生き馬の目を抜くようなビジネスの世界、生き残り勝者になるには、
それ相応の知恵が必要になっていきます。
そこで、学ぶべきは中国古典に記された、生き残り勝つ為の名言です。
今回は500年の戦乱から生まれた韓非子(かんぴし)の名言です。
この記事の目次
去好去悪羣臣見素
これは、始皇帝も心酔した韓非子の著者、韓非の言葉です。
好き嫌いの感情を顔に現さないなら、自ずと部下の本心が見えてくる
という意味であり、部下が本心では何を考えているか探る事が
とても重要であると説いています。
では、どうして部下の本心を探る事が大事なのでしょうか?
それは大抵の部下は表面上、上司に迎合しても
実際には心を改めないと韓非は見抜いていたからなのです。
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部下は上司の意に沿う為に本心を隠す
易経には、君子豹変(ひょうへん)、小人革面(かくめん)という
有名な言葉があります。
冒頭の君子豹変は、よく語られますが、その後の小人革面は、
余り知られていません。
君子豹変とは、豹の毛の文様ががらりと変わるように、
大人物は面子にとらわれず、時代の流れを読み
大胆に自らを改革するという意味です。
逆に小人革面とは、つまらない人は、時代が変わった事を
賛美するような顔をしながらも、それは上っ面だけであり、
内心は嫌で渋々従っているのみという意味です。
組織には必ず上司と部下がいます。
上司が部署内で社内改革を訴えたら、
それに反対する部下はいないでしょう。
皆、その通りです!と拍手すると思います。
しかし、思ったように成果は上がらない、、
そのような時には部下が本心からは改革に賛同していない
小人革面している可能性があるのです。
霊帝が西域趣味に走れば、部下はそれを真似た
後漢の霊帝(れいてい)は政治的には無能でしたが、
新しモノ好きで、西域の文物に強い憧れを持ちました。
そして宮中を西域の装飾で飾り、椅子に座り、
テーブルを使い珍しいワイングラスを珍重して、
葡萄酒を飲み肉料理を嗜むなどしたようです。
霊帝がこうなら部下は、その意に叶おうと、
おのずと西域趣味になります。
霊帝の寵臣だった宦官の張譲(ちょうじょう)は葡萄酒の愛好者で、
葡萄酒を一升(当時の一升は200ml)賄賂に持ってきた
孟伯郎(もうはくろう)氏に涼州刺史の地位を与えています。
この人達は、元々西域が好きでも何でもありません。
ただ出世の糸口として西域の文物になじんでいるフリを
していたのです。
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部下の中には改革に取り組むフリをしている人間が紛れる
改革する意欲が無くても、改革に対応できる力量が無くても
部下は処世術という名の、「改革しています~」を装うのは
大抵、得意だったりします。
上司が会議を重視するなら、外顔を目一杯輝かせ、
意欲的に会議に取り組んでいるフリをするでしょうし、
上司がプレゼンマニアなら、毒にも薬にもならない
どうとでも取れるプレゼンを、テンプレを活用して
100でも用意するでしょう。
しかし、本当に改革を成し遂げようと意欲を持っているわけでなく
改革という面倒くさい嵐を乗り越えるまで頑張ろうと、
嫌々の防衛本能を働かせているだけなので、
その社での改革は、ほぼ確実に失敗に終わると思います。
上司は敢えて本心を出さず部下を困惑させて本性を見極める
改革を成功させるのは、このような改革しているフリをしている
部下を見極め、よく改革の意義を貫徹する必要があります。
ですから、その期間、敢えて上司は好悪を顔に出さず、
部下が何をしたら迎合できるのか分からないようにするのです。
上司の出方が分らないなら、部下は自ずから本性を
出さないわけにはいかなくなります。
やる気の無いものは、オロオロと停滞し熱意がある部下は、
それでも自分なりに考えてプランを出してくるでしょう。
上司は何食わぬ顔でこれを把握して、改革には誰が必要で
誰を中心に据えてチームを造ればいいかを見極める事が
出来るという事なのです。
ビジネスキングダム 本日のワンポイント
上司の皆さんは気づいていませんが、皆さんには癖があります。
部下はその癖を、したたかに見抜いて利用し怒られないように、
褒められるように、日夜、考えながら仕事をしているのです。
上司の皆さんは、御自身の癖を観察して把握し、
これで部下に丸めこまれないように注意しないといけません。
元来、仕事は社の発展の為にあり上司の機嫌を取る為ではないからです。
今日から、何を考えているか分からない気難しい上司になり
部下が、あなたの機嫌取りで仕事をしているのか?
会社の為に仕事をしているのか?見極めてみるのもいいでしょうね。
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