林冲の性格は三国志演義の張飛にそっくり!林冲の性格を分かりやすく解説

2019年5月12日


 

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林冲

 

林冲(りんちゅう
)
は『水滸伝(すいこでん)』に登場する108人の豪傑(ごうけつ)の1人です。あだ名は豹子頭(ひょうしとう)と言います。

 

宋江、史進、李逵、魯智深、林冲、武松、楊志(水滸伝)

 

林冲(りんちゅう)は『水滸伝(すいこでん)』において独立したストーリーが創作されている数少ないキャラクターの1人です。今回は林冲の性格が三国志演義(さんごくしえんぎ)張飛(ちょうひ)に似ている件をご紹介します。

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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妻思いの林冲

林冲

 

水滸伝(すいこでん)』を1度でも読んだことがある人で林冲(りんちゅう)について思い浮かぶことは、何と言っても妻思いです。林冲は108人の豪傑で、妻がいる数少ない人物でもあります。

 

妻思いの林冲

 

妻の名前は分かりません。マンガやドラマでは綺麗な名前を適当に付けています。そんな林冲と妻に悲劇が訪れました。ある日、林冲の妻が不良に絡まれました。

 

林冲はすぐに助けに入って不良どもをボコボコにします。しかし、この不良のボスは太尉(たいい
)
高俅(こうきゅう)の養子の高衙内(こうがない)でした。

〝衙内〟というのは名前ではなく、〝坊ちゃん〟という意味です。

 

権力者の息子に手を出したので、林冲は罠にはめられて流刑にされました。

 

 

 

林冲豹変

 

林冲を罠にはめたのは、林冲の親友の陸謙(りくけん)でした。陸謙(りくけん)は出世のために、林冲を売ったのです。

 

魯智深

 

陸謙はその後も、護送役人に林冲の殺害を頼みます。だが、魯智深(ろちしん
)
が救出に入ったので失敗に終わります。魯智深(ろちしん)は背中に立派な刺青をしていることから、花和尚(かおしょう)と呼ばれています。

 

魯智深、林冲(水滸伝)

 

どうにか、魯智深のおかげで流刑地までたどり着けますが、陸謙は全く諦める気配がありません。今度は牢屋の責任者に金を握らせて林冲を殺そうと企みます。

 

牢屋の責任者は、林冲に軽い仕事をさせて様子をみました。半年後に、林冲は真面目に働いていることから、配置換えと言って別の場所に移動させます。陸謙と牢屋の責任者は、配置換えとなったその日に林冲のいる小屋に火をつけました。

 

林冲(水滸伝)

 

ところが、運良く林冲はいなかったので、難を逃れました。この時、陸謙(りくけん)と牢屋の責任者が自分を殺そうとしていた話を耳にします。カッとなった林冲は、持っていた槍で彼らを殺してしまいます。

 

その後は、急に人が変わったように暴れ回って近くの農民に取り押さえられます。

優しい林冲はどこにいったことやら・・・・・・

 

北宋・南宋

 

林冲のモデルは三国志演義の張飛!

 

なんで林冲は性格が180度変わったのでしょうか。

実は林冲がモデルがいます。

 

張飛の男気人生

 

それは三国志の桃園三兄弟(とうえんさんきょうだい)でも有名な張飛(ちょうひ)です。

 

「デタラメだ!!」

「林冲と張飛はイメージが違うじゃないか!!」

 

張飛は文武両道

 

読者の皆様も言いたいことは分かります。ですが、本当の話です。

林冲のモデルとなったのは、正史『三国志』ではなく、『三国志演義』の張飛です。

 

「よく分からないのだが・・・・・・」

 

これでもピンと来ない読者の皆様もいるでしょう。ヒントは林冲の豹子頭というあだ名です。

 

「だから、意味が分からんよ。早く言えよ!!」

読者の皆様がイライラしているので解説します。

 

実は『三国志演義』の序盤で張飛の姿を表現した記述に〝豹頭〟という記述が出ます。

そのまま「豹のような顔つき」という意味です。

 

林冲のあだ名の豹子頭は、先ほどの豹頭に〝子〟の字を付けただけです。

〝子〟はジュニアという意味があります。

 

要するに林冲は張飛ジュニアという意味です。

 

五虎大将軍の張飛

 

だから、専門家も林冲は張飛と変わりがなかったと見ているようです。

 

「でも、納得出来ない・・・・・・」

 

李逵(水滸伝)

 

確かに、林冲は『水滸伝』の随一の酒好きキャラクターの李逵(りき)と違って、目立った描写がありません。後半になるにつれて、正確が張飛のようだったかも分からないのです。しかし、これが隠された事実です。

 

信じるも信じないもあなた次第。

 

宋代史ライター 晃の独り言

三国志ライター 晃

 

以上、林冲の性格に関してでした。実はもう1つの事実があります。

 

林冲

 

林冲=美形はありません。

これは、美人の妻と引き裂かれたことから、歌舞伎やドラマ、マンガが作った人物像です。昔の浮世絵を見れば、林冲は全然格好良くないです。

 

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【中国を代表する物語「水滸伝」を分かりやすく解説】

水滸伝入門ガイド

 

 

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晃(あきら)

晃(あきら)

横山光輝の『三国志』を読んで中国史にはまり、大学では三国志を研究するはずだったのになぜか宋代(北宋・南宋)というマニアックな時代に手を染めて、好きになってしまった男です。悪人と呼ばれる政治家は大好きです。
         好きな歴史人物:
秦檜(しんかい)、韓侂冑(かんたくちゅう)、 史弥遠(しびえん)、賈似道(かじどう) ※南宋の専権宰相と呼ばれた4人です。
何か一言: なるべく面白い記事を書くように頑張ります。

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