はじめての三国志をご覧の皆さん、今週もお疲れ様です。イラストは憎々しい男、司馬懿です。
ところで皆さん、司馬懿には孔明という友がいた事を御存じでしょうか?
正確には胡昭、字を孔明と言い、豫洲潁川郡の出身で司馬懿の知人でした。戦乱を逃れて冀州に移住しますが、袁紹の招きにも応じず、曹操が招いても「忠誠を誓うだけで勘弁してくれ」と仕官に応じませんでした。
司馬懿はあれだけしつこく誘った曹操も「人それぞれ道がある、自分の道を全うしたまえ」とこだわりませんでした。どうも司馬懿は色々な方面から嫌われていたようで、ある時、ある者が司馬懿をブッコロすと胡昭に告げました。
すると胡昭は「そういう事をしてはいけない!仲達はいいヤツなんダカダー!」と涙ながらに説得して止めていたそうです。それでいて司馬懿には、その事を秘密にし一切恩着せがましい事をしなかったというのでなかなか立派な人ですね。
胡昭は晴耕雨読の毎日を送り住民に慕われひっきりなしに来る招聘を辞退し西暦250年、公用馬車が迎えに来る直前あの世からお迎えがきて89歳で天寿を全うしています。当時は親しい同士は字で呼び合うので、司馬懿も孔明と口に出す度に、お人好しの胡昭の事も思い出したのかも知れませんね。