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政の配下となった李斯の最期が残念すぎる

2016年11月4日


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李斯の最期(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



始皇帝、天下統一、李斯は封建制を廃止、中央集権制を敷く

キングダム 始皇帝

 

紀元前221年、秦王政は、中華を統一し始皇帝と名乗ります。李斯は丞相として、遂に長年の宿願を実行に移します。それは、これまでのように各地に王族や重臣を配置して、独自に政治を任せる封建制度ではなく、各地に、役人を派遣して一人の皇帝の下で一つの法を通じて人民を治めさせる中央集権制の実現でした。

 

現在、多くの国が採用している政治システムも、首都に政治の中心を置いて、官吏(公務員)を派遣して統治する中央集権システムなので、李斯の統治システムは基本では、現代の社会でも通用しているのです。

 

始皇帝の死後、李斯は方針を誤る

趙高 キングダム

 

始皇帝が全国巡幸中の紀元前210年に崩御すると、遺言により、その地位は長男の扶蘇(ふそ)が継ぐ事になっていました。しかし、始皇帝晩年のお気に入りの趙高(ちょうこう)が始皇帝の側にあるのを利用して遺書を改竄し、末子の胡亥(こがい)を皇帝にしようと丞相の李斯に持ちかけてきます。

 

李斯が本当に法家の人間なら、遺言を書き換えるなど許されませんが、扶蘇と仲が悪かった李斯は保身の為に趙高の陰謀に加担してしまうのです。

 

これが秦帝国の運命を決定的に誤らせる事を李斯は気がついていませんでした。

 

趙高が胡亥を操り李斯には悲惨な最期が訪れる

胡亥

 

ところが全ては趙高が己の野心の為に仕組んだ罠でした。胡亥の家庭教師である趙高は、李斯よりも遥かに胡亥に親密であり権力を握ると、胡亥を宮殿の奥で酒池肉林の贅沢に耽らせ趙高にとって、都合の悪い人間は胡亥に逢わせようとはせず、表の政治を全て自分で決済するようになります。

 

さらには、保身の為に少しでも謀反の芽を摘もうと、王族、重臣、秦を建国した多くの人々を次々に殺してしまいました。その数は十万人とも言われています。

 

李斯は、ようやく過ちに気が付き、秦帝国を軌道修正しようと胡亥に何度も諫言しますが、それらは、後で趙高によりすべて捻じ曲げられて伝えられます。

 

いよいよ李斯が邪魔になった趙高は、楚との戦いで戦死した、李斯の長男がかつて楚に通じていたという罪をでっちあげ、高齢の李斯を激しい拷問に掛けて自白させました。李斯は息子と共に腰斬(ようざん)という腰で胴体を切り離す、残酷な刑罰に掛けられ、苦しみ、のたうちまわりながら世を去ったのです。

 

キングダムライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

李斯は、強い上昇志向と法こそが社会を安定させると言う信念で、ついに中国史上、最初の統一帝国、秦を完成に導きました。しかし、始皇帝の遺言を保身から書き換えるという悪事に手を染め輝かしい功積に自ら泥を塗ってしまったのです。

 

李斯に感情がなく本当に法そのものであったなら、こんな事も起きなかったでしょうが、実に人生は皮肉です。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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