春秋戦国時代

はじめての三国志

menu

執筆者:黒田廉

戦国最強の同盟を成立させた名軍師・太原雪斎(たいげんせっさい)の活躍

この記事の所要時間: 239




おんな城主03b 今川義元セリフあり

 

戦国モノのゲームをやったことがある方なら今川義元(いまがわ よしもと)を知っていると思います。

ゲームをやっていなくても歴史の授業に必ず出現する人物です。

彼は織田信長に奇襲作戦で討ち取られてしまったためか、

だいたいポンコツ扱いされてしまいます。

しかし史実では信長に討ち取られるまでは名将といってもいいほどの活躍をする人物なのですが、

そんな彼を支え続けていたのが太原雪斎(たいげんせっさい)と言われる人物です。

彼は今川義元の軍師として活躍することになるのですが、今回は彼の外交官としての

活躍をご紹介したいと思います。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:仏門教師・太原雪斎とはどんな人?今川義元の幼少期・青年期を支えた坊主軍師




今川義元の軍師として

 

今川義元(いまがわよしもと)は家督争いを制して今川家の当主に就任します。

彼は自分の学問の師匠である太原雪斎を軍師として迎えるべく今川家の本拠地の近くにある

臨済寺を設立し、兄氏輝の菩提寺とします。

この菩提寺の当主に雪斎を任命します。

こうして雪斎は氏輝を弔う役目をおいつつ義元が困ったら相談に乗ることのできる軍師としての

役割を担うことになるのです。




武田家との同盟

真田丸02(武田信玄)

 

義元が今川の当主となってからも武田家とのいざこざは収まりませんでした。

そこで雪斎は武田の当主である信虎(のぶとら)の娘を今川義元の嫁に貰うことで、

今川と武田の同盟を結ぼうと考えます。

この計画はすぐに実行に移されることになり、信虎もこの婚姻に賛成します。

こうして今川家と武田家は同盟を結ぶことになるのですが、

ここである問題が発生することになるのです。

 

東の覇者の怒り

 

今川氏は長年関東の大名である北条氏と同盟を結んでおりました。

しかし北条家は長年武田と争っており、自分達の敵である武田家と同盟を結んだことに激怒。

そして北条家の当主である北条氏綱(ほうじょううじつな)は自ら兵を率いて関東と駿河へ

攻撃を仕掛けてきます。

この戦いにおいて雪斎は自ら今川軍を率いて北条勢と激闘を繰り広げることになるのです。

雪斎の戦い方は見事で北条軍を相手に速戦でケリをつけることをしないでダラダラと戦いを

行っていきます。

その間彼は得意の外交戦術を駆使することでこの難局を打開しようと考えます。

この時に彼が目をつけたのが甲斐の信虎を追放して新たに武田家の新当主に就任した

武田晴信(たけだはるのぶ)です。

 

武田家を仲介にして北条家と和睦する

 

雪斎は武田晴信と会見して「北条家と和睦するための仲立ちになってくれないか」と相談。

晴信は気前よく雪斎の要請を快諾して北条と今川の和睦の仲立ちとなってくれます。

こうして長きにわたった北条と今川の戦は和睦となって停戦状態へ持ち込んだことにより、

集結することになるのです。

そして雪斎はこの和睦が締結された際に新たな外交策を展開しておりました。

 

戦国最強の同盟

 

和睦が締結されて今川と北条の争いは収まったかのように見えましたが、

北条家の次世代当主である北条氏康(ほうじょううじやす)は再び今川家へ攻撃を行ってきます。

この攻撃を知った義元はすぐに晴信に援軍を要請。

晴信は自ら軍勢を率いて今川軍と合流して北条家と決戦することになります。

しかしこの戦いの時に雪斎は武田・北条の大将クラスの幕僚達を駿河の善得寺に集合させて、

「我らがここで大戦を行っても他国を喜ばせることになるだけではないか。

ならばここで過去の遺恨を捨てて北条・武田・今川の三者同盟を結ぶのはどうであろうか。」と相談。

この相談を受けた北条と武田の幕僚は急いで帰還して、

武田は晴信へ、北条は氏康へそれぞれの大将へ指示を仰ぎます。

その結果武田・北条それぞれ異存はないことがわかります。

さらに武田家は北条へ娘を送って氏康の嫡男である氏政と婚姻を交わしており、

また義元の娘は晴信の嫡男である義信と婚姻関係にあるため、

婚儀を交わしていないのは今川と北条の間だけでした。

そして今川家と北条家は何度か使者を往来させて婚姻の日取りや場所等を決めた結果、

義元の嫡男である氏真(うじざね)と北条氏康の娘が婚姻することに決定。

ここに戦国最強である今川・北条・武田の同盟が成立することになり、

後世この三者の同盟を甲斐・相模・駿河の前の一字をとって「甲相駿(こうそうすん)同盟」として

有名になることになります。

この同盟を斡旋したのが義元の軍師である太原雪斎のおかげでした。

 

戦国史ライター黒田レンの独り言

黒田廉さん02b 背景あり

 

太原雪斎の活躍によって戦国最強といっても過言ではない三者同盟が成立します。

この三者同盟は今川義元が桶狭間の戦いで戦死するまで継続することになります。

そして太原雪斎が成立させたこの三者同盟によって

各々の大名は隣国へ勢力を拡大することができるようになり、

三者は強力になっていくことになるのです。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:楽しみながら戦国時代のエピソードを学べる歴史マンガ3選

関連記事:おんな城主 直虎を100倍楽しむ!今川に呪われてしまった井伊家宗家

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

投稿者の記事一覧

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

関連記事

  1. 甲斐の虎と越後の龍が行った激戦!川中島の戦いって一体どちらが勝っ…
  2. 漢帝国樹立に尽くした名軍師・張良は仙人になるために◯◯を取り入れ…
  3. 荀況(じゅんきょう)とはどんな人?始皇帝の法治国家の形成や李斯・…
  4. 張繍と賈詡は曹操に降伏したのは本心からではなかった!?
  5. 【おんな城主 直虎を見逃した方必見】第四話「女子にこそあれ次郎法…
  6. 【呉の猛将・太史慈】相手の隙をついて包囲網を突破:意外と知らない…
  7. 【戦国時代と三国時代の類似点】権力者に抵抗して戦い抜いた曹髦と織…
  8. 蜀漢が滅びたのは張飛達を祀らなかったから?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 52話:袁紹を破った曹操は、中原最強の勢力に成長
  2. 劉表(りゅうひょう)とはどんな人?肥沃な土地と膨大な兵力を保持しながら、華々しい活躍をしないで終わった荊州牧
  3. 馬場信春(ばばのぶはる)とはどんな人?鬼と呼ばれた武田四名臣の一人
  4. 孔明とは違うのだよ!天才姜維の斜め上北伐とは?両者の徹底比較
  5. 【官渡決戦間近】曹操軍の陣中で慎重論と積極論を進言をしていた代表者達
  6. 三国志でイラク戦争を考えてみようじゃないか

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

三国志ロワイヤル-みんなのサンロワ-とはどんなアプリゲーム? 【優劣対決】戦国武将小早川秀秋 VS 蜀の二代目皇帝劉禅一体どちらが優れていたのか。PART2 朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第1部 【真田丸最終回記念】真田信繁はどのようにして家康本陣へ攻撃を仕掛けたのか? 営業マン必見!諸葛亮孔明から学ぶ営業術。これがビジネス三国志だ! 劉備も関羽もイスラム教徒?中東シリアで流れる三国志アニメ 衝撃の事実!三国時代に魏・呉・蜀なんて『国』は存在しなかった!? 【キングダム】始皇帝に皇后がいない?その理由について考えてみた

おすすめ記事

  1. 織田信長の息子達の名前がファンキーでかなりやばい!!
  2. 曹丕はどうやって後継者争いに勝ち残って魏の初代皇帝になれたの?
  3. 【軍師連盟】司馬懿は遼東遠征の時なんで大虐殺をしたの?
  4. 若い頃の劉備はチャラすぎ!劉備略年譜
  5. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース17記事【5/22〜5/29】
  6. 張郃(ちょうこう)ってどんな人?3度も死にそうになるが、何度も甦った魏の猛将
  7. 【告知】読者参加型企画!三国志の時代にタイムスリップしたらやりたい事
  8. 孟嘗君(もうしょうくん)とはどんな人?戦国七雄に絶大な影響力を持った戦国四君【青年編】

はじさん企画

袁術祭り
特別企画
異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
はじめての三国志TV
PAGE TOP