「侍」や「忍者」を描くビデオゲームは国内でも人気があり、
『戦国無双』や『侍道』、『天誅』といった有名シリーズがありますが、
キャラクターとしての「侍」や「忍者」の人気は、
むしろ欧米の方が高いと言えるかもしれません。
なぜ、海外では「侍」や「忍者」が高い人気を誇るのでしょうか?
今回はその謎を探りつつ、海外の「侍」「忍者」が登場する
ゲームの数々を紹介しましょう!!
この記事の目次
「侍」が海外で人気なのは、あの名作邦画の影響だった?
海外で「サムライ」という言葉が一般的に知られるようになったのは、
黒澤明監督の映画『七人の侍』がきっかけだったと言われています。
『七人の侍』は海外でも高く評価される映画で、
多くの著名な映画監督がその影響を受けているのが知られています。、
「最も影響を受けた映画監督」のアンケートで
黒澤明の名前がトップテン入りしていることからも、
彼の作品がどれほど支持されているかをうかがい知ることができでしょう。
「忍者」最大の魅力は「誰でもなれる」こと?
「侍」と並んで海外で人気の高い「忍者」ですが
特にアメリカにおける「Ninja」の人気は熱狂的です。
何がアメリカでの「忍者」人気のきっかけになったか
これには諸説あるようですが、結構古くから忍者の人気は
高かったとも考えられます。
その証拠となるのが、有名なアメコミヒーロー「バットマン」です。
1939年に初登場した「バットマン」は、作中で明言はされていないものの、
黒を基調としたそのコスチュームや覆面、闇に姿を隠し隠密行動で
活躍するなど、忍者をモチーフとしてデザインされたと言われています。
また、1980年代には爆発的な“ニンジャ”ブームが起こりますが、
その火付け役となったのはアニメ『ミュータントタートルズ』でした。
人間のような姿で忍術を使って戦う4人のミュータント・タートルズを
描くこの作品は1987年の初めてのTVシリーズ版から、2012年の
最新シリーズまで続くロングランヒット作品となっており、
アメリカにおける“ニンジャ”の人気を定着させました。
近年では忍者を描いた日本の作品『NARUTO』がブームとなっています。
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アメリカ人が忍者を好む理由には、
スタイリッシュなユニホームやオリエンタリズムなどがありますが
最も重要とされるのは、忍者が「誰でもなれるヒーロー」と
認識されているということです。
フィクションにおける忍者は
厳しい修行を経て忍術を習得したヒーローとされていますが、
逆に言えば修行さえこなせば、誰でもなれるのが忍者です。
宇宙人であるスーパーマンや突然変異によってヒーローになった
超人ハルクなどと違い、自分の努力でなれる“ニンジャ”は
いかにも“アメリカンドリーム”的なヒーロー像と言えるでしょう。
「侍」「忍者」が登場する海外のゲーム
・『Wizardry(ウィザードリィ)』シリーズ
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1981年にアメリカで発売された、
ビデオゲーム黎明期の作品であり、RPGの元祖的存在でもある
『Wizardry(ウィザードリィ)』。
剣士や魔法使いといった職業のキャラを作成し、
地下迷宮を探索、キャラを成長させ、より強力な武器防具を見つけ、
最終目標である“アミュレット”を手に入れる
というゲームシステムは後のRPGに多大な影響を与えましたが
プレイヤーキャラが選択できる職業の中に
「侍」と「ニンジャ」があります。
「侍」は戦士と魔法使いの能力を併せ持ち、
強大な攻撃力を誇る職業ですが、特にその象徴とも言えるのが
作中に登場する武器の中でも最強を誇る日本刀、「ムラマサブレード」でしょう。
滅多に手に入れることのできないこの武器を求め、多くのプレイヤーが
ハマりまくったことはあまりに有名です。
また、「ニンジャ」という職業は
どれほど強い敵でも一撃で葬り去る“クリティカルヒット”という
特殊スキルを持ち、また、何も装備しない状態で最も防御力が高くなるという
一風変わった性質を持っていました。
「侍」と「ニンジャ」はプレイヤーキャラだけではありません。
地下迷宮後半、「Mifune」という侍姿の敵キャラが登場しますが、
この「Mifune」とは「ミフネ」と読み、
黒澤明監督の映画『七人の侍』で主人公の一人を演じた俳優、
三船敏郎の名前から取られたものです。
「ミフネ」の名前は、当時のアメリカ人にとっては侍の代名詞でした。
「ニンジャ」も敵として登場します。
プレイヤーキャラと同様クリティカルヒットのスキルを持っており
手塩にかけて育てたキャラが一撃で殺される危険性があることから、
『Wizardry』における最強のザコ敵とも言われています。
・『Shadow Tactics: Blades of the Shogun』
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しばしば、海外の映画作品などで描かれる「日本」は、
当の日本人である私達から見ると、思わず首をかしげたくなるような
「勘違いした日本」だったりすることがあります。
2016年にリリースされた「Shadow Tactics: Blades of the Shogun」も、
そんな「なんちゃって日本」を舞台とするタクティカルストラテジーです。
開発会社はドイツのデベロッパー、Daedalic Entertainment。
ゲームの舞台は1615年の日本。
史実では江戸幕府と豊臣家の間で「大阪夏の陣」が行われた時代です。
プレイヤーは将軍(徳川秀忠?)の身辺を守護する隠密部隊を操作します。
ステルス要素を最大の特徴とし、敵に発見されないよう行動したり、
敵の動きを予測して罠を仕掛けるといった「ニンジャ」プレイを
楽しむことができます。
年代まではっきりとした日本を舞台としているゲームですが、
ビジュアルは全体的に中国系?
日本人の感覚からすると「アレッ?」と首を傾げたくなります。
しかし、ゲームとしての完成度は高いので、
描写される「なんちゃって日本」を“味”と割り切れるかどうかで
評価が大きく変わってきそうな作品です。
・『For Honor』
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『アサシンクリード』シリーズで知られるユービーアイソフトが
2017年2月にリリースした『For Honor』は、「ナイト」「ヴァイキング」
そして「侍」の3つの勢力が争う異世界を舞台とした
オンラインアクションゲームです。
ファンタジーでありながら、アクションのリアリティを重視した
作品で、剣や刀を使ったゲームキャラの動きは、
実際に武器の扱いになれた武闘家の動きをモーションキャプチャー
したものになります。
キャラクタータイプによって扱う武器や
攻撃方法が変化することも特徴で、
「侍」勢力には、刀身の長い野太刀を使い攻撃範囲の広い「剣聖」や
金棒を使うパワータイプの「守護鬼」、鎖鎌を獲物とする「忍」といった
特徴ある6つのタイプのキャラを使うことができます。
・『HYAKKI CASTLE(百鬼城)』
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アメリカで1987年にリリースされたPC用RPG『Dungeon Master』は
敵がリアルタイムで行動することが大きな特徴の
“リアルタイムダンジョンRPG”として爆発的ヒット作品となりました。
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近年『Dungeon Master』に影響を受けた
リアルタイムダンジョンRPGが再び人気を呼んでいますが
日本を舞台とする作品として注目されているのが
『HYAKKI CASTLE(百鬼城)』です。
舞台となるのは江戸時代、
流刑地の島に忽然と現れた謎の城「百鬼城」。
プレイヤーは公儀隠密としてこの怪奇の城に潜入し、
その謎を調査することになります。
「百鬼」の名が示す通り、
日本の妖怪伝承をベースとした世界観が構築されており、
おどろおどろしい妖怪たちがホラータッチで描かれています。
4人組のパーティーを任意で2つに分割し、
協力することで戦闘や謎解きを行う「2パーティー」システムや
敵に追い詰められたとき、自ら“切腹”することでセーブポイントに
戻れる“切腹”スキルなど、ユニークなシステムを搭載したこのゲーム。・
製作は日本のデベロッパーAsakusa Studios。
海外展開向けタイトルで英語を始めとする5ヶ国語に対応。
もちろん、日本語にも対応しています。
関連記事:衝撃の事実!忍者のルーツは春秋戦国時代の中国にあった?(HMR)
日本を舞台とする「アサシンクリード」が開発中!?
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最新作「アサシンクリードオリジンズ」で
精緻な時代考証に基づく古代エジプトの世界を再現したことで
再評価されている同シリーズですが、
同シリーズのコンセプトアートを手がける
John Bigorgne氏がネットで公開した作品の中に、
封建時代の日本と侍の姿の描かれたものがあることが
判明し、話題を呼んでいます。
これが『アサシンクリード』の新作を示すものであるか
一切詳細は明らかにされていませんが、
2010年にユービーアイソフトが公開したアートワーク集の中に
「オリジンズ」とつながる古代エジプトをモチーフとした
作品があったことが知られており、将来的に
封建時代の日本を舞台とした「アサシンクリード」が
発売されることが、今から期待されています。
侍と忍者が登場するゲーム5選のまとめ
「侍」や「忍者」をモチーフとしたキャラクターは
数多くの海外ゲーム作品に登場しており、
「侍」「忍者」の海外での人気の高さを知ることができます。
これからどんな「侍」「忍者」が登場するゲームが発売されるか
期待したいところですね。