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[諸葛亮の兵法]勝つ組織と負ける組織、その秘密

2024年5月9日


 

挑発する諸葛亮孔明

諸葛孔明

 

(しょく)丞相(じょうしょう)諸葛亮(しょかつりょう)が書いたと言われてきた『将苑(しょうえん)』という兵法書があります。現代では、後人が諸葛亮に仮託して書いた偽書(ぎしょ)であるとされています。偽書であるとすれば、きっと諸葛亮のことをよく知っている諸葛亮マニアが書いたのでしょう。

 

劉禅

 

内容は劉備(りゅうび)が息子の劉禅(りゅうぜん)にオススメした兵法書『六韜(りくとう)』に似た雰囲気で、なかなか面白い兵法書です。本日は、この『将苑』から、勝つ組織と負ける組織の違いについて書かれた部分をご紹介いたします。

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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勝つ組織のありかた

于禁

 

まずは勝つ組織のありかたを書かれた部分を読んでみましょう。下に書いたものは私のざっくりとした訳です。原文は中国版ウィキペディアのような「百度百科」で「将苑」を調べると載っています(2018月11月8日現在。参照URL  https://baike.baidu.com/item/将苑 )。

 

優秀な人材が上位につき、才の劣る者は下につく。

全軍が喜び楽しんでおり、士卒は威儀に従っている。

皆が武勇を競い合い、威武(いぶ)を輝かせたいと望んでいる。

罪に対しては刑、功に対しては賞をもって報いられる。

これが必勝の軍である。

 

能力や功績に基づいて評価されるため、スタッフはやる気と緊張感を持って働き、活気ある組織となっているようです。ふむふむ、これが勝つ組織のあり方なんですね。

 

 

負ける組織のありさま

敗北兵が裸にされるが禰衡が何故かいる

 

つづいては負ける組織のありさまが書かれた部分を見てみましょう。

 

士卒が怠惰(たいだ)であり、全軍がびくびくとしている。

礼も信も行き渡っておらず、人々は法をおそれない。

敵を恐れ、目先の利益ばかりを求め、運・不運を気にして妖言を言い合う。

これが必敗の軍である。

 

「礼も信も行き渡っていない」、つまり人々が賞罰を運用する役職者のことを信頼していないため、評価を気にせずだらだらと働いているようです。やる気がないため困難を恐れることしかできず、給料のことばかりを気にし、運だのみで噂に流されやすいようです。ふむふむ、これが負ける組織のありさまなんですね。

 

 

 

 

勝つためのキーポイントは「信賞必罰」!

諸葛亮孔明

 

勝つ組織と負ける組織の違いは「信賞必罰(しんしょうひつばつ)」が徹底されているか否かにあるようです。現代で考えれば、人事評価がきちんとしているかどうかといったところでしょう。評価方法が不明瞭で、だらだらやっている人も成績を出している人も同じような評価しかされないのだとしたら、働く人のモチベーションはあがらないですよね。

 

できる人は評価してくれる場所に転職してしまうか、あるいは、頑張ってもどうせ評価されないんだからそこそこやってりゃいいやと思うかどちらかでしょう。そこそこやって給料もらえればいい、という考え方だと、組織の目標を達成するために自分ができることを工夫しようという気概もなく、目的を理解しようという気持ちすら起きないでしょう。不景気になって給料が下がらなければいいが、くらいしか考えないかもしれません。

 

 

 

三国志ライター よかミカンの独り言

三国志ライター よかミカンの独り言

 

信賞必罰は大事だ、という当たり前な内容なのですが、勝つ組織と負ける組織の様子の違いが目に浮かぶように書かれていて、ちょっと面白いですよね。成果を上げる者が評価され、そうでない者は干されるため、一人一人が緊張感を持ちながら瞳を輝かせて頑張って働いている組織。

 

頑張っても頑張らなくても誰も見ていないから、自分の給料のことだけを気にして、景気だのみで噂話に流されやすい人ばかりの組織。『将苑』のこの箇所は現代人にもイメージしやすい部分だと思います。ただ、現代人からすると、ビジョンについての言及も欲しいところではないでしょうか。人事評価がどうなっているのか不明瞭でも、組織の目指しているところが一人一人の腑に落ちる形で明示されていれば、みんなけっこう頑張れるんじゃないでしょうか。夢や希望や志って、大事じゃないですかね……。

 

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よかミカン

よかミカン

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。 個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。 三国志小説『ショッケンひにほゆ』 【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】 何か一言: 皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。 妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。 読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

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