キングダム
姜維特集




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

三国志の時代には誘拐が大流行していた?その驚きの理由とは

曹操と夏侯惇




三国志大学

 

三国志の直前である後漢の時代は、商業が空前の発展を見せ教育が盛んになり、

富裕な庶民でさえ学校に通うなど識字率(しきじりつ)が向上した時代でした。

しかし、光ある所影ありで、同時にこの時代は身代金目当ての誘拐(ゆうかい)

大ブームになっていたのです。

今回は誘拐が大流行した理由と、その対処法について解説します。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:三国志の時代は農民に至るまで腰に剣を佩いていた

関連記事:三国時代の料理と酒って何を食べてたの?英雄たちの宴が気になる

 

 

曹操夏侯惇が嫌い?どうして韓浩を讃えたのか

曹操と夏侯惇

 

曹操(そうそう)の懐刀である夏侯惇(かこうとん)は魏軍の中では珍しく人質になった経験があります。

兗州を呂布(りょふ)が陥れた時に、夏侯惇は軽装兵で濮陽城を出撃し呂布と戦いますが

呂布の偽の退却に引っ掛かり、占拠した濮陽城をガラ空きにして迎撃に出た所を

城を奪われた上に補給部隊を失いました。

おまけに呂布の部下の嘘投降に引っ掛かり人質にされ金品を要求されたのです。

夏侯惇

 

曹操が徐州に出払っていて不在の時に留守を守る夏侯惇が

まさかの人質という、とんでもない状態、、

曹操軍には戦慄(せんりつ)が走りますが、副官の韓浩(かんこう)は夏侯惇もろとも呂布の降将を

皆殺しにする事も止む無しと決意し、諸将を糾合して敵将の本陣に突入!

まさか攻めてくるとは思わない呂布の将は、狼狽(ろうばい)し夏侯惇を解放して逃げ

ことごとく殺されてしまいます。

曹操

 

曹操は、韓浩の行為を激賞して

「韓浩の行為は後世の手本とすべき事だ!以後誘拐犯は、

人質もろとも打ち殺し要求を聞いてはならない」と宣言して

以来、世間から誘拐事件(ゆうかいじけん)は消滅したと言われています。

 

え?でも、ちょっと待って、一歩間違えば惇兄(とんあに)ィが死ぬ所だよ

それを激賞って、曹操は夏侯惇を何とも思っていないの?

ちょっと曹操と惇兄ィの友情を疑いますが、実はこの話には

深ーい、いきさつが存在するのです。

 

 

曹操以前から誘拐犯は人質もろとも皆殺しが国法だった

血しぶき

 

実は、曹操が改めて宣言するまでもなく後漢の法では、

誘拐犯の身代金要求には決して応じてはならない決まりでした。

しかも、誘拐犯ばかりではなく人質もろとも殺せとしているのです。

 

その理由は、交渉が決裂すれば誘拐犯は人質を盾に逃げようとするからで、

ここで手加減すると誘拐犯を取り逃がすので人質を巻き添えにしても

正義を実行せよ、それでも罪には問わないという意味でした。

 

実際に韓浩も夏侯惇に対して、泣きながら

「国法なので助けられません、お許しください」と言っています。

夏侯惇も韓浩も、そういう後漢の法律は知っていたので納得づくの処置でした。

「人質を救うな」とは、曹操が初めて言い出したのではなく

国法に従った態度だから曹操は韓浩を褒めただけなのです。

 

よかった曹操が惇兄ィを嫌いなわけじゃ

なかったんですね。

 

まだ漢王朝で消耗してるの?

まだ漢王朝で消耗しているの  

人質もろとも皆殺しを実行した陰皇后の母弟誘拐事件

陰皇后

 

後漢の時代、人質もろとも誘拐犯を殺害したケースには、

西暦33年に起きた光武帝の皇后、陰麗華(いんれいか)母弟(ぼてい)誘拐事件があります。

この時に役人は身代金を要求する誘拐犯に構わず、

人質ごと犯人を殺した事が後漢書の陰皇后伝に書かれています。

 

この時、皇后の母の弟を巻き添えに殺した役人達は

何ら罪に問われていないので、この処置は正当だったようです。

捕まった人質の生命より卑劣な誘拐という犯罪の撲滅(ぼくめつ)が先という方針が

この頃からあった事が分かります。

 

なかなか守られなかった国法

黒山賊

 

しかし、後漢の法律が誘拐犯に厳しい措置を決めているのに、

どうして誘拐事件が盛んに起きていたのか疑問が残りますね?

実は、このような法律が取り決められると、身内を誘拐された人は

役人に事件を届けなくなったのです。

 

「役人に事件を届けて誘拐犯ごと身内が殺されてはたまらない

それならお金を払ったほうがいい」

 

こうして、内密に誘拐犯にお金を払うのが一般化した為に

誘拐事件は顕在化せず、逆に犯罪者にとっては

なかなか捕まらない割のよい商売として大流行する事になりました。

 

法律より人情を優先してしまう、そんな人々の身内可愛さが

逆に誘拐事件を潜在化させ大流行させてしまったとは

皮肉な話ですね。

 

三国志ライターkawausoの独り言

三国志ライターkawausoの独り言

 

法治主義者の曹操は、そういう身内優先で誘拐犯に(おもね)る世間が嫌いでした。

だって法よりも身内が第一、人情が第一というのは、まんま儒教だからです。

 

「悪人をつけあがらせおって、愚民どもめ」とイラついていた時に、

たまたま部下の韓浩が勇気を奮い

「国法だから曲げられない!惇兄ィ、頼むから死んでくれ」とやったので

「あっぱれ!それでこそワシの部下じゃ」となったのでしょう。

 

別に夏侯惇が死んでも、そんなに困らないとは思っていないと思いますよ

たぶん・・・

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:曹操も劉備もこれで学んだ?漢の時代の教科書と学校

関連記事:【シミルボン】本当は凄い!黄巾賊を滅ぼし後漢を支えた三将軍とは?

 

【漢のマイナー武将列伝】
漢のマイナー武将列伝

 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 孟獲 孟獲(もうかく)はインテリ男子?南蛮征伐は孔明と孟獲のヤラセだっ…
  2. 蜀軍に勝利する木鹿大王(南蛮族) 蜀軍に魔法と魔獣を使って徹底抗戦した木鹿大王がおもしろい
  3. 三国志大学で勉強する公孫サン(公孫瓚) 世説新語(せせつしんご)ってなに?初心者にこそ読んでほしい小説集…
  4. 曹操 詩 【三国志群雄列伝】3分でわかる:三国志の群雄達の名言
  5. 二刀流の劉備 夷陵の戦いに至るまでの経緯は?夷陵の戦いまでの蜀の動きと経緯
  6. 最弱武将と対峙する張飛 張飛が長坂橋を落とした時、曹操はどうして攻撃しなかったの?
  7. 【三国志平話】まるでベルばら!劉備と歌を交わしながら趙雲登場
  8. 曹操と夏侯惇 【素朴な疑問】三国志時代はどうやって兵士を集めていたの?

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 蜀の皇帝に即位した劉備
  2. キングダム52巻
  3. 李典
  4. スキッパーキ犬
  5. 孟達からの手紙を開封する劉封
  6. 馬に乗って単身荊州へ赴く劉表
  7. 幕末 帝国議会

おすすめ記事

  1. 卑弥呼はなぜ死んだの?卑弥呼の死の謎に迫る! 亡くなる卑弥呼
  2. 田斉に時代最高の名君である威王の逸話【春秋戦国時代の斉の名君】
  3. 133話:公孫淵の反乱と司馬懿の台頭 公孫淵
  4. キングダム604話ネタバレ雑学「朱海平原はウンコだらけ?」 キングダム54巻amazon
  5. 孫静(そんせい)とはどんな人?兄貴、孫堅とはゼッコーモン!ひたすら故郷を守った孫一族
  6. 中国史上、最大の軍師は誰なの?孔明?司馬懿か? 孔明 司馬懿 陸遜

三國志雑学

  1. 株式会社三国志で働く劉備と孔明
  2. 晋の陳寿
  3. 曹操は褒め上手
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集" “誤字・脱字・誤植などの報告フォーム"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 幕末 帝国議会
  2. 司馬昭
  3. 顎のちからが凄い関羽が乗るカバ(赤兎馬)
  4. 曹操&袁紹花嫁泥棒
  5. 東京五輪でテロ対策をしている警察や警察犬 いだてん
  6. 于禁
  7. 茶を楽しむ劉備
  8. 一騎打ちをする太史慈と孫策

おすすめ記事

関帝廟 関羽 関羽はどうして神格化されてメジャーになったの?三国志で唯一、神になった武将 虎豹騎を率いる曹休 曹休が虎豹騎と呼ばれる最強部隊を率いていた?どんな部隊なの? 【実録】三国志の時代のショッピングは命がけだった? 薩摩藩の島津義弘 日本で一番すごい武将?敵中を突破して帰国した猛将・島津義弘の武勇伝 武田信玄 徳川家康との対決と信長包囲網構築へ 幕末にサソリ固め!来島又兵衛の壮絶なアラフィフ人生 張角(ちょうかく)ってどんな人?太平道を創始した男の悲しい人生 【三国志の英雄】曹操の恐ろしいエピソードをご紹介

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集 誤字・脱字・誤植などの報告フォーム
“西遊記"

“三国志人物事典"

“はじめての三国志PR募集法正"
PAGE TOP