失敗や挫折によってネガティブになった心理状態を、ポジティブに変えたい人はいませんか?
この記事を読み終わる頃には、
あなたは人生をポジティブに歩むことができる方法をひとつ手に入れています!
ネガティブ思考は自分で切り替えられるんです!
※このお話は、三国志に登場する袁術(公路)が、
21世紀のビジネスシーンで支持されている様々な「自己啓発」のやり方を学び、
実践していく物語になっています。
やや、21世紀風のセリフ回しになっている部分はご了承ください。
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袁術くん、親友の陳珪くんに悩みを相談してみる
袁術くんは、四世に渡り三公を輩出したという超超名門である汝南袁氏に生まれました。
父の袁逢は三公の中の司空に就いたことがありましたが、すでに病没し、この世を去っています。
このところの袁術くんはため息をつくことが多くなりました。
それは大好きだった父が他界したという理由だけではありません。
「よお、公路(袁術の字、親しい間柄の人はみな字で呼び合います)。
なんだか元気がなさそうだが、どうかしたのかい?」
そう声をかけてきたのは、親友の陳珪くん(字は漢瑜)でした。
袁術くんの家と同じように、三公や地方の太守などを数々輩出してきた名門の出自です。
境遇が似ていることもあり、二人は若い頃から気の合う仲間同士でした。
「いや、最近なんだか気の滅入ることばっかりで、どうもテンションが上がらないんだ」
袁術くんのテンションが低いのはいつものことでしたが、
陳珪くんは理由を尋ねました。
すると袁術くんは、厚ぼったいまぶたの奥から涙を流し始めます。
「人間関係がね…… どうも上手くいかないんだ」
(ははん、これは同族の袁隗さんや袁紹くんのことだな)
すぐにピンときた陳珪くんは、相談に乗ってあげることにしました。
袁隗さんも袁紹くんも汝南袁氏の一門で、容姿に優れ、能力も高く、名声を集めています。
それに引き換え、袁術くんはいつも自信なさげでした。
「よし、公路、今日は人間関係を良好にすることのできる、
リフレ―ミングというテクニックを教えてあげるよ」
「リフレ―ミング?聞いたことがないな。僕は孔子の教えしか信じていないんだけど」
「まあまあ、そう言わずに、試しにやってみよう。ポジティブな気持になれるかもしれないよ」
「そうかい。漢瑜のアドバイスはいつも的確だからね。わかった。リフレ―ミングの教えを受けるよ」
リフレ―ミングとは何か?
「早速なんだけど、リフレ―ミングって何だい?」
「フレームっていうのは、物事を見る視点のことさ。
ひとつの物事でも、どこに注目するのか、どの角度で見るのかによって印象はまったく違うだろ?」
「どういうことかな?」
「例えば、他人がキミを見た印象で考えてみよう。民衆はきっと超エリートと見るだろうね。
でも僕から見たら悩めるひとりの人間だ。
フレームによって、物事の捉え方は大きく変わってくるというわけさ」
「そう言われてみたら、そうかもしれないな」
「このフレームをコントロールして、意図的に移行することをリフレ―ミングっていうんだ。
別の角度から見るだけでなく、細かく見たり、視野を広げて見るってこともあるよ」
「また、よくわからなくなった」
「じゃあ、例を挙げて考えてみよう。最近は反乱が続いてずいぶんと物騒な世の中になってる。
特に黄巾の乱なんてヒドイものだ。公路はこの状況をどう捉える?」
「え? そりゃあ、惨い時代に生まれたなっていう感想かな。
僕だって、いつ被害を受けるかわからないからね。強い恐怖を感じるよ」
「でも、視点を変えたら別の考えも生まれてくるだろう?
平穏な社会だったら、資産があって、
中央政府に強いコネクションを持っている権力者の地盤は揺るがない。
でも世界が混乱に包まれたら、話は別さ。本当の勇気と能力を試される。
そしてそこで活躍できる者がチャンスを掴むことができるんだ」
「この状況がチャンスなのかい? そんなの不適切だろう」
「キミの儒学を重んじる精神を否定する気はないよ。
ただ、そういった見方をすることができるだろうし、
そう考えられる者がこの乱世をポジティブに受け止められるのさ」
「それが、リフレ―ミングってこと?」
「そうさ。人はネガティブな気持ちでは実力を発揮できないからね。
いかに自分のメンタルをポジティブにしていくのかが大切なんだ」
大嫌いな袁隗と袁紹をリフレ―ミングしてみよう
「じゃあ、公路、今回悩んでいる人間関係をリフレ―ミングしてみようじゃないか」
「うーん。上手くできるかな」
「叔父さんの袁隗さんと、兄弟の袁紹くんのことだろう?」
「さすが漢瑜、何もかもお見通しだね。
そうさ、司徒をしている袁隗叔父さんと、本初(袁紹の字)のことなんだ。
ただ、何度も話をしているように、本初は僕の兄弟じゃない。
彼は亡くなった袁成叔父さんの子だよ。父が面倒を看ていたに過ぎないんだ」
「でも世間では、袁紹はキミの父親である袁逢さんの庶子という噂も流れているはずだよ」
「それは僕も耳にしている話さ」
「それで、今回はどんな問題なんだい?」
「叔父さんはいつも僕に、汝南袁氏なんだからもっと堂々と立ち振る舞えって文句を言ってくる。
そしてすぐに本初と比較するんだよ。
本初は本初で、僕への当てつけなのか、わざと僕の近くに立って立派な風貌を見せびらかしたりする。
今じゃ、周囲の人たちもあからさまに袁術より袁紹の方が格上だっていう見方だよ」
「昔から袁紹くんは、公路に対してライバル心剥き出しだったからな。
それで、キミは落ち込んでいるってわけかい?」
「叔父さんにも、本初にも、もう会うのも嫌なんだ。声も聞きたくない。
できるだけ離れて過ごしたいものだよ」
「なるほど。もう顔も見たくないという気持ちでいるわけか」
「さすがのリフレ―ミングでも、この状況は改善できないだろ。
まあ、僕が我慢して生活していれば済むことさ」
「しかし、こういう視点もあるんじゃないのかい?
叔父さんの立場に立ってみると、信頼していた兄の子であるキミに期待し、
成長させたいためにしている言動ってことだよ」
「うーん。そういう視点もあるのか」
「袁紹くんにしてみてもそうだよ。ここは解体するフレームが有効的だな。
袁紹くんが横に来ると比較されるから嫌だって言ってるけど、それはいつもの事なのかい?
他の官吏たちと比較してみるとどうだい?」
「まあ、いつもというわけじゃないけど……。
他の官吏だって目立とうとして、極端に行儀正しく、常に堂々と振る舞っているかな。
本初に限った話ではないかもしれない」
「ということは、実は深刻な問題ではなくて、公路の一方的な思い込みかもしれないわけだ」
「僕の一方的な思い込みか。そう思えると、少し気持ちが軽くなってきたな。
あまり気にせずに自分のやれることに集中した方がいいような気がしてきたよ」
まとめ
「リフレ―ミングをすると、厳しく感じていた状況でも、
突破口を見つけることができるのさ。フレーム次第で、感じ方は大きく変わってくる」
「そうか。とてもありがたい話が聞けたよ。
僕は内気で、魅力のない人間だから、どうしても周囲の目が気になってしまって……
ダメな癖だとはわかっているんだけどね」
「リフレ―ミングは自分に対しても有効だよ。
内気っていうのは、違う視点から見れば落ち着いているってことさ。
そして自分の世界観を持っている証拠だよ。周囲の目が気になるのも、視野が広いからこそさ。
だから魅力のない人間だと思い込む必要はないんだよ」
「漢瑜の言葉を聞いて、自信が湧いてきた。今後はぜひ、自分に対しても、
世間に対してもリフレ―ミングを使って、ポジティブな気持を高めていくよ」
「ああ、それはベストな選択だね」
リフレ―ミングの結論
・リフレーミングから得られるメリット
- リフレーミングをすることによってネガティブな考えがポジティブに変わる
例:「無口」→「聞き上手な一面がある」
「暗い」→「落ち着いている」
「消極的」→「慎重に行動」
「自信がない」→「謙虚」
2. 一つの出来事からあらゆる角度の視点で見れるようになり、
行き詰まった価値観から脱却することができる。