諸葛孔明を劉備に推挙した人物・徐庶。三国志を知っている方なら必ず知っている人物ですが、彼が若かりし頃どのような人物であったかを知っている人は少ないのではないのでしょうか。そこで今回は正史三国志を参考に徐庶の若い頃を紹介したいと思います。
そもそも徐庶って誰!?
皆さんは諸葛孔明を劉備に推挙した人物の名前を徐庶として認識している方が多いと思います。しかし彼の本当の名前は徐庶ではありません。
では本当の名前はなんと言うのでしょうか。徐庶の本当の名前は徐福と言います。
皆さんがもし徐庶と言っている三国志好きの方がいらしたら、「徐庶って本当の名前じゃないんだぜ」ってドヤ顔で教えてあげてください。でも徐福と徐庶の二つの名前を使うとこんがらがってややこしいので、ここでは徐庶の名前を使わせていただきます。
剣士徐庶!!
徐庶は諸葛孔明を推挙したことから、文官としてのイメージを持っている方もいらっしゃるのではないのでしょうか。三国志漫画の金字塔・蒼天航路に登場する徐庶も文官のような格好をして登場します。しかし彼はもともと文官のようなイメージとはかけ離れている人物でした。
では文官じゃなくどのような人でだったのか。
それは新撰組に登場するような剣士として活躍していた沖田総司や近藤勇、土方歳三のような人で、剣の扱いに関してはかなりの実力を持っていた人だったのです。そして剣士・徐庶は自分の欲のために力を行使するのではなく、他人のために力を行使するヒーローのような人物でした。
ヒーロー徐庶参上!!
徐庶は若い頃、剣の技を磨きかなりの実力者として有名な人物でした。そんな彼は知り合いから敵討ちを頼まれます。
徐庶は義侠心の強い人物であったので、敵討ちを頼まれるとすんなりと請負い、知り合いの敵討ちを見事に果たし、徐庶の名前はヒーローと知られていくことになります。彼はこうして自らの義侠心を満足させ、知り合いの敵討ちを成功させるのですが、ここからが大変でした。
逃げ続ける徐庶しかし…
徐庶は敵討ちに成功しますが、殺人事件として政府の役人たちが犯人を逮捕するため捜索を開始。徐庶は役人から逃亡するため荷物をまとめて逃亡生活を行います。徐庶は顔に白い土を塗り、ぼろぼろの服を着て逃亡を行いますが、ついに役人に捕らえられてしまいます。
政府の役人は徐庶を捕らえると事情聴取を行い、本当に殺人を起こしたのか取調べを行っていきます。徐庶は役人の事情聴取を受けても自らの罪を認めませんでした。役人は徐庶が怪しいと思っており、徐庶を知っている人物を何人も連れてきて、彼が殺人事件の犯人であるのか証明しようとしますが、誰も徐庶の顔を見ても徐庶本人であると供述しませんでした。
こうして徐庶は牢屋にとらわれたまま何日も過ぎていきます。
仲間に救助される徐庶
徐庶は牢屋で何日も過ごしていくことになります。その間彼は頑なに犯人であると供述しませんでした。そんなある日彼の仲間たちが牢屋を襲撃し、徐庶を救助することに成功。こうして徐庶は牢屋での生活を終えて再び外の世界へと飛び出していくことになるのでした。
徐庶は外の世界に戻ると再び剣を握って人助けをすることをやめてしまいます。どうして徐庶は剣を握るのをやめたのか。正史三国志には徐庶の気持ちが書かれていないためわかりませんが、たぶんもう牢屋で生活するのが懲りたのでしょう。
三国志ライター黒田レンの独り言
徐庶は若い頃上記のようにかなりの実力を持った剣士でした。しかし自分が捕まったことで剣士としての道を捨てて、学問に身を打ち込んでいくため、同郷の友人と一緒に荊州へ向かうことにします。
そしてこの地で諸葛孔明と出会い友達づきあいをしていくことがきっかけとなり、劉備に諸葛孔明を推挙することができるのです。
■参考 正史三国志蜀書など