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髭・顔は張飛と一緒?『水滸伝』の豪傑・林冲のモデルは張飛だった?

2020年7月5日


 

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林冲

 

水滸伝(すいこでん)』108人の豪傑である林冲(りんちゅう)は物語初期に登場する人物です。彼は無実の罪により職も家族も失ってしまい、逃げるようにして梁山泊(りょうざんぱく)に入りました。

 

宋江(水滸伝)

 

主人公の宋江(そうこう)が登場するまでは、彼が主人公としてお話が進みます。さて、そんな悲劇のキャラクターである林冲は『三国志演義』にモデルが存在します。それは誰でしょうか?

 

今回は林冲について解説します

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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武術師範は凄く・・・・・・なかった

林冲

 

林冲はあだ名を「豹子頭(ひょうしとう)」と言います。初登場時は34,5歳と推定されていました。彼のあだ名である豹子頭の意味については後で解説します。職業は北宋(ほくそう)(960年~1127年)の禁軍(きんぐん)近衛兵(このえへい
)
)で武芸を教える師範でした。

 

聞いた感じではスゴイと思うかもしれませんが、ちっとも驚くレベルではありません。実は武術師範は非常に待遇が悪く、最下級である九品の武官よりも下でした。

林冲

 

小説にツッコミを入れるのは野暮ですけど、まだ辺境で警備をして異民族と戦争をした方が稼ぎもよいし、功績も挙げれたはずです。林冲は、まだ30代で妻もいる身。わざわざ自分から暮らし向きを悪くする意味が分かりません。

 

林冲のモデルは張飛

張飛の虎髭

 

林冲にはモデルがいました。それは・・・・・・張飛(ちょうひ)です。イメージが合わないと感じる人もいるかもしれません。まったくもってその通り。私も最初にこの話を聞いた時、同じ思いを味わいました。

三国志演義_書類

 

ヒントは『三国志演義』の中にあります。『三国志演義』で初登場時の張飛を「豹頭」と表現する記述があります。要するに豹のような顔という意味です。

 

 

林冲のあだ名は豹頭に「子」の字を付け足したのです。「子」はジュニアという意味。つまり、林冲は張飛ジュニアです。また、虎のような髭・つぶらな瞳という容貌、武器も蛇矛であることから林冲は明らかに張飛をモデルにしているのは確かです。

 

無実の罪で逮捕

高キュウ(高俅)

 

先述したように林冲は下級武官。出世・政争とは無縁。そんな彼がある日、事件に巻き込まれます。ある日、林冲の美人妻がチンピラに絡まれていました。助けに入った林冲ですが相手はなんと、軍の幹部である高俅(こうきゅう)の息子。高衙内(こうがない)でした。とんでもない奴に手を出したと思った林冲でした。

高キュウ(高俅)

 

そんなある日、林冲は街で立派な剣を購入します。するとタイミングよく高俅が「剣を見せてくれ」と頼んできました。仕方なく参上した林冲は、とある一室で待たされます。「どこかで見たような場所だな?」と思いますが、しばらく待ちます。

 

だが、いつまでたっても高俅はきません。それどころか、林冲は自分がいる場所が白虎節堂であることを思い出しました。白虎節堂とは帯剣所持禁止の部屋です。気付いた時には遅く、兵士たちが一斉に入って来て、林冲は法律違反で逮捕されました。

 

林冲暗殺指令 その1

魯智深、林冲(水滸伝)

 

林冲は死刑にされるところでしたが、裁判を担当した役人が林冲の無罪を見抜いたので死刑は免れます。結局、林冲は滄州まで護送されることになりました。ところが、高俅は全く諦めません。護送役人を買収して林冲殺害を依頼。林冲は道中でボコボコにされてしまい弱ってしまいます。殺されそうになった瞬間、幸いにも林冲の親友である魯智深(ろちしん)が助けにきました。

 

魯智深

 

魯智深は背中に刺青をしていることから「花和尚(かおしょう)」と呼ばれています。魯智深は逃げることを提案するも林冲はそれを拒否して、素直に流刑地まで行くことにします。

【次のページに続きます】

 

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晃(あきら)

晃(あきら)

横山光輝の『三国志』を読んで中国史にはまり、大学では三国志を研究するはずだったのになぜか宋代(北宋・南宋)というマニアックな時代に手を染めて、好きになってしまった男です。悪人と呼ばれる政治家は大好きです。
         好きな歴史人物:
秦檜(しんかい)、韓侂冑(かんたくちゅう)、 史弥遠(しびえん)、賈似道(かじどう) ※南宋の専権宰相と呼ばれた4人です。
何か一言: なるべく面白い記事を書くように頑張ります。

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