【三国夢幻演義 龍の少年】深いい解説その4「地獄の淵で」

2018年9月30日


 

こんにちは。光月ユリシです。

拙著「三国夢幻演義 龍の少年」に関心を持ってくださり、ありがとうございます。

劉備に続き、ついに曹操の登場です。

彼らは何と言っても、時代の主人公。やっぱり華があります。

私もこの二人を描いていると、楽しくなります。

 

ということで、今回は「三国夢幻演義」における曹操と劉備のスタンスを解説します。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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天=曹操=信長?

 

頭が良く、優雅で、勇敢で、冷静で、冷徹で、改革者で、天に認められた男。

これが私がイメージする曹操の姿です。

もちろん、十分にそれらを考慮して曹操を描いています。

どことなく織田信長にイメージに重なるものがあります。

皆さんの印象はどうでしょうか。

 

「三国夢幻演義」中の曹操は実は誰よりも正義感に厚く、

最初は清流派(正義派官僚)たちに協力して、官界の浄化のために戦います。

そして、その戦いの中、自分に大きな天命が授けられていることを自覚しながら、

混沌とした世界に秘められた謎に近づいていきます。

 

曹操を描く上でのコンセプトは、“天”と“火”。

 

羅貫中の「三国演義」では悪人風に描かれる曹操ですが、私は彼を英雄として描きたい。

もうそれは実現しています。

だから、曹操を描いていて楽しいんですね。

 

人=劉備=秀吉?

 

劉備といえば、やはり仁義あふれる温厚君子のイメージでしょうか。

人に愛され、卑賎の身からのし上がっていく姿は秀吉のようです。

 

劉備を描く上でのコンセプトは、“人”と“水”です。

 

人が天地の間に生きているように、水が天と地を交互に巡るように、

劉備は曹操や孫堅、その他の様々な人物の間を渡り歩き、各地で騒動に巻き込まれていきます。

 

「三国夢幻演義」の劉備は落ち着いていますが、心の内に熱さとしたたかを秘め、

漢朝への忠義心を堂々と打ち出して各地を駆け巡ります。

 

曹操と劉備は漢朝のために共闘したことがあり、お互いを認め合っています。

それは作中の描写からも察することができると思います。

目指すゴールは同じなのですが、やり方に相違があって、二人は協力と対立を繰り返しています。

 

地=孫堅→孫策→孫権=家康?

 

曹操・劉備と来たら、孫堅を紹介しないわけにはいきません。

ついでなので、孫堅親子についても紹介しておきます。

 

孫堅親子を描く上でのコンセプトは、“地”。

 

「三国夢幻演義」では、孫堅は忠義に厚く、曹操や劉備と協力して、

漢朝のために奮戦・活躍しますが、道半ばにして戦没してしまいます。

 

それが原因で袁術の下に組み込まれ、その命令に従わざるを得ない孫策

そして、孫権の時代に独立独歩を成し遂げるのですが、

これは信長の下で耐え忍び、独立を果たした家康のようです。

 

「龍の少年」の物語の時点では、すでに孫堅は死んでいますが、

忍耐の時を送る青年時代の孫策が登場するほか、ちらほらと孫堅の話題が出てきます。

 

孫堅・孫策と袁術の関係、そして、キーワード“地”。

この後、物語がどう展開してゆくのか注目していてください。

 

光月ユリシの独り言 孔明の人生に大きな影響を与える二人。曹操と劉備。

 

そして、私の人生に大きな影響を与えたのは、中国歴史小説の巨人・陳舜臣先生です。

一番好きな本は何かと聞かれたら、私は陳先生の「諸葛孔明」と答えます。

私は数々の三国志作品を読んできましたが、この作品ほど心にピタッとはまったものはありません。

まさしく時代を切り取る詳細な描写、豊かな知識と温和な表現・・・

巧く表現できませんが、爽やかさと心地よさを感じる三国志でした。

 

当時の私は作家を目指そうなどとは夢にも思っていませんでしたが、

陳先生のような心に残る三国志を書いてみたくなったのは覚えています。

 

それから小説を書き始めて、二十年。

何とか人様に見せられる形となりました。

 

今があるのも、陳先生の「諸葛孔明」を読んだから。

陳先生のご冥福を心からお祈りいたします。

 

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