ウクライナ戦争勃発以来、全国平均で185円60銭と、2008年の過去最高価格に迫る高値を維持し続けるガソリン価格。こうした中、岸田総理は、予定されていた価格抑制の補助金終了を9月末から年末まで延長する意向を表明しました。しかしながら、疑問が残ります。ガソリン価格が160円を超えると自動的に発動し、価格を引き下げるトリガー条項が、なぜ発動されないのでしょうか。
トリガー条項とは?
トリガー条項とは、全国のガソリン価格が3ヶ月連続で160円を超えた場合、ガソリン税の上乗せ分(25.1円)を減税し、価格が130円を3ヶ月連続で下回るまで適用される減税制度です。2011年の東日本大震災の復興財源を確保するために特例法で停止されていますが、総理の判断次第で即座に復活可能です。
非効率な補助金の維持の理由は?
もし現時点でトリガー条項が発動されれば、ガソリン価格は急落して165円台になります。岸田総理は価格抑制の補助金を年末まで継続させ、10月までには175円程度を目指すとの意向を示していますが、単なる石油元売り四社の黒字を助ける補助金よりも、トリガー条項の発動が国民の利益に資するのは言うまでもありません。
買い控えが起きるという言い訳に疑問
トリガー条項の発動を求める国民の声に対し、鈴木財務相は「トリガー条項の発動によりガソリンの買い控えが起きる恐れがある」と主張し、批判が起きています。しかし、ガソリン価格の高騰は新たな現象ではありません。今年3月には既に1リッターあたり160円を超え、それ以降3カ月以上も続いています。消費者のガソリン購入抑制を恐れるなら、なぜ3ヶ月前にトリガー条項を発動させなかったのでしょうか?3ヶ月間も無為に過ごしておいて、今になって国民をないがしろにしたようなガソリン購入抑制論は理解に苦しみます。
減税に頑なに反対する岸田政権
岸田政権は発足以来、補助金の提供は行っても減税には頑なに反対してきました。国民からの税収が過去最高を記録する中、その資金を国民のために活用しない姿勢には遺憾の意を禁じ得ません。こうした姿勢を続ければ、支持率2割の岸田政権が1割台まで低下するのも時間の問題でしょう。
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