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執筆者:黒田廉

【食客には無駄な人材はいない!!】孟嘗君の脱出劇が名言として登場

この記事の所要時間: 410




孟嘗君

 

春秋戦国時代には各国の貴公子が多くの有為の人材である食客を抱え込んでおりました。

その貴公子達の中で最大の人望を持った人物は孟嘗君・田文です。

彼は斉の国の貴公子ですが、彼の元には色々な能力を持った人物がおりました。

そんな彼は秦の国から「宰相になってくれ」と要請があり、秦へ向かいます。

しかし秦は孟嘗君を宰相に据えますが、秦の国でとらわれてしまいます。

だが孟嘗君は食客達の知恵によって脱出することに成功。

この時の活躍が名言として残っているのでご紹介しましょう。

 

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天下の諸侯が慕った斉の孟嘗君

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斉の貴公子である孟嘗君は天下の諸侯から人望を集めており、

彼が動けば天下の諸侯が皆味方に付くという程でした。

また彼の元には多くの食客が養われており、その数はなんと3000人と言われておりました。

こうした孟嘗君をぜひ自国の宰相へ招きたいと熱望していた国がありました。

その国は西方の強国である秦です。

 

昭襄王から請われる

昭襄王

 

秦の昭襄王(しょうじょうおう)は孟嘗君を宰相にするために、

彼へ「我が国に来て宰相となってもらいたい」とお願いします。

孟嘗君は天下の諸侯から嫌われている秦の国の宰相へなりたくないと思い、

断ってしまいます。

しかし昭襄王は一度断られたくらいでは諦めず、再び孟嘗君に使いを出します。

孟嘗君は再び秦の宰相になってくれと請われると彼は秦へ行こうと決めます。

なぜ彼は一度断っておきながら秦の宰相へなることにしたのでしょうか。




斉に居づらくなったため

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孟嘗君は斉王とあまり仲が良くありませんでした。

そのため事あるごとに斉の国政の政策に対して意見が食い違い、激論を幾度も交わしている始末。

斉王は口うるさい孟嘗君を追い払いたいと考えておりました。

孟嘗君も斉王がそのような考えを持っていることに薄々気づいており、

斉の国から出たいと思っている矢先に秦から再度宰相へなってくれとの要請があったため、

秦へ行こうと決意します。

こうして孟嘗君は居心地の悪い斉の国を出て、秦へ向かいます。

この時孟嘗君はひとりで斉の国を出たのではなく、大勢の食客を伴っておりました。

 

孟嘗君を捕らえる

月 f

 

昭襄王は孟嘗君が秦の宰相になることを決意して我が国へやってくることを知り、

大いに喜びます。

彼は臣下を集めてこの話をした後「孟嘗君が来たら、彼を宰相の位につけるからよろしく」と

伝えます。

秦の文官たちは昭襄王の言葉に大いに驚きます。

そして彼らを代表してある大臣が「孟嘗君を宰相にしてしまえば、彼の出身の国である斉に

有利な外交や国政ばかり行い、我が国として大いに損な状態になるのではないのでしょうか。」と

問います。

この大臣の言葉を聞いた昭襄王は頷いてしまいます。

そして昭襄王はこの意見を採用して、孟嘗君が秦へ来たら捕えて殺害してしまおうと考えます。

そうとは知らずに秦の国へ入国した孟嘗君は昭襄王から大いにもてなされた後、

豪華な宿舎へ案内されて宿泊することになります。

しかし孟嘗君はその翌日から外へ出ることはできず、

宿舎の周りには大勢の兵によって囲まれてしまうことになり、監禁されてしまうのでした。

 

昭襄王の側室へ命乞いをするも・・・・

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孟嘗君はこのまま何もしないでいれば必ず昭襄王に殺されてしまうと考え、

昭襄王の側室へ命乞いの使者を出します。

昭襄王の側室は物欲が旺盛な人物で、孟嘗君の使者がやってきて彼女へ

「主人の命を助けてくれるように取り計らってもらいたい」とお願いします。

すると彼女は「いいわよ。だけどタダでは行えないわ。

そうね~。孤白裘をくれるのなら考えてあげる。」と答えます。

孟嘗君の使者は「主人と相談してきます。」と言ってその場を去りますが、浮かない顔でした。

その理由は孤白裘(こはくきゅう)は昭襄王へ贈り物として上げてしまって、

手元にないからです。

この側室の言葉をそのまま伝えると孟嘗君もどうすればいいのか困っていまいます。

食客達へ意見を求めても妙案が出ることはありませんでした。

 

 

泥棒の妙案

 

孟嘗君の食客達は孤白裘を手に入れる妙案が浮かばない中、一人の人物が声をあげます。

その人物は元盗人で彼は孟嘗君へ「私が何とかしましょう。」と意見を述べます。

孟嘗君は「どうするのですか。」と伝えると

彼は何にも言わずにただ「私に任せていただけないでしょうか」と再度伝えます。

この言葉を聞いた孟嘗君は「では先生にお任せします」と伝えて皆を解散させます。

 

昭襄王から孤白裘を奪ってくる

photo credit: Lamp via photopin (license)

photo credit: Lamp via photopin (license)

 

この盗人は夜中こっそりと孟嘗君が宿泊している場所を抜け出して、

昭襄王(しょうじょうおう)の寝室へ侵入。

彼はそこでお目当ての孤白裘を発見すると物音立てずに奪い取ります。

そして翌朝孟嘗君へ「孤白裘を手に入れてきました。」と彼に献上します。

孟嘗君はこの盗人が昭襄王から奪ってきたことを知っていながら

「ありがとう先生。これで私は助かるかも知れない」と伝えるとすぐに使者にこの孤白裘を持たせて、

昭襄王の側室へ再度訪問させます。

昭襄王の側室は孟嘗君の使者が孤白裘を献上すると大いに喜び

「ありがとう。王様へ命乞いしてみるわね」と言って使者を返します。

その夜側室の元へ昭襄王が現れるとすぐに「王様。あの斉の貴公子を斉に返してあげませんか。

彼を監禁したままでいれば諸侯が怒って秦に攻撃を仕掛けてくるかもしれまんせんわ」と

孟嘗君の命乞いを行います。

昭襄王はお気に入りの側室から孟嘗君の命乞いをされるとすぐに

「よし。お前の望みを叶えてやろう」と言って孟嘗君を釈放することに決めます。

こうして孟嘗君は監禁状態から解放されて、斉へ向かって帰国することが叶います。

しかし昭襄王は側室の言ったことを後悔し、孟嘗君をこのまま斉へ返してしまっては

秦の国取って厄介なことになると感じ、すぐに追っ手を差し向けます。

 

函谷関を突破できない・・・・

函谷関

 

孟嘗君の一行は首都・咸陽(かんよう)から一直線で斉に向かってかけていきます。

しかし孟嘗君の一行に立ちはだかったのは秦の国門として東方の国々から恐れられている

鉄壁の関「函谷関(かんこくかん)」が立ちはだかります。

孟嘗君は夜中にこの場所へたどり着きますが、当然函谷関の城門はしまっておりました。

この門が開くのは早朝の鶏の鳴き声によって開くことになっておりましたが、

夜中に鶏は鳴かないため行き詰ってしまいます。

さらに孟嘗君の元に食客から「昭襄王が追っ手を差し向けたそうです。」と情報が入ります。

さて孟嘗君一行はどうするのでしょうか。

 

関連記事:キングダムでお馴染みの秦の函谷関ってホントに難攻不落だった?函谷関に隠された秘密

 

鶏の鳴き真似名人の登場

鶏 f

 

孟嘗君の一行の中で再び一人の男が手を挙げて

「私がこの門を開いてみせましょう。」と述べます。

そしてこの男は大きな声で鶏の鳴き声を真似ます。

この男の鳴き真似を聞いた函谷関の守兵は城門を開きます。

孟嘗君一行は城門が開くと急いで外へ出て秦の国から脱出することに成功。

そして彼らは斉の国へたどり着くことができたのです。

 

鶏鳴狗盗

 

彼ら盗人と鳴き真似名人のおかげで危機を脱出することができたこのエピソードを

後世「鶏鳴狗盗(けいめいくとう)」と呼ぶことになります。

この意味は文字通り盗みを働く技術と鶏の鳴き真似しか出来ないくだらない人を指す言葉です。

しかし本当の意味はどんな技術でもいつ役に立つのかそれは分からず、

どんな人間でも無駄なことはないと言うことを指しているのです。

 

春秋戦国ライター黒田レンの独り言

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孟嘗君はこうして秦を脱出することに成功しますが、その後どうしたのでしょうか。

彼は斉にたどり着くと秦を攻撃するため諸侯を誘って復讐を行います。

孟嘗君が総大将となって秦へ攻撃を行い大勝利を収め、

協力してくれた諸侯達へ秦から奪い取った領土を与えることになります。

主力として働いた斉は秦から奪い取った領土は一切貰うことをしなかったそうです。

そのため斉王と孟嘗君の溝は決定的な物となり修復することはありませんでした。

「今回の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。

次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。

それじゃあまたにゃ~」

 

 

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黒田廉(くろだれん)

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横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

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