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【if三国志】孫権軍がまさかの羅針盤を発明したら?世界史に先駆けた太平洋大航海時代が呉から始まる?

2025年10月30日


 

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孫権の娘が大喧嘩 孫魯班、孫魯育

 

「科学立国」という言葉がありますよね。

 

国会議事堂

 

そして日本の近現代史でも、しばしば、これはキーワードとされてきました。

 

西郷隆盛像

 

たとえば、幕末明治で西欧列強の脅威から日本がなんとか独立を守れたのは、薩摩藩や佐賀藩において、既に科学やテクノロジーが十分に発達している素地があった、すなわち、科学技術に通じていた武士たちがたくさんいたからだ、と言う説もあります。

 

四頭立ての馬車 文明開化(明治時代)

 

実際の歴史はもちろん、もっと複雑でしょうが、あくまで「イフ歴史」を考える上での素材ならば、「軍事や国力的に圧倒されている勢力は、科学技術において秀でることで、生き残り策を見出す」というイフ展開パターンはあってもよさそうですよね。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国鼎立のうちの一国がまさかの「科学立国」を方針に掲げたらどうなった?

三国志を楽しく語るライターYASHIRO様

 

そこで、今回は、いささかとっぴに聞こえるかもしれませんが、三国時代を舞台に、「軍事や国力的に圧倒されていた勢力が、科学技術開発で起死回生」というイフシナリオを考えてみたいと思います。ここで注目したのが、「羅針盤(らしんばん)」です。

 

ガレオン船(世界史)

 

羅針盤というのは、航海で使う方位磁石のこと。これはヨーロッパ発の大航海時代の原動力となったという点で、世界の三大発明のひとつに数えられることもあります。ですが、そもそも羅針盤の発祥は、中国とされているのです。もともと昔から、中国では磁石を使うと南北を把握できることが知られており、北宋の時代にはいわゆる羅針盤としてのスタイルは完成していた。

 

キャラベル船(世界史)

 

それがアラビアを通じてヨーロッパに伝わり、ヨーロッパ人たちの大航海時代の起爆剤になったということです。世界史的には、そのような流れなのですが、こういう話をきいたとき、私は、以下のように、夢想してしまいました。」

 

大船団を率いて呉を攻める王濬(おうしゅん)

 

すなわち、そもそも羅針盤の原型が中国発祥ならば、ヨーロッパの大航海時代よりも何世紀も前に、いやいっそのこと、三国時代の古代中国で、史実の世界史よりも何世紀も早く、羅針盤が発明されてしまったら、どうなっていただろうか、と。

 

 

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羅針盤を手にした孫権の無双時代が始まった!

呉の孫権

 

さて、魏呉蜀の三国を見たとき、「羅針盤」を開発するのがいちばん似合っている勢力はどこでしょうか。これは、だんぜん、孫権が率いる呉でしょう!

 

海上での戦いの孫権

 

というのも、孫権の呉は、長江より南の江南を拠点とし、水軍を駆使して長江を死守することで、自分たちの領土の独立性を守っていました。史実の三国時代でも、魏呉蜀の中では魏が圧倒的な強国でしたが、呉が水軍の運用で優位だったがために、国力では劣勢な呉が蜀よりも国家としては長命に過ごせた理由となります。

 

諸葛瑾

 

そんな孫権軍の重臣の中の誰かが、ここは架空のシナリオなので、諸葛瑾でも、魯粛でも、張昭でも、誰でもよいのですが、磁石の性質を研究しているうちに、羅針盤を完成させてしまったとしましょう。

 

キングダムと三国志 信と曹操のはてな(疑問)

 

そしてそれを、孫権に献上したとしましょう。すると、どういうことになるでしょうか?

 

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孫権

 

 

羅針盤がある以上、中国大陸の内戦にこだわる理由もなくなる?

船冒険する諸葛直 船

 

羅針盤が手に入ったということは、陸地から離れて遠洋まで自在に航海できてしまうことです。こうなると、孫権軍の水軍は、長江を防衛する川船の船団程度で収まっている必要はなくなります。引き続き、長江の水軍の防衛線で魏を牽制しながら、そのいっぽうで、太平洋岸に造船場をつくり、遠洋航海用の巨大船の建造を始めることでしょう。そして呉が太平洋に自在に出発できるようになると、三国志の地図の見方が、がらりと変わってしまいます。

 

三国時代の船 楼船

 

孫権の呉といえば、長江の南に狭く閉じ込められた、袋小路にあるように見えていたものが、自由自在に太平洋に出られるようになった呉は、魏も蜀も無視して、どんどん太平洋に航路を発見し、太平洋の島々の古代王国と同盟を結ぶと言うとんでもないことができてしまうのです。

 

衛温、諸葛直

 

たとえば台湾、たとえばフィリピン、たとえばインドネシア。他にもいっぱいありますよね!中国大陸から遠洋に出られるようになれば、交易を結べそうな太平洋のさまざまな島が。ヨーロッパ大航海時代を先導したスペインやポルトガルに先駆けて、呉の孫権の一族が「航海王子」を輩出する王家になっていたかもしれない。こうなるともちろん日本のことも気になります。

 

魏志倭人伝の表紙 書類

 

魏志倭人伝という記録によると、三国時代には、邪馬台国の女王卑弥呼が魏に対して使者を送ったとされています。

 

卑弥呼

 

ですが、今回のこのイフ歴史では、邪馬台国がわざわざ魏に使者を送るまでもなく、孫権の呉のほうから交易を求めて船が到着することでしょう。

 

邪馬台国と魏軍の兵士

 

そして、まさかまさかの、邪馬台国と呉の軍事同盟が成立し、邪馬台国の援軍が、魏との対決において活躍する、などという展開も、あり得たかもしれません!

 

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邪馬台国

 

 

まとめ:偉大なる航海王孫権のおかげで世界史は「アジア太平洋」が中心に?

陸遜の部下の兵士

 

 

三国時代の南に追いやられていたと思われていた呉が、太平洋諸島との強固な交易・同盟国家に化けて超強力になってしまうというこのシナリオ。魏の優位性も、大いに崩されかねません。いくら魏が中国内陸の生産力や人口を背景にしていても、呉は太平洋のさまざまな島嶼国からの産物や援軍で急成長してしまうのですから。これならば呉が中心の三国志展開があってもおかしくはない?

 

スキッパーキ(航海する船)

 

いやそれどころか、ヨーロッパの大航海時代に先駆けて、孫権が太平洋にさまざまな海の交易ルートを開拓してくれたおかげで、世界史そのものが、ヨーロッパ中心ではなく、アジア太平洋を中心に動いた世界線になってしたかもしれません!

 

酒癖が悪い孫権

 

たった羅針盤ひとつを発明するだけで、呉がここまでのチート「科学立国」に!もちろん、これは、かなり「夢」が入ってしまったイフ展開です。ただ、これは孫権軍ファンの方にはきっと、胸躍る、夢いっぱいなイフ展開になったと思っておりますが、いかがでしょうか?

 

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二宮の変

 

 

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YASHIRO

とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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