おじいちゃんお口くさい!ごめんごめん、お婆さんポリデント!かつて一世を風靡した入れ歯洗浄剤のCMですが、三国志の時代にも口臭は大きな問題でした。特に弁舌において皇帝に仕える重臣にとって口が臭いのは大問題。
しかし、口臭は当人は気づかず、周りも注意しにくいデリケートな部分でした。そこで面と向かって言わずにそれとなく口臭を気づかせる方法を取った皇帝がいました。
漢の時代のある老臣は口臭持ちばかり
漢の時代のある老臣はかなりの口臭持ちでしたが、キャリアが長い事もあり、周囲は面と向かって口が臭いと告げる事が出来ません。特に毎日、老臣の言葉を聞く皇帝は、顔をしかめる事もできず毎日ストレスです。
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■古代中国の暮らしぶりがよくわかる■
鶏舌香という舶来の品を老臣にプレゼントした皇帝
そこで鶏舌香という舶来の品を老臣にプレゼントしました。「これを口に入れて毎日噛むが良いぞ」皇帝から直接に品物を下賜された老臣は感激し、さっそく噛んでみますがこれがとても苦く、口の中がピリピリと痺れた感じになりました。
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毒だと勘違いした老臣
(これはもしや毒では…わしは毒を賜ったのか)
不安になった老臣は家に帰り、家族にわしはどうやら陛下から毒を賜ったもうじき死ぬかも知れんと打ち明け、家族は大騒ぎになります。しかし、やがて老臣の口からよい香りがするのに家族は気づき口から鶏舌香を出させてみると大笑い。
「これは、口臭を消す鶏舌香ですよ。陛下は、父上の口が臭いので鶏舌香を賜ったのでしょう」
毒ではないと知って安心した老臣も大笑いしたそうです。鶏舌香とは、丁子の事で仁丹のような香りがしますが老臣は初体験で驚いて毒と間違えたんでしょうね。
参考:古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで/61ページ /中央公論新社/柿沼陽平/2021年12月25日三版/
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