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諸葛孔明の[白羽翦]は日本に伝来し行事の軍配になった!陰謀を巡らす人御用達の羽翦の謎

2023年2月14日


悪い顔をしている諸葛亮孔明

 

 

諸葛亮(しょかつりょう)の特徴と言えば、皆さんはどんなイメージ像を描くでしょうか?

 

蜀の孔明

 

やはり白い服を着て、何だか丸まったような帽子をかぶり、そして最大の特徴として「羽扇(うせん)」を持っていると想像する人が多いでしょう。今回はその諸葛亮の特徴の一つである羽扇について色々なことをお教えしたいと思います。

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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諸葛亮の見た目の特徴である羽扇

孔明

 

さて諸葛亮の見た目の特徴は、『初学記(しょがくき
)
』にまず載せられています。それによると諸葛亮は「白い輿に載って頭巾をかぶり羽扇を手に持って軍を指揮した」とあります。

 

孔明南東の風

 

これを更に膨らませて描写したのが三国志演義で、綸巾をかぶって羽扇を手にしている姿が描かれることになりました。また四輪車に載っているイメージは諸葛亮の発明の一つとも言われる運搬アイテム木牛、流馬に起因するものと思われます。

 

北伐を結構する孔明

 

ここで気になるのがこの羽扇、諸葛亮のイメージとも言える羽扇は他の人たちは使っていなかったのでしょうか?もしかしてオンリーワンアイテム?と思われるかもしれませんが、この羽扇に近いものは実は日本にもあったのです。

 

関連記事:諸葛孔明が10万本の矢を調達・生産したことに魯粛は驚いたのか?

 

 

羽扇は日本にもあったのか?

日本に目指さした孫権

 

どうやら調べてみたところ、この羽扇は諸葛亮を始めとする策士たちの間では良く持たれていたようです。この羽扇は軍配羽扇とも呼ばれ、指揮の際に用いられるだけでなく、儀式や祈願、占いなどに幅広く使われているアイテムだったようですね。

 

そしてこの軍配は、今の日本にも存在しています。相撲で行司が使うのがそれですね。あれは判定指示に使われていますが、元々は戦の場で使用されていました。これを使用している人物は軍配者とも呼ばれ、方角・日時を見極め、天文を読んで軍陣を適切に配置する仕事を担っていたのです。

 

武田信玄

 

因みに有名な武将、武田信玄もこれを使用していて、一人で軍深くまで乗り込んできた上杉謙信の一撃をこの軍配で受け止めたシーンが有名ですね。

 

 

中国と日本の軍配の違いと、諸葛亮の羽扇の伝説

 

日本の軍配の多くは木材、鉄などを利用して作られていました。革を利用したり、木材に漆を塗って作られたものもあります。対して中国の軍配は軍配羽扇の呼ばれ方通り、鳥の羽を利用して作られています。

 

曹仁

 

特にガチョウの羽を使って作られた「鹅毛扇」が一般的なものだったようです。

 

しかし諸葛亮の羽扇は一味違います。なんと諸葛亮の羽扇は巨大な怪鳥を退治して作られたものだという伝説があるのです。この怪鳥を退治したことにより諸葛亮は未来を見通す力を授かったという……まぁ、こちらはあくまで伝説でしょう。

 

諸葛孔明を自分のもとに入れたくて堪らない劉備

 

それでもこんな伝説が生まれるほど諸葛亮が人間離れしたような才能を持っていた、そしてその羽扇は諸葛亮にとってのトレードマークでもあるというイメージなのでしょう。

 

 

大きく爪痕を残した孫呉の虎たち

黒田官兵衛

 

最後にちょっと、とある成語を紹介しましょう。羽扇と言えばガチョウの羽を使った鹅毛扇が一般的でした。そして羽扇は諸葛亮だけでなく、軍師たちのトレードマークでもあったと思われます。

 

竹中半兵衛(軍師

 

それを裏付けるのが「摇鹅毛扇(鹅毛扇を揺らす)」という成語です。これは「策士の陰謀」という意味です。

 

軍師が羽扇を揺らしているその様が何やら企んでいるように思われたのか、それとも羽扇で口元を隠し上司に耳打ちをする……その際に怪しく揺れはためいている羽扇を陰謀とイメージしたのか……真相までは定かではありませんが、確かに想像してみると何やら陰謀渦巻くダークな雰囲気が漂っていますね。

 

もしかしたら策士の愛用している羽扇は、それだけでただ物でない雰囲気を醸し出しているアイテムだったのかもしれません。

 

三国志ライター センの独り言

三国志ライター セン

 

なお、現代でも諸葛亮に憧れる人が多いのか、この羽扇を手に入れることができます。

 

スマホを操作する陸遜

 

それこそ大手通販サイトでも取り扱っているので、気になる人はチェックしてみてはいかがでしょうか?羽扇を手に持って不敵に微笑み、諸葛亮になったつもりで策略を巡らせてみるのも面白いかもしれませんよ。

 

参考:

「三国志外伝―民間説話にみる素顔の英雄たち」立間祥介・岡崎由美共訳

 

 

▼こちらもどうぞ

諸葛亮がもし延命していたら三国志はどうなる?第五次北伐後の孔明の戦略

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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