袁術祭り
まだ漢王朝で消耗してるの?




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

漢の時代の人が考えるあの世は、どんなイメージ?

この記事の所要時間: 247




劉備

 

古来、多くの人々が「死後の世界」を考えずにはいられませんでした。

どんなにこの世で栄耀栄華を極めても最後には死んでしまう人生の理不尽。

それは生物故に百歩譲って仕方がないとしても死後、人間はどこに行くのか?

霊魂は?天国はあるのか?今も昔も、それは究極の疑問のままなのです。

はじめての三国志では、三国志の時代の人々の考えた「あの世イメージ」を

紹介していこうと思います。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら




三国志の世界の人々が考えたあの世

天国 あの世

 

現代人がイメージする天国とは、蓮の花が咲き乱れる仏教極楽イメージか

巨大な天国の門の向うにあるパルテノン神殿的な建物がそびえる、

キリスト教風の天国のイメージでしょう。

 

しかし、三国志の時代に生きていた人々には仏教も普及しておらず

キリスト教は伝来さえしていない状態で存在しませんでした。

なので、そこには漢の人々が考えたオリジナリティ溢れる

独自の「あの世イメージ」があったのです。




馬王堆(まおうたい)の湿屍(しっし)の棺を覆う非衣に描かれたあの世!

1号墓の帛画 wiki (写真引用元:1号墓の帛画 wikipedia

 

三国志の時代の人々の「あの世イメージ」を知るのに最適な史料が、

1972年、長沙馬王堆一号前漢墓から出土した棺に被せられた帛画です。

帛画はT字型をしていて、非衣(ひい)と呼ばれ長さ2メートル、

幅は一番大きな所で90センチとタオルケット並みの大きさで、

葬列の前面で旗のように掲げ死後は棺の上に掛けられていました。

 

この非衣は湿屍(特殊な状況下で遺体が保存された状態、人間が加工する

いわゆるミイラとは異なる)としても有名な軑侯(たいこう)夫人、

辛追(しんつい)の棺に被せられた物で、ここには長い間謎だった

漢の時代の人々の死生観が生き生きと描かれていたのです。

 

漢の時代の人々は死ぬと昇仙し崑崙山に行くと考えた

北斗七星 f

 

非衣には、今まさに昇天しようとする軑侯夫人と従者が描かれていました。

当時の人々の間では、人間は死後、崑崙(こんろん)山という聖山に昇っていき、

そこで、天帝である半人半蛇の女媧(じょか)の下で永遠の命を生きると考えていました。

 

崑崙山には、三つの峰があり、その周囲は弱水という湖が取り巻き、

死者が、ここを渡るには龍(龍舟)に乗らなければいけませんでした。

この弱水の底には、巨大な二匹の魚が泳いでいたり奇怪な人面の怪物がいたり

巨大な蛇や大亀が描かれています。

龍舟に乗らないと、それらに襲われるという意味なのかも知れません。

 

実際に、非衣でも軑侯夫人は杖をつき、三人の腰元と天界から迎えにきたと

見られる二人の天の官吏に付き添われ二匹の龍が持ちあげる舟に

エレベーターのように乗りながら、天に向かい進んでいくのです。

 

その龍舟には天蓋があり、天蓋の下には死を司る人面の不気味な鳥

鵩鳥(ふくちょう)が羽ばたいていますが、死を暗示しているのか?

永遠の生命を得る軑侯夫人から離れようとしているのか分かりません。

 

前漢の人々のイメージ、天国の門をくぐると祝福の鐘?

 

龍舟が昇天する先には、凸で表現された閶闔(しょうこう)があります。

これはいわゆる天国の門で、左右に天の役人がいて拱手(こうしゅ)で

軑侯夫人を迎えています。

ここで、面白いのは、その上では彪に跨った神獣が左右で紐を引っ張って

鐘をガンガン打ち鳴らしている様子が描かれている事です。

 

「パンパカパーン、崑崙山へようこそヒューッ!」

 

そういう意味だとしたら面白いですが、西洋の教会の鐘じゃあるまいし

恐らく、天帝に死者が到着したのを知らせる厳かな鐘だと思います。

 

三国志時代に盛んに造られた崖墓

 

崑崙山の信仰は、やがて、より地上より高い場所に人を葬ると、

昇仙できるという考えに変化していったようです。

そこで、豪族の墳墓は山をイメージして高くなり、

或いは、山腹を掘って崖墓(がいぼ)という墓を造るようになります。

 

この崖墓が一番盛んに造られるのが実は三国志の時代なのです。

それ以後、崖墓が造られなくなるのは、仏教が庶民にまで浸透して、

あの世のイメージが崑崙山では無くなるからかも知れません。

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

この話で、まだ分からないのはお金持ちではない庶民の考える

あの世は、どんなものだったのだろうか?という事です。

庶民の間でも、儒教に基づいて先祖を祀る行事が行われていたのは

文献にはありますが、先祖がどのような世界に住んでいるか?

というような記述は出てこないからです。

 

軑侯夫人の非衣にあるような崑崙山に先祖も昇天したと考えたのか?

しかし、そうだとすると、貴族だろうと平民だろうと死んで行ける場所が

同じという事になり盛大に葬儀を執り行う意味が薄れます。

その辺りはどうなのか?今後も調べてみます。

 

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:三国志時代に降伏や降参するときはどうやってサインを出していたの?

関連記事:【素朴な疑問】三国志時代はどうやって兵士を集めていたの?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 【キングダム】知ってる?いよいよ楊端和がヤバいらしいよ
  2. 【三国志刀剣乱舞】三国志武将が持っていた名刀・名剣を紹介するよ
  3. 羅憲(らけん)とはどんな人?蜀のラストサムライ!奇跡の逆転勝利で…
  4. 【はじめての孫子】第5回:戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる…
  5. 【真田丸】幸村だけじゃない!曹操、孔明も使った赤備え!ザクとは違…
  6. 張嶷(ちょうぎょく)とはどんな人?異民族討伐のプロであり陳寿も認…
  7. 【無職の力恐るべし】漢帝国をぶち壊したのは清流派官僚とニートの袁…
  8. 本当に病弱?実は健康に自信があった孔明、寿命を縮めた大誤算とは?…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 衝撃の事実!赤兎馬の子孫が判明!?
  2. 呂蒙(りょもう)ってどんな人?男子三日会わざれば刮目して見よ
  3. 荀彧と曹植はオシャレ男子だった?三国時代の男子は化粧をしていた
  4. 【キングダム芸人】中華統一を果たした信と政はどうなった?
  5. 主人公になるべく登場した男、劉備玄徳
  6. 【衝撃の事実】三国志演義はゴーストライターによって書かれた小説だった!?羅貫中じゃないの?

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

日本人にとっての『三国志』の原点……吉川英治『三国志』 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.6 秦の始皇帝ってどんな人だったの?幼少期編 三国志の時代でも副業が流行っていた!サイドビジネスの種類を紹介! 王郎(おうろう)とはどんな人?光武帝を苦しめた自称漢のプリンス 【大三国志 攻略4】Lv6の土地の頑強な反撃に遭い、2度も壊滅!攻略なるのか!? 【そもそも論】どうして袁紹や袁術には力があったの? 滅びゆくものへの郷愁劉備という生き方

おすすめ記事

  1. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース14記事【5/15〜5/22】
  2. 【はじさん編集部】第2話 三国志なんか読むな!(泣)新橋の夜に吠える はじ三の犬達
  3. 秦王政の疑心を見抜いていた二人の人物:尉繚と王翦
  4. 三国志史上で一番絵が上手なのは誰だ!?ヒント、姓は曹です
  5. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース34記事【2/6〜2/12】
  6. さよなら2015年!年忘れだよ♪三国武将の名言・珍言語録
  7. キングダム 楚の宰相、春申君の最後が残念すぎる
  8. 【はじ三グッズ】可愛い馬超のスマホケースver2(iPhone/Android対応)近日発売予定

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP