落ち武者といえば、パーティーグッズのかつらになるほど、あのヘアスタイルで有名です。映画や時代劇でも落ち武者になると、皆、あんな髪型になりますが、それはどうしてなのでしょうか?
兜をかぶる時、ちょんまげは?
戦国時代の武士は、日々合戦に明け暮れるようになり、毎日のように兜をかぶるようになります。しかし兜は重く通気性ゼロなので、頭が蒸れないように月代(頭頂部)を剃るようになりました。これで蒸れは解消しましたが、当時のちょんまげは立てているので、やはり兜の中では座りが悪かったのです。
関連記事:戦に勝った時は足軽にもご褒美はあったの?
ちょんまげは結わず兜の穴から垂らしていた
そこで、戦国武将は兜をかぶる時には髷を結わずに後ろで結んでお下げにし、兜の頭頂部に空けた穴から外に出し白い紙で束ねていました。こうすれば兜の座りもよくなり、ちょんまげ問題は一応解決しました。
負け戦になると…
しかし、負け戦となると頭を守ってくれる兜は重い障害物になってしまいました。戦場から落ち延びる為には重く身分を証明するシンボルにもなる兜は捨てないといけないのです。兜を捨てると、当然、ちょんまげは結ってないので頭はすでに落ち武者ヘアです。さらに逃げている間に髪を後ろで束ねた紙も切れてしまい、落ち武者は完全なザンバラ髪になってしまいます。数日間も逃げ回れば髪は汚れてボサボサになり、パーティーグッズで見るような見事な落ち武者ヘアが完成してしまうのです。
ちょんまげは寝かせるようになる
落ち武者ヘアはカッコ悪いので、さらに武士は思考錯誤を繰り返し、ちょんまげを立てるのではなく月代にくっつけて寝かせるようになります。これなら兜をかぶる度に、ちょんまげを解く必要はなくなるからです。こうして時代劇でお馴染みの頭に乗せるタイプのちょんまげが誕生しました。
▼こちらもどうぞ!