核ミサイルによる恫喝を繰り返す国は?という問いには多くの人が北朝鮮と答えるでしょう。しかし、最近ではそれがロシアに追い抜かれる日も近そうです。ロシアが最新式のICBM(大陸間弾道ミサイル)の配備を発表しました。ウクライナへの軍事支援を継続する欧米を牽制する構えのようです。
ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスが発表
ロシア国営の宇宙開発企業ロスコスモスのボリソフ社長は9月1日、10個以上の核弾頭を搭載できるとする新型の大陸間弾道ミサイル「サルマト」が実戦配備されたと表明しました。このサルマトの射程は最大で18000キロでアメリカの防衛網を突破して本土を攻撃できるとしています。プーチン大統領は今年の6月に「核兵器の強化が重要だ」としてサルマトの実戦配備をほのめかしていましたが、それを実行した形です。
核頼みは終わりの始まり
昔から核兵器に頼る国は衰亡すると相場が決まっています。北朝鮮を見れば分かりますが北朝鮮が核弾頭を積めるミサイル実験に執着するのは、それ以外の装備が貧弱でお話にならず、核兵器の大量破壊にすがるしかないからです。プーチン大統領も同じ事であり、もはや通常兵器がウクライナの善戦で枯渇し、兵員も集まらず軍事パレードも中止せざる得ない状況で、核兵器への依存を強めているのです。
決して撃てないサルマト配備の滑稽さ
また、被害が限定的な戦術核ならまだしも、テキサス州を瞬時に潰滅させる大陸間弾道ミサイルなど発射できるわけがありません。そんな事をすればアメリカが核による報復を決行し、核戦争で世界が灰になるだけです。恫喝以外に使えないサルマトを仰々しく持ち出す時点でプーチン大統領に、ほとんど余裕がないのは明らかでしょう。もういちど言いますが、核に頼った時点でその国は衰亡するのです。
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