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【笑林】上申書をコピペしてクビになった役人の話

幕末 魏呉蜀 書物




 

三国志()邯鄲淳(かんたんじゅん)編纂(へんさん)したと言われている笑い話集『笑林(しょうりん)

意図的に笑い話だけを集めて作られた書物としては中国最古だと言われています。

その中に、他人の上申書を丸写ししてクビになった役人の話があります。

コピペ的な発想って、昔からあったんですね……。

 

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さっそく読んでみる

竹簡 wiki

画像:竹簡 wikipedia

 

『笑林』のその話をさっそく読んでみましょう。

 

後漢の桓帝の時代に、ある役所の属官になった人が他の人に上申書を作らせようとした。

その人は作ることができなかったので、こう言った。

「梁国の葛龔(かっきょう)が上手な文章を作っていますから、それを写せばいいですよ。わざわざ作る必要はありません」

そこでその通りに文章を書き写したが、葛龔の名前もそのまま残してしまった。

役所の長官は大いに驚き、黙って属官をクビにした。

当時の人たちはこう語り合った。

「いくら上手な上申書でも、葛龔という文字は削らなければならないぞ」

 

名前まで書き写したということは、この属官は内容を全く理解せず書き写しただけなのでしょう。

それを語り伝えた人たちも、葛龔という文字さえ削ればいいと思っているので、何がいけなかったのか全く理解していませんね。

 

 

動作とせりふの猿まねの話

 

先ほどの話は文書のコピペの話ですが、別の話では動作とせりふの猿まねの話もあります。

文書の場合と同様に、内容を全く理解せずに真似っこをして失敗した話です。

 

漢の司徒の崔烈(さいれつ)が上党の鮑堅(ほうけん)を属官にしようとして招いた。

鮑堅は謁見の時に間違ったことをしてはいけないと考え、先輩に作法をたずねた。

アドバイスによれば、典儀(儀式を取り仕切る係)の言う通りにすればいいということであった。

さて、謁見が始まった。

典儀「拝されよ」

鮑堅「拝されよ」

典儀「席につかれよ」

鮑堅「席につかれよ」

鮑堅は履き物を履いたまま着座したが、席を離れる時に、自分の靴はどこへ行ってしまったのかと探した。

(注:ゆかの上に敷いた座席に着く時は靴を脱ぐのがふつうだった)

典儀「靴は履いておられますよ」

鮑堅「靴は履いておられますよ」

 

アホですね……。

 

【劉備の兄貴分の真実の姿を大紹介】
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真似っこはいいけれど

 

やり方が分からないことをする場合に、人の真似をしながらやってみるのは悪いことではありません。

しかし『笑林』のように、内容を全く理解しないまま丸写しにするのはいけませんね。

私は高校生の時に、数学の宿題が全く分からなかったので、数学の得意な友達に写させてもらったことがあります。

そのあと先生から「これはどうやってやったのか説明してごらん」と言われて全く説明できなかったのを覚えています。

あれはいけませんね。

まっとうに考えれば、どうやってやるのか教えてもらいながらやるべきだったんじゃないでしょうか。

しかしまあ、分からなくなるまでには一年半くらいの蓄積があったわけで、時すでに遅しというか。

いやぁ懐かしい。

『笑林』の話は単純に笑い話として面白いですが、自分は気をつけようっと、と教訓として受け取るのもよさそうです。

 

三国志ライター よかミカンの独り言

 

『笑林』の編者の邯鄲淳は高名な儒学者です。

儒学者が作った書物だと考えると、単純なエンタメ作品ではなくて何か深淵な意味でもあるのかな、と勘ぐりたくなってきます。

儒教では「礼」を大切にしますが、「礼」は形式を踏んで行うものであるので、真心のない形式主義に陥りがちです。

また、後漢の時代の官吏登用には儒教的な徳が重視されていましたから、美辞麗句が得意で態度が立派だけれども全く仕事ができない官僚も大勢いたこ

とでしょう。

邯鄲淳はそういう風潮を戒めて上のような話を紹介したのかな、と思えてきます。

漢代の儒教の殻を脱いで合理主義に向かおうとしていた魏の雰囲気が現れている本なのかな、と思いました。

 

参考文献:

竹田晃・黒田真美子 編『中国古典小説選12 笑林・笑賛・笑府他<歴代笑話>』明治書院 2008年11月10日

 

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三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

何か一言:
皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。

妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。

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