「バカは自分がバカである事を認識できない故にバカなのだ」という格言があるかどうか分かりませんが、実際に2000年にイグノーベル賞心理学賞を受賞したダニング=クルーガー効果によると、能力が低い人は己を過信して自己評価を高くし、能力が高い人は己を過小評価する傾向にある事が実験で分かったそうです。
84人の大学生での文法テストで実験
ダニング=クルーガー効果を実証した実験は幾つかあるのですが、その中で84人の大学生を被験者におこなった「予測した文法能力と点数」と「実際の点数」に着目した実験を紹介します。この実験は84人の大学生に文法テストを受けてもらい、自分が何点くらい取れているかを予想してもらい、その点数の差を答え合わせで確認するものです。採点前には、テストの上位者と下位者では予想した点数に大きな差はなく、いずれも60%から70%の正解率と予想していました。
能力が低い生徒ほど、自己を過大評価する
ところが実際の文法テストの点数を見てみると、点数が下位の生徒は予想点数が実際の点数をはるかに上回ったのに対し、点数が上位の生徒は予想点数よりも実際の点数が高くなっていました。つまり能力が低い生徒は、自分を実力以上に評価するのに対し能力が高い生徒は自分の実力を過小評価する傾向がある事が分かったのです。
バカは無敵で迷惑である事が判明
この実験により、バカは自分がバカである事に気づけず、いつまでも自分が実際よりも有能であると勘違いし続ける傾向にある事が分かりました。どこの世界にも知ったかぶりをしているけれど実際には何も知らない、能力も低い人がいます。周囲に敬遠され、陰でバカにされないように客観的に自分を把握する冷静さが私たちには必要ですね。
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