蜀と孔明を最大限称えよ!三国志演義

2014年11月25日


 

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諸葛孔明019

三国志演義は、実際の三国志がフィナ―レを迎えてから、1100年後

明の最初の頃に纏められた小説の類です。

 

従って、その内容は長い年月の間に三国志好きの人々によって、

集約されてきた願望が集結しており多くのフィクションが含まれています。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志演義の最大の特徴は?

魏武将 はじめての三国志 ゆるい

 

三国志演義の最大の特徴は、それが善悪二元論で描かれている事です。

つまり曹操=悪の親玉、劉備=正義の人物という扱い。

 

しかし、演義では孝行息子の劉備は、正史では先祖の劉邦同様に

ヤクザまがいの不良息子でしたが仁義には厚いという紹介です。

 

そこで、三国志演義では事実上は弱く、曹操に勝てない劉備一行を

なんとか目立たせる為に様々なフィクションを織り交ぜています。

 

例えば、関羽が菫卓配下の猛将、華雄を斬った話は有名です。

 

あまりに強い華雄に対して怖気づいた半菫卓連合軍の中で、

義勇兵に過ぎない劉備の部下の関羽が、青龍刀を手にするや、

一撃で華雄を真っ二つにして首を持って帰りますが、

それが余りに早かったので酒はまだ冷めていなかった。

 



関羽に手柄を横取りされた孫堅パパ

孫堅017

 

これを機に関羽の名は高まり、劉備も一目置かれたというのですが

残念ながら、この話は演義の創作で正史の華雄は、

孫堅軍に捕えられ斬首されています。

 

そう実際は堅パパの手柄が演義では関羽に横取りされているのです。

可哀想な孫堅パパ、ただでさえ影が薄いのに、、

 

趙雲で有名なあのエピソードも・・・・もしや

超雲023

 

それから、趙雲のエピソードに長坂橋で劉備の息子、

阿斗(後の蜀帝劉禅)を守り、数十万の曹操軍の中をくぐり抜けて

劉備の元へ無事に帰還しますが、ここで阿斗の生母である縻夫人は

足でまといを恐れて井戸に身を投げています。

 

劉備は、趙雲から手渡された阿斗を地面に放り投げ、

※この時に頭を打って、劉禅は残念な君主にという噂もあり(嘘)

「お前のせいで大事な家来を失う所であった」と言って

趙雲を感激させますが、、、、

 

正史では、縻夫人も死なずに生き残り、趙雲は二人を救出しています。

趙雲スゲーという話ですが、夫人を連れて軍を突破できるとすると

演義のような壮絶な追撃は受けなかったのかも知れません。

 

そこで、縻夫人は死んだ事にして、趙雲を雲霞の如き曹操軍を

決死の働きで抜ける勇猛な将にしたのでしょう。

 

でも、そんな理由で死んだ事にされた縻夫人って一体、、

 

そして、演義の最大のフィクションは、諸葛孔明のソレです。

三顧の礼は正史にもあるのですが、

赤壁で、居並ぶ呉の諸臣を論破して孫権を曹操と戦うように

決心させたり、東南の風を吹かして魏の船を焼き尽くしたり

周瑜(しゅうゆ)が孔明の才能に嫉妬して殺そうとしたり、、

 

これらの孔明の偉大さを称える逸話は正史にはありません。

つまりは後世の人が付け足したフィクションなのです。

 

また、諺にもなった七縦七禽(しちじゅうしちきん)での

南蛮王孟獲を懐柔した話もフィクションです。

 

実際には北伐の間も南方の異民族の叛乱は起きていて、

北伐の妨げになっているのです。

 

そして、北伐では、司馬懿と孔明の戦いが描かれますが、

北伐で実際に蜀軍を喰い止めたのは、魏の曹真と張コウという

武将の力が大きかったのです。

 

しかし、それでは孔明のライバルである司馬懿が活躍できないので、

この両武将の手柄を司馬懿の手柄にしています。

 

こうして、図式上、司馬懿は、孔明に敗れて、

やっぱり一番凄いのは孔明という演義の基本ストーリーが完成するのです。

 

巧妙と言えば巧妙で、史実を踏まえつつ、手柄を改変するという方法で

三国志演義は、蜀びいきの勧善張悪のストーリーを造りあげているのです。

 

三国志演義 特徴のまとめ

劉備 関羽 張飛

 

ただ、間違えないで欲しいのは、これは歴史を捏造してやろうという

悪意から起きたのではなく、滅び去った劉備や孔明の境遇に

中国人が同情し、せめて物語では、、と彼等を活躍させた為に

自然に成立した物語なのです。

 

だからこそ、虚構が多いと分かっていても三国志演義ファンは

増える事はあれど減る事はないのです。

 

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