よかミカンの三国志入門
黄巾賊




はじめての三国志

menu

デザイン担当:よりぶりん

連環の計って、どんな作戦?

この記事の所要時間: 227




孔明 軍師

 

三国志演義』に登場する軍師たちは、その頭脳を駆使してさまざまな計略(作戦)を立案、実行しています。

中でも有名なものに“連環の計”があります。




三国志演義での連環の計について

呂布と董卓の最強タッグ

 

三国志演義』の作中、“連環の計”と呼ばれる計略は2度登場します。

一度目は漢王朝の司徒であった王允が自分の義理の娘である貂蝉を利用し、董卓呂布を仲違いさせ、呂布董卓を殺害させた計略。

二度目は赤壁の戦いに置いて、龐統曹操軍の船を船酔い対策と称して鎖でつなぎ合わせ、その後に呉軍が火攻めでその艦隊を焼き払ったという計略。

 

一見して全く違う作戦に見えるこの二つの計略が、どうして同じ『連環の計』と呼ばれるのか、不思議に思ったことはありませんか?




『兵法三十六計』によれば……。

三国正史 劉禅

 

中国の兵法書『兵法三十六計』の第三十五計として上げられているのが“連環計”、つまり“連環の計”です。

 

『兵法三十六計』によれば、“連環の計”とは「強大な敵軍には正面からまともに戦うのではなく、計略をいくつも駆使してその疲弊、弱体化を図って、タイミングを見計らって攻撃をかけること」とされています。

 

つまり、複数の計略をあたかも鎖のごとく組み合わせ、文字通り、その連鎖反応で弱体化した敵を攻撃して勝利を得る、というのが“連環の計”、ということになります。

 

 

王允董卓に用いた連環の計はどんなの?

連幹の計(リョフ&チョウセン)

 

その1:美人計

まず、王允は董卓を亡き者にするため、美人として知られる義理の娘の貂蝉を利用することを思いつきます。

色仕掛けで敵の戦意をくじいたり裏切らせる計略を“美人計”と呼び、『兵法三十六計』の第三十一計にも取り上げられています。

 

その2:離間計

王允は先に呂布貂蝉と引き合わせて一目惚れさせておいてから、今度は董卓に彼女を献上してしまいます。

貂蝉はその後も度々呂布と密会し、呂布と一緒にいたいと懇願、その一方で董卓には呂布の乱暴を訴え彼の元には行きたくないと言います。貂蝉を巡る感情の対立が二人の間に起こり、ついに呂布は董卓の殺害に及びます。

 

まず『美人計』を用いて董卓と呂布を手球に取り、次に『離間計』で二人を対立させる。

この二つの計略を組み合わせたのが、王允の“連環の計”、というわけです。

 

赤壁の戦いにおける“連環の計”はどんなの?

龐統 ゆるキャラ 三国志

 

その1:連環計

赤壁で曹操軍と対峙した劉備孫権の連合軍。曹操の艦隊を火攻めにする作戦を立てますが、河の上に散開している艦隊に対して火攻めをしても、そのままでは効果的ではありません。

そこで劉備の軍師である龐統が曹操軍に潜り込みます。

その頃、曹操軍の兵士たちは不慣れな船上で船酔いに苦しんでいました。

龐統は曹操に船酔い対策と称して、船同士を鉄の鎖でつなぎ合わせる“連環計”を献策し、曹操に実行させます。

艦隊は鎖で結ばれ密集し、容易に動きが取れなくなりました。

 

その2:反間計

呉の周瑜は自軍に投降してきた蔡中が、実は曹操軍のスパイであることに気づいていました。

そこで周瑜は蔡中を利用して曹操に偽りの情報をつかませることを思いつきます。

 

その3:苦肉計

周瑜は自分を批判した配下の将軍である黄蓋を、兵士たちの面前で鞭打ち刑に処し、重症を負わせます。

恥をかかされた黄蓋は曹操軍に投降、事前に蔡中からその情報を得ていた曹操は黄蓋を自軍の陣中に引き入れてしまいます。

黄蓋は敵陣内から艦隊に放火することに成功します。

 

まず、龐統に『連環計』を曹操に進言させて、火攻めに適した状況を作ります。

次に自軍に潜入したスパイである蔡中にウソの情報をつかませる『反間計』と、黄蓋が偽の投降をする『苦肉計』を組み合わせることで、劉備孫権の連合軍は曹操の艦隊を撃破することに成功しました。

 

三つの計略を巧みに組み合わせた“連環の計”というわけです。

 

なお、『三国志演義』の作中では、曹操軍の艦隊を鎖で結ばさせることを『連環計』と称していますが、これは『兵法三十六計』による“連環の計”の規定には合っていません。

むしろ、その後の呉軍が展開した一連の計略(反間計→苦肉計のコンボ)を含めた作戦全体を“連環の計”と呼ぶべきでしょう。




耳で聞いて覚える三国志

 

こちらの記事もよく読まれています

孫子の兵法 曹操

 

よく読まれてる記事:現代ビジネスマンの必携の書?兵法書『孫子』とその作者について

 

借屍還魂 名前をかたる

 

よく読まれてる記事:兵法三十六計(借屍還魂)の古今東西

 

荀彧 立ちノーマル

 

よく読まれてる記事:曹操軍の参謀、荀彧(じゅんいく)ってどんな人?

 

空城も計 孔明

 

よく読まれてる記事:門を開けて敵軍をお出迎え? 『空城の計』とは?

 

孔明 劉備の剣とハンコ

 

よく読まれてる記事:軍師ってどんな職業なの? <三国志豆知識>

 

この記事を書いた人:石川克世

石川

ライター:

石川克世

自己紹介:

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。
最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。
三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

好きな歴史人物:

曹操孟徳
織田信長

何か一言:

温故知新。
過去を知ることは、個人や国家の別なく、
現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

関連記事

  1. 曹植も詠んだ詠史詩の魅力とは?
  2. 【袁紹と袁術の関係を正す】其の2・勢力図からの考察
  3. 【マニアック読解】諸葛亮が倒れた場所は床かベッドか
  4. 三国時代にも「ザ・たっち」は存在した?後漢時代に存在した双子につ…
  5. 【三国志の柔らか経済学】劉備の大チョンボを救った劉巴の神策略
  6. 三国志は2つある!正史と演義二つの三国志の違いとは?
  7. 張遼の墓は存在するの?中国の三国志観光スポット旅行
  8. こんなの絶対に入りたくない!三国志の時代の牢獄は酷すぎたR…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【曹叡なんか目じゃないぜ】キングダムの秦王政は土木工事が大好きだった件
  2. 【これだけ読めば大体わかる】山崎賢人主演!キングダム実写化の内容を大胆予想!
  3. 全中が泣いた!益州のボス・劉璋の最後は実に感動的だった!
  4. 豊臣秀吉の天下統一の第一弾「四国征伐」に向けて何をしたの?
  5. 魏延と趙雲を正史で比較すると魏延が優秀だと判明!?
  6. 孫静(そんせい)とはどんな人?兄貴、孫堅とはゼッコーモン!ひたすら故郷を守った孫一族

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

91話:張飛の大手柄 蜀将の厳顔を味方にする 【龐煖の死】対趙攻略戦を地図で解説&大胆キングダム予想! 見た目で比較してもいいですか?曹操とナポレオン 営業マン必見!諸葛亮孔明から学ぶ営業術。これがビジネス三国志だ! 【劉邦暗殺計画】劉邦の態度のでかさに激怒した家臣達 国淵(こくえん)とはどんな人?三国志時代にも名探偵は存在した!魏のシャーロック・ホームズ 許褚(きょちょ)ってどんな人?曹操のボディーガードとして自ら語る 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第29話「女たちの挽歌」の見どころ紹介

おすすめ記事

  1. 孫権が張昭を呉の丞相に任命しなかったのはどうして?
  2. 【三国ブレイズ 攻略2】蜀の名将・趙雲と姜維が加入!アイテムの強化と攻略ポイント紹介
  3. 【告知】8月のはじ三のスペシャル記事をピックアップ紹介
  4. 小さい曹操が持っていた巨大な戦車についての考察
  5. 李豊(りほう)とはどんな人?才能ある人物なのかそれともただのポンコツなのか
  6. キングダム 529話 ネタバレ予想:犬戎の末裔
  7. 【三国志時代の正月風景】英雄達も正月くらいはのんびりしていたの?
  8. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース17記事【11/7〜11/13】

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"
PAGE TOP