筆者は20代の頃、商品の包装フィルムを作成する工場に勤めていました。そこでは家庭常備薬の包装フィルムも作成していましたが、風邪薬は暖色系、湿布薬は寒色系と色分けがされていた事を覚えています。また、暖色系のフィルムに触れていると何となく暖かく感じたものでした。そんなバカな?と思ったあなた!商品のデザインは味覚に影響していて、その研究結果もあるんですよ。
参考:世界の研究者が調べた すごすぎる実験の図鑑 単行本 株式会社カンゼン
コカ・コーラとペプシの成分は同じ
なにかとCMで火花を散らす、世界の二大コーラ、コカ・コーラとペプシコーラ。しかし、この2種類のコーラは、成分はほとんど同じなんだそうです。それなのに、どうしてシェアにこんなに大きな差があるのか?それはズバリ!コカ・コーラのデザインがペプシより優れていて、そのデザインのせいでペプシよりも美味しく感じるとする実験結果が、アメリカベイラー医科大学より出されたのです。
ベイラー医科大学が検証
2004年、ベイラー医科大学では、デザインが人間の味覚にどのような影響を与えるかの実験をしました。実験はラベルを取り外したコカ・コーラとペプシコーラを被験者に飲み比べてもらい、どちらが美味しかったかを聞くものでした。その結果、ラベルを取り外すと、被験者がコカ・コーラとペプシコーラを選ぶ率は半々で特にコカ・コーラが優位ではありませんでした。
次の実験では、コカ・コーラのラベルを貼ったコカ・コーラとラベルを貼っていないコカ・コーラを被験者に飲み比べてもらった所、なんと85%もの被験者がラベルを貼ったコカ・コーラが美味しいと回答しました。
関連記事:1日13分以上勉強すれば、あなたは出来る日本人になれる!
ペプシで同じ事をしても変化なし
次にベイラー医科大学の実験チームはペプシコーラのラベルを貼ったペプシコーラとラベルを貼っていないペプシコーラを被験者に飲み比べてもらいますが、この時にはラベルの効果はなかったそうです。ここから見ると、コカ・コーラとペプシの人気の差は味ではなく、ラベルという事になりますね。
コカ・コーラのラベルを見せるだけで脳が強く反応
悪乗り気味のベイラー医科大学研究チームは、今度はMRIを用いて被験者の脳の反応を調べる事にします。研究チームは被験者にラベルを取ったコーラ、ペプシのラベルを貼ったコーラ、コカコーラのラベルを貼ったコーラを飲ませて脳の反応を見ました。
すると、コカ・コーラのラベルを見せた時だけ、海馬という記憶を司る器官が強く反応している事が分かったのだそうです。被験者はコカ・コーラのラベルを見た時に、美味しかったという過去の記憶が呼びおこされ、よりコカ・コーラが美味しく感じたという事です。このように味には、味覚だけではなく視覚や記憶も大きな影響を持っているのです。
▼こちらもどうぞ