丞相、校尉、都督……? 三国時代の役職(官職)が分かりづらい!

2015年2月24日


 

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曹操丞相えらいねんで!

 

三国志は今から1800年ほど前の、中国を舞台とする物語です。

当然のことですが、現代の日本とは行政の制度がまったく違いますし、官職の名称もほとんど聞きなれないものばかりです。

今回は三国志に登場する代表的な官職のいくつかについて紹介します。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三公と丞相

抜き出た曹操

 

後漢末から三国時代にかけて、中国王朝の官位の最高位にあったのが、太尉・司空・司徒の『三公』と呼ばれる役職です。

 

太尉は軍務を司り、朝廷に戦績を報告して賞罰を行う役職です。現代で言えば国防大臣にあたります。もともとは大司馬と呼ばれていましたが、改称されて太尉とされました。司空は村落から首都の整備、城砦の建設に至る国家事業としての土木工事を司る役職でした。

 

道具を輸送する民人

 

現代日本で例えるなら国土交通大臣でしょうか。

司徒は民事全般を司り、通常、三公の首座とされていた役職です。

 

三公の上に非常設の役職として『丞相』が置かれることがありました。

丞相は君主になりかわり、国政の全てを司る最高執政官です。

 

挑発する諸葛亮孔明

 

日本史においては摂政に該当する役職です。

三国志では曹操や諸葛孔明がこの役職についていましたね。

 

なお、曹操の息子である曹丕が興した魏では、丞相は『相国』と改称されています。

 



校尉

三国志 武具 軍備

 

『校尉』は、武官の役職で、軍団を率いる上級の指揮官を意味します。

また、城門校尉や歩兵校尉、司隷校尉といった高級武官の役職の多くに校尉という名称が用いられました。

現代の日本では軍隊の上級士官のことを「将校」と呼びますが、この名称に「校」の字が用いられているのはこの『校尉』という役職名の名残です。

 

都督

周瑜

 

『都督』は三国時代に入ってから設けられた武官の役職で、地方軍の司令官のことです。

都督の多くは『刺史(州牧)』(州の長官)を兼任しており、いわば地方の最高権力者でみありました。

 

唐の時代、遣唐使として中国に渡り客死した阿倍仲麻呂が、その死後に大都督の官名を贈られています。

 

執金吾

光武帝

 

『執金吾』は宮廷の警護を司る武官の役職で、いわば衛兵隊長にあたります。

 

光武帝

 

衛兵の隊長ですから非常に見た目の格好いい役職であったらしく、後漢王朝を開いた光武帝が若かりし頃『官職に就くなら執金吾になりたい。妻を娶るなら陰麗華(当時美人で有名だった女性)を娶りたい』と言う言葉を残したことでも知られています。

 

呂布に殺害される丁原(ていげん)

 

三国志では、董卓に反抗し呂布に殺された丁原が執金吾の職に就いていました。

 

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