2020年に東京オリンピックが開催されます。今年の大河ドラマは1964年の東京オリンピックを題材にした『いだてん~東京オリムピック噺~』で、多くの人々が東京オリンピック開催を楽しみにしていると思います。この記事では、招致決定後に発生した問題と今後解決しなければならない問題について取り上げます。
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招致決定後に発生した問題
2013年9月に2020年の東京オリンピックの招致が決まりました。2015年に公式エンブレムが発表されましたが、ベルギーの劇場のロゴとデザインが似ているという指摘がありました。この指摘を踏まえて既に発表されていたエンブレムは取り消され、新しいエンブレムの公募が行われました。翌年の2016年に新しいエンブレムが決まり、現在も使用されています。
1964年の東京オリンピックで建設された国立競技場は老朽化と収容人数が少ないということで解体され、新しい競技場が建設されることになりました。新国立競技場のデザインは公募で決められ、当初の建設費は約1900億円でした。
ところが、円安による輸入資材の高騰によって900億円の追加予算が必要になりました。そのため、デザインから見直されることになりました。こけら落としとして、2019年のラグビーワールドカップを予定していましたが、ラグビーワールドカップまでに間に合わなくなりました。
新国立競技場だけでなく、全体的に大会運営費や会場整備建設費が高騰しました。約3000億円程度のコンパクトなオリンピックを目指していましたが、2兆円程度に高騰しました。費用を抑えるために会場の見直しも検討されました。例えば、カヌー・ボートについては埼玉県や宮城県の国際大会で使用されている会場に変更することが検討されましたが、当初の計画の通りで変更することなく、東京の海の森水上競技場で開催されることが決まりました。
オリンピックのレガシー問題
オリンピックが終わると、残された施設の運営管理が問題になります。新国立競技場についてはオリンピック終了後、サッカーやラグビーの試合の開催で収益を確保することが決まっています。しかし、維持費が年間二十数億円かかるといわれていて、試合の開催だけでまかなえるのか疑問が残ります。
2016年に開催されたリオデジャネイロ大会の大半の施設について、活用できていないといわれています。資金難から管理が難しくなり、廃墟になりつつあるといわれています。
ボランティア問題―人手不足は解消できるのか―
東京オリンピックが開催されると、会場案内や通訳など様々な仕事があり、多くの人手が必要になります。2020年の東京オリンピックのボランティアの募集要項について取り上げます。
ボランティアの拘束時間は1日8時間程度で、連続して5日以上稼働しなければなりません。また、交通費や宿泊費は自己負担です。現在、交通費は上限が1000円までと定められています。
この待遇で誰が参加するのか、割に合わないと思う人が多いと思います。2014年から東京オリンピック・パラリンピック委員会が全国の大学・短期大学と協定を結んでいます。この協定では、学生が参加しやすいようにボランティアに参加することで、大学は単位を認定しています。
東京五輪ライターオフィス樋口の独り言
今回は2020年の東京オリンピックの問題として招致決定後に発生した問題と今後残されている問題を取り上げました。招致決定後に発生した問題では、大会の運営費用が高騰した問題を取り上げました。
残されている問題では、オリンピックのレガシー問題とボランティア問題を取り上げました。レガシー問題では2020年の東京オリンピック開催後の施設の活用状況に注目したいと思います。ボランティア問題について、大学との連携に注目したいと思います。社会人の場合、ボランティア休暇の活用など職場との連携にも注目したいと思います。
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