呂布特集
if三国志




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【笑林】日本の昔話「芋ころがし」のルーツ? 人まねで失敗した話

幕末 魏呉蜀 書物




 

三国志()邯鄲淳(かんたんじゅん)が編纂したと言われている笑い話集『笑林(しょうりん)

意図的に笑い話だけを集めて作られた書物としては中国最古だと言われています。

その中には日本の昔話の「芋ころがし」にそっくりな話もありますよ!

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:【三国志の民話】世論に逆らうな!曹操の民心掌握術

関連記事:【三国志の民話】情けない顔で帰ってくる周瑜に小喬ブチ切れ!

 

 

日本昔話「芋ころがし」

 

まずは昔話の「芋ころがし」を振り返ってみましょう。

これは落語の「本膳(ほんぜん)」の元ネタになっている話で、細かいところでいろんなバリエーションがありますが、要は里芋が転がる話です。

里芋ってまんまるでつるつるしていますから、お箸で上手に食べるのは難しいですよね。

「フジパン」のサイトの「民話の部屋」に載っている「芋ころがし」はこんな話です(要約)↓

 

庄屋さんの家でお祝い事があり、村人たちが招待されました。

村人たちは宴席で出されるというお膳料理の食べ方のマナーを知らないため、和尚さんに相談しました。

和尚さんは、自分のまねをすればよいと言いました。

さて、お祝いの当日、村人たちは和尚さんのまねをしながらなんとか無難に料理を食べています。

ところが、和尚さんがうっかり里芋を落っことしてしまいました。

すると村人たちも真似をして、同じように里芋を落っことしました。

和尚さんが、これは真似するところじゃないと伝えたくて「えへんえへん」と咳払いをすると、村人たちも「えへんえへん」

和尚さんが「これはちがう」と言って隣の者をひじでつつくと、その人もまた隣の人をひじでコツン。

みんなが真似をしていき、一番端の人が

「和尚さん、わしのひじはどこへ持っていったらよかろうか」

和尚さんは困って逃げ出したくなりましたとさ。

 

 

 

『笑林』にあるそっくりな話

 

「芋ころがし」にそっくりな『笑林』の話をみてみましょう。

 

無教養な人たちがお葬式に行くことになったが、作法を知らなかった。

そのうちの一人がだいたいなら分かると言い、みんなに自分の真似をするように言った。

お弔いの場所に着くと、その人が先頭になって座ってお辞儀をし、後ろに続く者たちも前の者の背中に頭をこすりつけながら

つぎつぎとお辞儀をした。

先頭の人は後ろの人の足にぶつかり、「ばか!」とののしった。

みんなそれが作法なのだろうと思い、互いに足を踏み合いながら「ばか!」と言った。

いちばん後ろの者は喪主の近くにおり、喪主の足を踏んで言った。

「ばか!」

 

 

何でも真似っこしておけば間違いないと思って変なことまで真似してしまうというストーリーは、「芋ころがし」とそっくりです。

『笑林』が成立した頃には日本には和尚さんはいなかったでしょうから、『笑林』のこの話が「芋ころがし」のルーツでしょう。

 

【昔の人の二次創作 民話の中の三国志】
民間伝承の三国志

 

『笑林』よりも洗練されている「芋ころがし」

 

『笑林』で「ばか!」という言葉が次々と伝わっていく様子と、「芋ころがし」で「えへんえへん」という咳払いが伝わっていく様子はそっくり。

足を踏むという動作が一番後ろまで伝わる様と、ひじでつつくという動作が一番端まで伝わる様もそっくりです。

ただ、「芋ころがし」のほうが内容が豊富で、より盛り上がるお話になっていますね。

『笑林』では足を踏んで「ばか!」と言うという一連の動作だけが間違いでしたが、「芋ころがし」では

①お芋ころころ ②「えへんえへん」 ③ひじでつついて「ちがうちがう」 の三つでたたみかけています。

絵面(えづら)としても、足を踏むだけよりも、芋がころころ転がるほうが面白いです。

それを最初に行うのが対等な村人のうちの一人ではなく偉いはずの和尚さんだというところもおかしさを増しています。

最後に「わしのひじはどこへ持っていったらよかろうか」という落ちがついているところも、話として洗練されています。

『笑林』の話が面白かったために、日本の話のように翻案され、語り継がれるうちにより面白く脚色されたのでしょう。

舞台が「お葬式」から「お祝いの席」に変わっているところは、気楽な笑い話にふさわしい雰囲気でいいですね。

 

三国志ライター よかミカンの独り言

 

『笑林』を編纂した邯鄲淳は学者さんなので、おそらく無邪気に面白いお話を紹介したかったわけではなかったろうと思います。

内容も考えずに人まねをするしか能のない連中がいる、という批判を込めて、この話を採録したのではないでしょうか。

編纂者の意図を離れてお話として独自の発展を遂げた「芋ころがし」。

物語というもののダイナミズムを感じます。

 

参考文献:

竹田晃・黒田真美子 編『中国古典小説選12 笑林・笑賛・笑府他<歴代笑話>』明治書院 2008年11月10日

フジパンオフィシャルホームページ 「民話の部屋」 http://minwa.fujipan.co.jp/area/saitama_001/ (閲覧日:2018年11月16日)

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:民話に出てくる司馬懿がまるで昔話のいじわる爺さんレベル!

関連記事:民話の中の三国志がカオスな件!関羽が作者羅漢中にブチ切れる

 

【奇想天外な夢の共演が実現 はじめての架空戦記

架空戦記

 




よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

何か一言:
皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。

妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。

読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

関連記事

  1. 劉備の人肉食は何故美談になったのか?よかミカンが考察
  2. 【建安文学】文学史に残る名文を記した陳琳の魅力ってなに?
  3. 空腹の三国志の兵士 街亭の戦いを考察!馬謖は空腹で負けたのではないか?
  4. 【三顧の礼】諸葛亮の嫁の父・黄承彦の詩にドラゴンが出てカッコいい…
  5. 孔明VS曹操 そんな!諸葛亮は曹操を目指していた?似てる二人を解説
  6. 城の前を掃除する孔明 【諸葛亮vs司馬懿】ピンチを切り抜けたのは空城の計!
  7. 呂蒙 【濡須口の戦い功労者列伝】濡須塢を築き二度も曹操軍を撃退、呂蒙
  8. くまモンだけじゃない!三国志の時代にもあった着ぐるみ

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 2018年末のご挨拶 はじさんスタッフ 石川 おとぼけ kawauso 黒田 みおやま
  2. 美女を集めた曹叡
  3. 真田丸 武田信玄

おすすめ記事

  1. 郭嘉と賈詡どっちが秀でた軍師だったのか【今夜比べてみました】 賈詡
  2. 金栗四三の失敗が日本マラソンの原点となった 日射病で失神する金栗四三 いだてん
  3. 趙雲は何で桃園義兄弟ではないのか? 趙雲子龍
  4. 三国志時代では戦死した遺体はどうしてたの?亡骸を運んだ霊柩車 槥
  5. 壮絶、血を吐きまくる三国志武将ランキング ロボ関羽
  6. 領土割譲という大事件、三国成立は魯粛の目論見? 魯粛、周瑜、劉備

三國志雑学

  1. 張飛の男気人生
  2. 魯粛、周瑜、劉備
  3. 二刀流の劉備
  4. 曹操 健康
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 董卓を倒す呂布
  2. 赤井直正
  3. 劉備孔明と出会う?
  4. 岡田以蔵(人斬り以蔵)
  5. 織田信長
  6. 剣を持って戦う徐庶

おすすめ記事

勝負下着の参考に!三国時代の下着ってどんなのだったの? テルマエ・ロマエのルシウスもびっくり!?後漢の甘英、ローマを目指す! 山本勘助(やまもとかんすけ)は実在したの?今まで架空の人物だとされていた勘助の謎 黒田官兵衛の肖像画で頭巾を付けている理由がわかる!天才軍師・官兵衛の地獄からの生還 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース18記事【10/16〜10/22】 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第19話 「罪と罰」の見どころ紹介 三国志ライター よかミカンさん 【東周英雄伝】古代中国好きの方にオススメのど迫力漫画 曹仁 曹仁の最後と各国の名将達の最期がほとんど同時期な理由とは?

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集
“西遊記"

“三国志人物事典"

PAGE TOP