東京スカイツリーの高さが634mあるのは有名です。しかし、これだけの高さがある東京スカイツリーは大地震が起きたらどうなるのでしょうか?今回は大地震にも耐える東京スカイツリーの耐震構造について考えます。
大木の根のような深く食い込んだ基礎
建物は高くなるほど地震や強風時の揺れで基礎部分に大きな「引き抜き力」「押し込み力」がかかります。スカイツリーのような細長い構造の建造物には特に大きな力がかかるのです。そこでスカイツリーは基礎の杭を大樹の根のように太くして放射状に地中に張り巡らせる事で地盤と東京スカイツリーを一体化しています。
通常の2倍の強度を持つ「高強度鋼管」
東京スカイツリーの部材は「高強度鋼管」という標準的な鉄骨よりも2倍強い鉄を使用。タワー足元の鋼管は直径2.3メートル、厚さ10センチもあります。そればかりではなく、スカイツリーはトラス構造と呼ばれる主材、水平材、斜材からなる各部材を三角形状に接合した構造体骨組みで各部材の接合は分岐継手と呼ばれる鋼管同士をプレートなどを介せず直接、溶接接合する方法です。
法隆寺五重塔と同じ制振システム
また、東京スカイツリーでは中央部に設置した鉄筋コンクリートの円筒(心柱)と外周部の鉄骨造の塔体を構造的に分離。自由にした心柱上部を「重り」として機能させた新しい制振システムを用いています。この重りの存在により大地震が起きてスカイツリーが揺れても心柱と構造物が時差で逆方向に揺れ、構造物全体で揺れが相殺されるのです。この仕組みは、今から1400年も前に建立された法隆寺五重塔と同じ仕組みなのだそうです。
東京スカイツリーは大地震にも耐えられる
このように東京スカイツリーは地震大国日本の風土に対処し、最大級の地震にも対応できるように技術の粋を集めて建造されているのです。
▼こちらもどうぞ