魏延
姜維特集




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

三国志時代の通信手段は何だったの?気になる三国時代の郵便事情

孟達からの手紙を開封する劉封




兵士

 

三国志』を読むと、やれ手紙だとか指令だとか、

当たり前ように情報が行き交っています。

 

ついスルーしてしまいがちですが、よく考えると交通機関も通信手段も今ほど発達していなかった当時、人々が一体どうやって情報交換をしていたのか、ちょっと謎ですよね。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:陸遜が赤壁の戦いに参加したらどうなっていた?【if三国志】

関連記事:陳寿は三国志正史で陸遜をどのように評価したの?

 

 

ネットも電話もない時代の音信方法・伝書

孟達からの手紙を開封する劉封

 

ネットも電話もメールもない時代ですから、主な音信方法といえば当然、伝書。

つまり郵便です。

 

 

郵便システムは早い段階から構築されていた

 

中国ではかなり早くから道路の建設事業が進められましたので、実はそれにあわせて郵便システムもできあがっていました。

統治者としては、自分の縄張りの隅々に命令を行き渡らせ、またどこで何が起きているか逐一知る必要がありますよね。

 

ということで、街道に一定間隔で、アンテナとなる拠点を設置し、通信ネットワークをつくりました。

この拠点、漢代以降は「駅」や「郵」などと呼びますが、機能としては宿泊所つきのサービスエリアに近く、配達員たちが途中で休んだり、

食料を補給したり、時には馬や運び手をチェンジして、効率よく文書や命令を伝達できるようにしたのです。

 

なお、有事には早馬で最寄りの烽火台(見張り台)に駆け込み、次の烽火台に狼煙でサインを送って、瞬時に先端まで意思を伝える方法もありました。

「駅」を郵便局とすると、烽火台はさしずめ電波塔でしょうか。

 

配達手段が早い順番

赤兎馬 呂布

配達手段は速い順に

①騎馬

②馬車

③徒歩・飛脚

の三つあります。

 

①の配達員は紅白の郵便袋を持ち(『漢書』丙吉伝)、

「駅」のスタッフは赤い帽子に赤いアームカバーが制服でした(『後漢書』輿服志)。

 

また配達速度には一日のノルマや期日指定がありました。

漢代の例だと、①なら最速で馬を3回変えて一日千里(約500km。『漢旧儀』)、③の場合は一日200里(約100km。張家山漢簡「行書律」)となっています。

 

②ははっきりとした記述がありませんが、半日足らずで200里は進めたようです

(『漢書』王吉伝)。ちなみに東京-大阪が大体500km、東京-熱海で大体100kmです。

 

期限に遅れれば厳罰だし、配達中は盗賊や獣に襲われる危険があるしで、命がけの仕事だったことでしょう。

 

関連記事:赤兎馬ってどんなウマ?呂布も関羽も愛した名馬

関連記事:的盧は名馬なの?凶馬なの?劉備と龐統(ホウ統)の死

 

ローマでも似た郵便配達システムの存在が記録されている

 

余談ですが、大秦(ローマ)でも似た郵便配達システムがあったことが記録されています(『三国志』東夷伝引用の『魏略』)。

また日本でも、飛脚たちが中継所(駅)をリレーして、バトン(文書)を手渡しで届け、今日の「駅伝競走」のルーツとなりました。

 

さて、これほど制度化された郵便システムですが、後漢末になると、戦乱のせいで道が塞がれて伝書が届かない(『三国志』魏書公孫瓚伝)こともありました。

正確な情報が途絶えたために、事あるごとにデマが飛び交って人々を惑わせたようです(『三国志』魏書陳泰伝)。

それも三国が鼎立し、世情が落ち着いてくると、少しずつ回復します。

 

曹丕が皇帝になると、大都市を中心に通信ネットワークの改革

曹丕皇帝

 

魏では曹操の息子の曹丕が文帝となり、大都市を中心として通信ネットワークを整え、「郵駅令」を制定します。

これが中国史上初めての郵政法です。

 

ただ、この時は一般利用よりもまだ軍事連絡の方が需要が多く、もっぱら早馬に活用されました。

たとえば曹丕の弟・曹植の詩に「羽檄が北より来たりて」(白馬篇)という句がありますが、この「羽檄」は羽毛をさして緊急度を示した文書で、

今でいう速達便のことです。

 

関連記事:三国志怪奇談「曹丕、受禅台の怪」

関連記事:張飛に怒鳴られて落馬して死んだ武将、曹丕の粋な計らい等、三国志を彩る変わった武将たち

関連記事:貴族はみんな兄弟げんかをする!袁紹VS袁術、曹丕VS曹植,孫和VS孫覇

 

河川が多い呉の郵便配達システム

 

一方呉では、道路のかわりに水路を利用した「水駅」制度がつくられます。

河川の多い江南地方ならではの方法ですね。

 

スピードは一日で300里(約130km)から(『晋書』紀瞻伝)、速い時は600里(約260km)進んだそうです

(『太平御覧』職官部引用の『晋書』)。

 

道の険しい蜀は劉備孔明が増設をする

㈱三国志 劉備 孔明

 

蜀の場合は、道の険しい地方だったので、外部とのコンタクトが途絶えないよう、

劉備諸葛孔明が一生懸命道を建設し、スムーズなアクセスを可能にしました。

 

蜀の太傅・許靖は魏にいる友人の華歆王朗とよく手紙を送りあい(『三国志』蜀書許靖伝)、

また魏の尚書・陳羣諸葛孔明宛てに、蜀の尚書・劉巴の消息について書簡で問い合わせたこともあります(『三国志』蜀書劉巴伝)。

 

同時に呉との間でも、親交を温めるため書簡や使者がたびたび行き来していますし

(『三国志』蜀書陳震伝)、諸葛孔明は呉にいる兄の諸葛瑾や将軍・陸遜と頻繁に連絡を交わしていました。

 

いかがでしょうか。

こうしてみると、今も昔も郵便屋さんの存在がいかに偉大か、よく分かりますね。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:陸遜は丞相として何年間活躍したのか?その驚くべき真実

関連記事:もし関羽が曹操の元に留まり劉備の元に戻らなかったらどうなっていた?

 

【赤壁を超える!魏呉の直接対決特集】
濡須口の戦い特集バナー

 




楽凡

楽凡

投稿者の記事一覧

HN:

楽凡

自己紹介:

歴史専攻は昔の話、今は漢文で妄想するのが得意なただのOLです。
何か一言:

タイムマシンが欲しいけど発明されたくない葛藤。

関連記事

  1. 曹操は褒め上手 郭嘉と陳羣を見習えばいじめが無くなるってホント?
  2. 始皇帝(キングダム) 始皇帝が中国統一後、なんで中国全土を巡幸したの?全巡幸をストーキ…
  3. 孔明 【荊州獲ったどー!】諸葛亮&愉快な仲間の州乗っ取り計画…
  4. 幕末 魏呉蜀 書物 四部分類って何?中国で醸成された目録学をご紹介
  5. 蜀の皇帝に即位した劉備 劉備が皇帝になったのは皇族だった事が大きな理由?
  6. 法正に敗れる夏侯淵 【定軍山の戦い】法正たちが大活躍!夏侯淵っていつのまに死んじゃっ…
  7. 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.2
  8. 陸遜と孫権 徳川家康は孫権を参考にしていた?二人の共通する人材起用のポイント…

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 宋姫
  2. 三国夢幻演義バナー 龍の少年
  3. はじめての三国志 画像準備中
  4. 古代エジプトのグライダー
  5. 三国志の地図(州)

おすすめ記事

  1. 鬼畜なのは桓騎だけではない!残虐性を兼ね備えた歴史上の人物3選 桓騎
  2. 信じる信じないはあなた次第!?歴代王朝の興亡の秘密は五行にあり! 劉邦
  3. 【西郷どん】奄美大島に流された西郷隆盛は本当に荒れていたの?
  4. 【意外】古代中国では犬や山猫が鼠を捕っていた?
  5. 悲報!郭嘉にブサセン疑惑
  6. 日本で初めてダイエットをしたのは西郷どん?

三國志雑学

  1. 李典
  2. 武器・農業器具を制作する張裔
  3. 劉備と曹操
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 徳川斉昭
  2. 曹操 耳で聞いて覚える三国志
  3. 周瑜逝く
  4. 艶麗な楊端和
  5. 陳羣

おすすめ記事

荀攸 荀攸の逸話がとってもすごい件 ペリー来日youは何しにニッポンへ? 袁術 袁術が天下を獲るためにみんなで考えよう【第3回】 秦の始皇帝 漫画潰す気か!原作者ブチ切れ必至のキングダムの最後をネタバレ予想!! 蜀の皇帝に即位した劉備 劉備が皇帝になったのは皇族だった事が大きな理由? 【お知らせ】はじめての三国志メモリーズに3名の猛将を追加しました 劉備 危機一髪 92話:劉備を徹底的に追い詰める張任 呉の孫権 【if三国志】赤壁の戦い前に呉が魏に降伏していたらどうなったの?

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

“はじめての三国志PR募集法正"
PAGE TOP