えんがちょとは、子供の遊びのようで、差別にも直結する中々根が深い行為です。やりかたとしては、友達がウンコなど汚いモノを踏んだ時に、「えーんがちょ切った!」と言って、人差し指と中指を交差させます。すると、これが魔除けになり汚いモノを踏んだ友達に触られても穢れが移らないとされます。このえーんがちょは、一体、いつの時代からあるのでしょうか?
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平治物語絵詞に登場
えんがちょと言いながら、人差し指と中指を交差させる行為は、鎌倉時代には成立していた「平治物語絵詞」に登場するそうです。場面は後白河上皇と二条天皇に仕え栄華を極めた信西が藤原信頼と源義朝の軍勢に攻められ、穴の中に隠れていたのを発見されて自害し、首を獲られたシーンです。
この場面では、薙刀の先に下げられた信西の生首を見た沿道の人々が人差し指と中指を交差させて、えんがちょを切り、死の穢れが自分につかないようにしています。また、えんがちょとは「人と人の縁をちょん切る」縁がちょん!が語源ともされます。人の縁を切るとは、縁を切った人とは一切交際しないという意味であり、ここにはよそ者やタブーに触れた者を忌避する排除の論理が見え隠れします。
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えーんがちょ!の派生形
派生形にはウルトラマンや鉄人28号のような子供向け番組が起源の「バーリア!」があり、これは両手を目一杯に広げて空間に四角を描きながらバリアと叫ぶと穢れが移らないとされます。
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