よかミカンの三国志入門




はじめての三国志

menu

デザイン担当:よりぶりん

軍師ってどんな職業なの? <三国志豆知識>

この記事の所要時間: 34




孔明 軍師

 

正史三国志三国志演義を読んでいると、『軍師』と呼ばれる人物がしばしば登場します。

劉備玄徳に仕えた諸葛孔明や、曹操に仕えた荀彧などが特に有名ですよね。

 

軍師』とは一体どのような仕事をする人のことだったのでしょうか?




実はアジア特有の職業であった軍師

㈱三国志

 

軍師とは、軍の中にあって君主や将軍の戦略・戦術の指揮を補佐する役割を担う存在です。

中国や日本など、東洋にあっては古来より軍師、あるいは軍師的役割を担う者が見られますが、

西洋においては近代以降、軍に参謀制度が置かれるようになるまで存在していませんでした。

 

三国志演義などを読むと、軍師の多くは君主からも『先生』と呼ばれ、時に君主よりも上位の存在として厚遇されることもあります。

ただ、西洋の軍制度における参謀と違って、軍師と呼ばれる者の多くは軍内部にとどまらず、政治や経済に関する権限を持っていました。

軍師とは、軍事に限らず国政全体の指導、アドバイを行う存在だったのです。

 

東洋において軍師が尊重されるべき存在とされたのには、師匠(教える側)が弟子(教わる側)よりも常に上位に立つという、儒教的な価値観の影響が強かったからと言えます。

軍師は時に君主の上に立つ師匠として、特別視されていたのです。

 

関連記事:三国時代の経済ってどうなってたの?

関連記事:後漢末の貨幣経済を破綻させた、董卓の五銖銭(ごしゅせん)

関連記事:三国志時代の兵士の給料と戦死した場合、遺族はどうなってたの?




中国初? の軍師、太公望呂尚

三国志 蜀

 

三国志の時代よりも1000年以上も前、春秋時代と呼ばれる時期に活躍したとされる軍師が呂尚です。

当時の大国であった周の文王に招かれて軍師となり、後に斉という国の始祖となります。

 

呂尚の名を有名にしているのが、周の文王に仕えることになった経緯に関するエピソードです。

 

呂尚を有名にしたストーリー

太公望 釣り

 

ある時、狩りに出かけようとしていた文王は、占い師に狩りの結果を占わせます。

すると占い師は『獲物ではなく、人材を得るでしょう』と告げました。

 

狩りに出た文王は渭水(黄河の支流)に釣り糸を垂れる、落ちぶれた様子の男と出会います。

文王が声をかけてみると、男はその身なりに似合わず弁舌に冴え、

彼と話し込んですっかりその才能に魅せられた文王は、『これこそ大公(文王の祖父)が望んでいた人物だ』と言い、

そのまま自らの馬車に乗せ、城に連れ帰りました。

 

この男こそが呂尚だったのです。

 

呂尚が文王と出会った時に釣りをしていたことから、日本では『太公望=釣り好き』のイメージが定着していますね。

 

関連記事:びっくりするような遅咲き!天下の賢者 太公望

関連記事:中国史上、最大の軍師は誰なのか?孔明か?司馬懿か?

 

軍師集団を構成した曹操

現実主義曹操

 

後漢末から三国時代に入ると、軍師は正規の役職として置かれるようになります。ことに軍師を重用したことで知られているのが魏の曹操孟徳です。

 

曹操は人材収集に熱心であったことでも知られていますが、彼は配下に集めた知恵者たちを軍師に任命、参謀集団として政治や軍事に携わらせました。

その参謀集団の中でも特に重用されたのが、かの荀彧の親類にあたる人物、荀攸でした。

 

彼は曹操によって軍師の筆頭に序せられ、軍事から法制に至る国政に関わるすべての事柄について、決定権を委ねられたともいわれています。

 

また、曹操は役職としての軍師に並び、新たに軍師祭酒と呼ばれる官職を創設しています。

 

関連記事:曹操孟徳と織田信長の共通点!あなたはいくつ当てはまる?

関連記事:三国一のヨイショ男、曹操の部下の褒め方が半端ない

関連記事:これはひどい。曹操の短歌行にパクリ疑惑が!?

 

軍師祭酒って何?

賈詡

 

軍師祭酒はより制度化された専業としての参謀官職であるとされ、郭嘉陳琳といった名だたる人物がこの職に序せられています。

人材を尊びながらも官僚組織としてより合理化された参謀集団を創り上げる……曹操の合理的な一面がここにも垣間見えていると言えるでしょう。

 

関連記事:【三国時代】英雄の地位はどの位?

関連記事:丞相、校尉、都督……? 三国時代の役職(官職)が分かりづらい!

 

長くは続かなかった参謀集団

孔明 司馬懿 陸遜

 

しかし、参謀集団としての軍師制度も、彼の死後に曹丕が皇帝の地位に即位して魏が成立すると、その役割は変化します。

彼らは都督(方面軍の最高司令官に当たる役職)の監視役としての役割を与えられ、各地へと赴任し、曹操によって創設された参謀集団は解散、その役割を終えたのでした。

 

 

関連記事:孔明とは頭脳以外全て正反対、龐統士元

関連記事:偽撃転殺の計VS虚誘掩殺の計

関連記事:『鳳雛』と呼ばれたブサメン軍師、龐統

関連記事:三国志マイナー?武将列伝・軍師『法正』

 

耳で聞いて覚える三國志




こちらの記事もよく読まれています

孔明過労死

 

よく読まれてる記事:諸葛亮の死因は過労死らしいけど、一体どんな仕事してたの?

 

管仲(衣食なして礼節を知る)

 

よく読まれてる記事:諸葛孔明が目指した軍師・管仲は、結構性格が悪い

 

孔明 出師

 

よく読まれてる記事:諸葛亮の出師の表って、一体何が書いてあるの?

 

 

この記事を書いた人:石川克世

石川

 

自己紹介:

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。
最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。
三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

 

関連記事

  1. 関帝廟のご利益ってなに?神様の名前は「関聖帝君」
  2. 三国志の劉備玄徳は本当に民や武将から慕われてた?
  3. 趙雲の墓は存在するの?中国の三国志観光スポット旅行
  4. 愛されすぎてことわざになった人・張飛(ちょうひ)編
  5. 三国志の覇者・曹操の妻13人を紹介!
  6. 夷陵の戦いを回避しようとしていた?孔明に比べて目立たない外交人・…
  7. 曹丕のいじめ・パワハラに悩まされた被害者たちを紹介
  8. 蜀漢が滅びたのは張飛達を祀らなかったから?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【シミルボン】忘年会の余興にいかが?三国志時代に流行したスポーツ撃壌
  2. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第九話「桶狭間に死す」の見どころ紹介
  3. もし徐庶が軍師として劉備軍に留まっていたら三国志はどうなっていた?
  4. 【三国志で例えるよ】初心者でも『ジャンヌ・ダルク』『百年戦争』が分かる。基礎&豆知識!
  5. 【ビジネス三国志】孔明の大逆転!既成概念を破壊してチャンスを掴め
  6. 劉備と西郷隆盛の共通点って何?

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

曹沖は魏の皇帝になる予定だった?曹操が愛した息子をご紹介 華麗なる中華世界を彩る三国志の武器 【素朴な疑問】三国志の時代にも居酒屋ってあったの? 【海の日特集】甘寧だけじゃない三国志に出てくる海賊達を紹介 島津久光を好きになってはいけない6つの理由 朝まで三国志2017 三国志の最強軍師は誰だ! 第11部 【8月の見どころ】8/25公開予定:三国志演義李卓吾本に記される魏延粛清作戦を解説予定 聶栄(じょうえい)の弟の名を歴史に残すための執念がスゴイ!千里の道をいとわずやってきた聶栄

おすすめ記事

  1. ペリー来日youは何しにニッポンへ?
  2. 三国志演義と正史・汴水の戦いを比較
  3. 99話:荊州を餌に孫権に合肥を攻めさせる劉備
  4. 黄巾賊はいったいどの辺を支配していたの?【素朴な疑問】
  5. 中原での戦いは苦手だけど異民族討伐戦なら強い董卓
  6. 初心者にも分かる!陸遜と諸葛亮孔明の関係性
  7. 走れ、李福!五丈原への神速メッセンジャー
  8. 64話:諸葛孔明の庵を3回尋ねる劉備、これが三顧の礼

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"
PAGE TOP