、ロシア軍は占領地を固めて支配を強化し、時間が経つにつれて奪還が難しくなる恐れがあります。ウクライナはこの難しい状況に対処しながら戦局を切り抜けようとしています。
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