魏延
南蛮征伐




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

三国志の時代の情報伝達はどうなっていたの?最小情報伝達所烽侯を解説

馬に乗って単身荊州へ赴く劉表




 

 

広大な国境線を持つ中国の場合、守るというのも大がかりな組織が必要でした。

大規模な敵の侵略に対して、初動が1日遅れるだけで、致命的な敗北を招くので、

群雄は、情報伝達ネットワークを整備し、前線からの報告に神経を尖らせました。

その時に使われた通信の最小システムが烽侯(ほうこう)でした。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:漢の時代の役人はこんなに大変!貧乏になると首って本当だったの?

 



烽侯とは、最小にして最も重要な情報伝達装置

 

烽侯は、烽火や旗、伝令を使って、本国まで情報を伝達するシステムであり、

もっとも最小にして、もっとも重要な役割を持っていました。

その姿は上記のイラストのようなもので、小高い丘の上に烽火台があり、

情報の種類や、天侯、昼夜によって、旗を掲げたり、烽火をあげたり、

火を焚いたり、伝令を走らせたりしました。

 

ここには、燧(すい)長をリーダーに、燧吏が1~3人、燧卒が2~6人いて、

総数は10名~15人前後という小さな組織です。

烽侯の設置の間隔は、平均1~2キロ、長くても5キロで、隣の烽侯まで

情報を伝達し、それを繰り返す事で、本国まで情報を届けました。

 




烽侯は最小の砦としても機能した

 

基本的には、情報伝達所であった烽侯ですが、自らの任務を維持する為に

高い塀に囲まれ、濠や逆茂木や、マキビシを周辺に配置した砦の性格を持ち、

烽侯の構成員はを標準装備で持っていました。

 

 

ただ、人数が少ないので、基本は防御に徹し、転射(射撃スリット)などの

防御器具を使ったり、連梃という二つの棍棒を縄で繋げた武器や、

木の先端を研いだ槍などを使って防衛しました。

しかし、鉄鎧で武装した燧長と異なり、燧卒は、徴発された農民兵なので

そんなに強くは無かったようです。

 

つまり、本国としては、敵が襲来した事を知らせる所まで持てば善しと

割り切られていたと考えられます。

 

【はじさん編集部】編集長kawausoの奮闘日記も絶賛公開中!

 

烽侯の信号の種類

 

烽侯の信号の種類には、烽(ほう)、表(ひょう)、煙(えん)

苣(きょ)、積薪(せきしん)の五種類がありました。

 

まず、烽は、旗状のモノで布製と絹製があり、点火されたあとに、

烽火台の上に備え付けられた駕籠付きの跳ねつるべで掲げられました。

この烽は昼間に伝われたようです。

 

次は表と言い、布の旗で、こちらは燃やす事はありません。

昼間に掲げて、情報伝達に使用しました。

 

3番目の煙は、文字通りの煙で、烽侯に供えられた竈(かまど)

狼の糞などを燃やし高い煙突から煙を挙げました。

こちらも昼間に使用されましたが、特に煙では狼の糞が好まれました。

その理由は、狼の糞は、風があっても流れず、まっすぐに上がるからで、

故に、のろしは狼煙とも書くのだそうです。

 

次の苣(きょ)は、松明の事で、大きさは2メートルから

70センチまであり、夜間に使用しています。

最期の積薪は、薪を積み上げて燃やす事を意味し、

こちらは昼夜を問わず、使用されたそうです。

 

 

悪天候では、伝令を飛ばす事もある

 

しかし、悪天候の時には、旗も炎も、煙も意味を成さないので、

烽侯からは、伝令を飛ばす事になります。

伝令には、煙や炎では、伝えきれない詳細な情報を伝える役割もあり、

烽侯の周辺に駅伝も整備し、常に新しい馬と人員を配置して、

早期に情報を本国にもたらすように工夫してありました。

 

西暦214年、劉備(りゅうび)は益州を陥れると、

北からの侵攻に備えて、白水から成都までの駅伝をただちに整備しています。

 

関連記事:これはキツイ!健康が回復するかで刑罰が決まる保辜(ほこ)

関連記事:これは意外!?三国志時代では戦争の必需品だった短刀

 

関羽呂蒙(りょもう)に敗れたのは烽侯のネットワークを断たれた為

 

219年、荊州南郡の関羽(かんう)が呉の裏切りにギリギリまで気付かなかったのは

孫呉が偽装工作で、蜀漢が国境に敷設した烽侯に潜入して制圧し、

ネットワークを遮断してしまったからとも言われています。

 

呉兵は蜀兵に成り済まし、常に「異常無し」の信号を送り、

それを本国の関羽も信じ込んでいたという事なのです。

 

小さな烽侯ですが、これを敵に握られるのは、自身の耳と目を塞がれるのに等しく

さしもの豪傑、関羽も敗北を回避できませんでした。

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

三国志の群雄達の目と耳の役割を果たした最小だけど

最も重要な情報システム、烽侯について紹介してみました。

三国とも烽侯と駅伝の整備には、熱心であり、その維持と整備に相当な

神経を使っていた事が分かってもらえたでしょうか?

 

※こちらの記事は、三国志軍事ガイド 篠田耕一 113pより執筆しました。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:今と変わらない?三国志の時代の勤務評価表を紹介

関連記事:【秋射】命中率が低ければ降格処分も!厳しい三国志時代の勤務評定

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 曹操 健康 【シミルボン】不老不死の為なら死んでもいい!寿命を縮めた曹操のデ…
  2. 【三顧の礼】劉備の諸葛亮への手紙にNGワード!逆賊疑惑
  3. 諸葛孔明が目指した軍師・管仲は、結構性格が悪い
  4. 曹操も劉備もハマってた?三国時代の大人気ゲーム『六博』ってどんな…
  5. すぐに使いたくなる!新三国志用語の意味と使い方まとめ13選
  6. 孔明 【孔明涙目】パイセンの命令は絶対!『劉備軍』が想像以上に体育会系…
  7. 愛馬に乗る張遼 張遼の愛馬の名前は?蒼天航路でも大活躍した黒捷
  8. 劉備玄徳が眩しい理由 三国志 【ホラッチョ劉備】皇帝の子孫は後付け設定だった?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 姜維の地位を落とす文官
  2. 陸遜
  3. 兀突骨
  4. はじめての三国志 画像準備中
  5. 幕末 魏呉蜀 書物
  6. 北伐する孔明
  7. 楊彪を司空に任命させる董卓
  8. 華佗

おすすめ記事

  1. 【地図付き】地味だけど結構重要だった!諸葛亮の南中遠征 孔明君のジャングル探検
  2. 【中華版聖闘士○矢】集まれ!光武帝と雲台二十八将を全員紹介
  3. 蒙毅(もうき)ってどんな人?趙高に恨まれて悲劇の最期を迎える文官
  4. モバイル向け新作シミュレーションRPG『三國志曹操伝 ONLINE』の事前登録をスタート
  5. 【告知】8月のはじ三のスペシャル記事をピックアップ紹介 はじめての三国志編集長 kawauso
  6. 篤姫はなぜ人気がある?大河ドラマヒットの法則 篤姫

三國志雑学

  1. 蜀の劉琦
  2. 周瑜、陸遜
  3. 三国志の地図
  4. 酔っ払う関羽
  5. 酒を飲む曹操と劉備と呂布
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. ゆるキャラ龐統
  2. 関羽が好きすぎる曹操
  3. 勾玉を持っているツクヨミ
  4. 明智光秀が剣を持って戦っているシーン
  5. 関羽VS華雄
  6. 徳川家を守った篤姫

おすすめ記事

岳飛(南宋の軍人) 宋とはどんな国?簡単にざっくりと歴史を解説するよ! 【今さら聞けない】妖怪三国志ってなに?お父さんも子供も夢中の新世代三国志! 呂布に殺害される丁原(ていげん) 丁原(ていげん)とはどんな人?天下無双の豪傑でもあり呂布パパ 南蛮一の軍師・孟節(兵士を裏切る) 【はじめての孫子】第5回:戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり 【項羽との恋愛で起こった悲しい運命】虞美人と虞美人草の悲しいお話 キングダム45 【キングダム予想】公孫龍将軍が最大の壁になる?実は防戦のスペシャリスト 曹洪の手紙が美文のお手本『文選』に載っていた!しかしその実態は…! 劉邦や劉備も手本にした人物 「重耳」 とは?

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

“はじめての三国志PR募集陸遜"
PAGE TOP