NHK大河ドラマ「どうする家康」が12月17日に最終話を迎えました。嵐の松本潤が主演を務め、岡田准一、ムロツヨシ、北川景子、松山ケンイチ、中村勘九郎等、過去のNHK大河で主役を務めた豪華俳優陣でのスタートでしたが、平均世帯視聴率は11.2%に留まり、歴代大河ワースト2位に沈みました。視聴率だけを見ると人気が無かったという事になる「どうする家康」でも、それって本当なのでしょうか?
いわゆる視聴率とは?
TV番組の存続と打ち切りを左右する視聴率は、民間企業のビデオリサーチ社が測定と調査をしています。ビデオリサーチ社は調査エリア内のテレビ所有世帯からランダムに調査対象を選び、テレビの視聴状況から視聴率を算出します。過去はテレビの前に誰もいなくても、電源さえ入っていれば視聴しているとカウントされていましたが、より現実に即した計測を迫られ、2020年からはピープルメータシステム、略してPM方式を採用しています。PM方式とは、調査対象となる家庭に調査用のリモコンボタンを設置し、視聴者が番組を視聴する度に自分用のボタンを押しカウントする仕組みです。ビデオリサーチ社はPM方式に加えて、調査世帯のテレビごとに視聴チャンネルを測定する「チャンネルセンサー」を設置し、より正確な視聴率を出す努力をしています。
視聴率では分からない視聴率
ただ、ビデオリサーチ社の視聴率はテレビに限定されたものである事に注意が必要です。現在はTV番組の視聴は多様化し、ビデオに何十時間も録画する事が出来ますし、スマホやパソコンでも番組は視聴できます。逆に家にTVがなく、番組はもっぱらパソコンやスマホで視聴という方も多いのです。実際NHKは「NHKプラス」でスマホやパソコンへ配信サービスを開始していて、日曜日8時に大河ドラマを視聴していない視聴者も大勢いるのです。
NHKプラスで平均最高視聴数を獲得
本放送では歴代ワースト2位の視聴率に終わった「どうする家康」ですが、先に紹介した「NHKプラス」においては「どうする家康」が大河歴代最高視聴数を獲得しています。発表によると、どうする家康の第1話から第47話までの平均視聴数は25.1万UBで、サービスが開始された2020年4月以降、全話平均視聴UB数で最高を記録しています。これらの視聴率には含まれない数値を考えると、平均世帯視聴率11.2%という数字は「どうする家康」の実態を反映したものとは言えないと思います。
まとめ
現在の視聴率は改善はされていますが、基本的には一家に一台のテレビがあり、家族全員がリアルタイムで番組を視聴する事を前提に設定されています。しかし、21世紀の現在、一家団欒でTVを囲む家は少なく、世帯の個々人がスマホやパソコンでTVやインターネットを視聴するのが普通の時代です。この点を考慮にいれないと本当の視聴率を測る事は出来ないのではないでしょうか?
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