政の配下となった李斯の最期が残念すぎる

2016年11月4日


 

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李斯

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダムで動きがありました。秦と趙との激闘、黒羊丘編がひとまず終了し、幕間の趙の李牧(りぼく)と秦政(せい)のやりとりを経て、呂不韋(りょふい)四柱の筆頭で「法の番人」の異名を取る李斯(りし)が昌文君の働きで罪を許され

 

秦の宮廷に電撃復活したのです。

 

桓騎 キングダム

 

ここからキングダムは、桓騎(かんき)信(しん)のような将軍ではなく李斯を筆頭とした文官の権謀術数の話に移っていきますので、はじさんで簡単に李斯についておさらいしておきましょう。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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楚の小役人が一念発起して荀子に学ぶ

李斯 ネズミ

 

元々、李斯は秦の人間ではありません。楚の上蔡(じょうさい)という所で生まれた人で、最初は、これという野心もなく仕官して小さな県の役人になりました。しかし、同じ鼠でも倉庫の鼠は、たらふく米を食べ人間を恐れないのに対し、便所の鼠は人の糞尿を食べ、臆病で人間の影を見ても逃げ惑う姿を見て人生が180度変わるような衝撃を受けます。

 

「人間も鼠と同じだ、能力ではない、どこに居るかで価値が決まるのだ俺は絶対に便所の鼠では終わらんぞ!」

 

李斯は、せっかく就いた役人を辞め財産を整理して荀(じゅん)子の門を叩きます。自分の居場所を自分で掴み、乱世で成りあがろうと決意したのです。

 

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李斯、荀子の下で法の番人として目覚める

 

荀子は、君子を頂点に、役人がこれを補佐し法を行使して庶民を治めるというピラミッド型の社会をモデルとしていました。李斯は、この考えに感化され君主の徳などという曖昧なモノではなく、何者にも揺るがない絶対の法こそが、天下を治めると確信するに至ります。

 

卒業した李斯は、当時、天下を制覇する勢いだった秦へ向かい、その豊富な法知識を買われて呂不韋の食客になります。漫画では、そのまま呂不韋の四柱になっていますが、事実は異なり、呂不韋の推挙で秦王政に仕えています。

 

外国出身者が追放されかけた時、「諫逐客書」を出す

嫪毐 ろうあい

 

次第に信任を得る李斯ですが、折悪しく、太后に取り入った巨根の宦官、外国人の嫪毐(ろうあい)が反乱を起こし鎮圧されます。その背後に趙人の呂不韋が居た事で、秦では外国人に対する風当たりが激しくなり外国人追放令まで出されます。

 

自らも楚人である李斯は猛反論し、秦が商軮(しょうおう)や張儀(ちょうぎ)のような外国人の力を借りて勢力を伸ばした事を理路整然と説明します。秦王政は、この説明に感じ入り呂不韋の亡き後は益々、李斯を重用するようになります。

 

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非情な李斯、学友 韓非子を毒殺する

韓非

 

同じ頃、秦王政は、韓の公子、韓非(かんぴ)の書物に心酔していました。やがて、韓非が存命である事を知った政は韓非を秦に招いて側近くで仕えさせようとします。

 

李斯は、荀子の門で学んでいた頃、韓非の学友であり、才能では全く及びませんでした。そこで、自身が用いられない事を恐れた李斯は、政に讒言し韓非を投獄させ、さらに毒を与え殺してしまいます。出世の為なら学友でも殺す、李斯の飽くなき権力欲が出ています。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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