戦国時代末期。
燕の国は国が乱れたことで隣国の斉に国を一度奪われてしまいます。
しかし民衆や大臣達から後押しを受けた燕の国の太子である平が国を奪い返すことに成功し、
燕の国は復活することになります。
そしてこの太子平は燕の昭王として君臨することになります。
彼は国を蹂躙した斉へ復讐をしようと心に誓い、
国力を充実するために色々な政策を行っておりましたが、
燕の国には優秀な人材が欠乏しておりました。
そんな時にひとりの男が燕の国へやってきます。
その男の名は郭隗(かくかい)。
彼は燕王に謁見して史上最強の自薦を行い燕王の師として養われることになります。
今回は郭隗が行った自薦とは一体何なのかをご紹介したいと思います。
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燕王から相談を受ける
郭隗は燕の昭王の学者として仕えておりましたが、
国が斉に蹂躙されてしまったため国力を回復させる政策を進言していきます。
こうして燕は徐々に以前の国の力を蘇らせていくことになります。
そんなある日昭王から郭隗は相談を受けます。
昭王は郭隗に「私は国力を回復させるだけなく、我が国を滅茶苦茶にした斉に対して、
生きている間に復讐したいと考えてます。
そのためにまずは国力を回復することのできる政策を先生から助言を受けて行いました。
次に私が取るべき道としては人材の確保を考えているのですが、
先生はどうすればこの小さな燕に優秀な人材を集めることが出来ると思いますか。」と
相談を受けます。
郭隗は少し考えて燕王の意見に対してこのように述べます。
隗より始めよby郭隗
郭隗は昭王から相談を受けると少し考えてこのように答えます。
彼は「燕に優秀な人材を集めたいと考えているのであれば、王は私を優遇すればいいでしょう。
そうすれば各国の私以上の人材達はこの話を聞いて
「郭隗ですらあのように優遇されているのであれば、
燕に行けばかなり優遇されるのではないか」と考えてやってくるでしょう」と述べます。
まさに最強の自薦方法です。
この意見を聞いた昭王は早速彼にドデカイ宮殿を作って師として仰ぎます。
各国から優秀な人材がやってくる
昭王は郭隗を優遇すると色々な人材がやってきます。
斉からは陰陽家で有名なった鄒衍(すうえん)がやってきて昭王に仕えることになります。
また趙からは騎馬隊を率いて異民族と幾多の戦いを制してきた劇辛(げきしん)がやってきます。
キングダムで龐煖(ほうけん)に半分にされてしまった武将です。
また中山からは名将と言われることになり、昭王の復讐を成功させた将軍として後世に
その名をとどめることになる楽毅(がくき)がやってきます。
こうして燕の国内は優秀な人材が多く集まることになり、昭王の復讐が着々と始まることになります。
戦国史ライター黒田レンの独り言
この郭隗のおかげで昭王は斉へ復讐することのできる人材を集めることに成功します。
その後の郭隗の消息は不明ですが、燕王の師として仕え続けており代替わりした
あたりで亡くなってしまったか、逃亡したかのどちらかだと考えられます。
死亡してしまった場合は特に何事も起きないと思いますが、
もし生きていた場合、昭王の願いである斉への復讐は楽毅の戦略と戦術によって斉を蹂躙して、
斉国の完全制覇まで後一歩の所まで追い詰めておりました。
そのため郭隗がまだ燕にいた場合、楽毅よりも功績が無いのにドデカイ宮殿をもって
居座っているだけでは昭王の跡を継いだ王や家臣から
何を言われるかわかったものではないでしょう。
そのため彼は家臣からの批難をかわすために
彼は他国へ逃亡したと考えられるのではないのでしょうか。
しかし事実としてひとつ分かっているのは彼がいなければ小国であった燕は
楽毅を手に入れることができずに昭王の復讐も完遂することはできなかったでしょう。
最強の自薦ですが、皆様にはこのようなことを面接等で行わないように気をつけてください。
自分を優遇すればいっぱいひとが集まってきますよなんて言ったら
落とされる可能性が高いですから・・・・。
参考文献 史記 司馬遷 奥平卓・久米旺生訳など
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