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執筆者:黒田廉

豊臣秀吉による惣無事令って何?わかりやすく解説

この記事の所要時間: 452




 

豊臣秀吉(とよとみひでよし)。

彼は天下統一事業の第一弾とも言うべき長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)が

有していた四国征伐を完遂させ天下統一へ向けて一歩前進することに成功します。

秀吉は四国征伐が完了すると全国の大名へ向けてある政策を発令。

その政策は惣無事令(そうぶじれい)と言われる物でした。

この政策は一体どのような内容なのでしょうか。

全国にはまだまだ秀吉に屈していない大名がいる中で、

この命令に従わないとどのような罰則が発生するのでしょうか。

今回はこの惣無事令についてご紹介していきたいとも思います。

 

センゴクを100倍楽しむ全記事一覧はこちら

関連記事:「刀狩り」とは何?豊臣秀吉が行った有名な政策とその目的とは?




そもそも惣無事令とは一体何なの!?

 

豊臣秀吉は四国征伐が完了すると惣無事令と言われる政策を推進し、

全国の大名へ向けて命令を発します。

この命令は一体どのような内容の命令なのでしょうか。

惣無事令とは第一に全国の大名に対して大名どうして闘う行うことを禁止することで、

領土を拡大するのを防ぐことが目的です。

第二に大名同士が争うことがなくなった時に発生するであろう

領土紛争の裁定を秀吉が行う事です。

そして第三にこの命令を発することで全国の大名が、

他国の領土を侵すことなく平和な状態を作り出すことが目的とされております。

ですがこの命令は秀吉個人で行えば全国の大名は

「なんでお前の命令を聞かなくちゃあならねーんだ」と

言って反発される可能性がありました。

そこで秀吉はこの命令に重みを加えるためにある人物から発せられた

命令とすることで大義名分を付けることにします。

その人物の名前は天皇です。

彼がこの惣無事令を秀吉に委託したという大義名分を付与することによって、

全国の大名が秀吉個人から発せられた命令ではなく、

天皇から発せられた命令にすることによって、

この命令に大義名分という重みが付与されることになります。

そしてこの命令を発することで秀吉が全国の諸大名よりも上位の存在であることを

天下に示す意味合いも有しておりました。

秀吉は惣無事令に従うため大名達にあることを行わせることにします。




惣無事令に従うための儀式

 

秀吉は天皇の名の元に大名同士の私闘を禁じ、

領土内の裁定を秀吉政権が行う政策である惣無事令を全国の諸大名へ向けて発令。

彼はこの惣無事令に諸大名が従うためのある儀式を行います。

それは上洛して秀吉と会見することでした。

このことによって秀吉は諸大名達よりも上位に存在していると

内外にアピールすることになり、

秀吉と会見することによって会見した大名が彼の下にいることを示すことにもなります。

毛利家や上杉家、長宗我部家はこの命令に従うため、

秀吉の元へ挨拶に出向き会見をすることになります。

こうして秀吉の惣無事令はある程度効果を見せるのですが、

上記の大名は秀吉に敗北したり、彼に付き従うことを誓った大名でありました。

では全国に散らばって秀吉に服従することを誓っていない諸大名には果たして効果があったのでしょうか。

 

惣無事令の効果

 

秀吉は惣無事令を発令することになりますが、

一体どの程度の効果があったのでしょうか。

秀吉が惣無事令を発令すると一定の効果を上げることに成功。

この効果が示されたのは小田原(おだわら)北条(ほうじょう)家討伐後における

奥州(おうしゅう)においてです。

奥州は秀吉が本拠地としていた京都や摂津(せっつ)からかなり遠く、

秀吉の威令が届きにくい場所でした。

しかし関東の覇者として長年君臨していた北条家の滅亡や

伊達政宗が秀吉に帰順したことがきっかけで惣無事令に従う奥州の大名が増加。

奥州の陸奥(むつ)の大名である南部信直(なんぶのぶなお)や羽州の狐と恐れられた

出羽(では)の最上義光(もがみよしあき)らなどの大名が

惣無事令に付き従ってくることになります。

このように秀吉が天皇の名のもとに発令した惣無事令は効果を上げることになりますが、

もしこの命令を無視した場合、どのような罰則が付与されることになるのでしょうか。

 

惣無事令を破った場合・・・・

 

秀吉が全国の大名へ発した惣無事令を破った場合どうなるのでしょうか。

彼は惣無事令を破った場合の罰則として自らが有している軍事力を行使して、

惣無事令を破った大名家を討伐する罰則を付与することにします。

さてこの惣無事令を無視した大名はいるのでしょうか。

 

惣無事令を破ってしまった大名その1:島津家の場合

 

島津家に秀吉から惣無事令が届き、

「すぐに大友(おおとも)家との戦闘を止めるように」との命令がやってきます。

島津家当主・島津義久(しまづよしひさ)は秀吉の惣無事令の命令を受けますが、

この命令に従うことをしませんでした。

義久は豊臣政権へ「島津家において天皇様から出された命令には従いたいと思います。

しかし我らが積極的に大友に対して攻撃を仕掛けたわけではありません。

そもそも信長公の時代、大友家とは一度和睦が成立しておりました。

だが大友家の当主である大友宗麟(おおともそうりん)が、

島津家の領内に攻撃を仕掛けてきたことで、

我らは現在まで大友に対して攻撃を行うことになっているのです。」と

理由を付けてこの惣無事令に付き従わないことを表明。

秀吉は島津家が豊臣政権の命令に従わないことを表明したことによって、

罰則を与えることにします。

彼は自ら軍勢を率いて九州へ渡航し、

島津家に惣無事令に従わない事を理由として島津家討伐戦を開始。

島津家は豊臣政権軍と必死に戦いますが、

大軍での攻撃に抗うことができずに敗北することになり、

島津家当主であった島津義久は頭を丸めて秀吉に謝罪することで、

なんとか秀吉に許してもらうことになります。

こうして島津家は豊臣政権軍からの懲罰を受けることになってしまいます。

 

惣無事令を破ってしまった大名その2:北条家の場合

 

北条家は秀吉から惣無事令に従うように言われ、

すぐに上洛してあいさつを行うべしと命令を受けます。

しかし北条家当主・北条氏政(ほうじょううじまさ)は「俺がなんで上洛せにゃ行かんのだ。」

と言って自ら上洛することをせず、

弟である氏規(うじのり)を上洛させて秀吉に挨拶させます。

秀吉は氏政ではなく氏規がやってきたことにちょっとイラっとしましたが、

一応惣無事令に従う気があるのだと思い、

氏規に「惣無事令に従って現在戦闘が行われている地域の戦いをやめよ」と命令。

氏規は秀吉の命令に従って戦闘を行わないことを誓います。

だが氏政は氏規が帰ってくると領土を拡大するべく上州の真田家の領土へ

攻撃を行ってしまいます。

秀吉は氏政が惣無事令を破って真田家の領土へ攻撃を仕掛けたことに激おこ。

彼は北条家を討伐するべく全国の大名に攻撃命令を発して、

北条家を討伐するべく出陣することにします。

北条家は秀吉軍に抵抗するも圧倒的な兵力差に抗うことができずに敗北。

氏政は自害することになり、北条家は滅亡することになります。

このように秀吉が発した惣無事令に付き従わない諸大名は、

軍事的制裁を受けてしまうことになるのです。

 

戦国史ライター黒田レンの独り言

 

秀吉が命令を発した惣無事令は全国の諸大名が行っていた戦いを禁止することで、

平和な秩序をもたらす政策でした。

だが秀吉の独裁的な命令である点も見逃すことができません。

もしかしたら他にもっと平和的で諸大名を屈服させる方法があったかもしれませんが、

長年土地を争っていた大名を従わせるためには、

秀吉が生み出したこの惣無事令が一番妥当な政策であったとレンは考えます。

なぜならばもう少し平和的な命令を発令した場合、

諸大名は秀吉の命令を聞いてくれない可能性があったからだと考えます。

一世紀ほど戦いに明け暮れていた諸大名のたずなを握るには、

これくらい厳しい方がいいのではないのでしょうか。

 

参考文献 講談社現代新書 天下統一 黒嶋敏著など

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

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