キングダム604話ネタバレ雑学「朱海平原は排泄物だらけ?」


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キングダム603話では、李牧(りぼく)(ぎょう)の危機を受けてこれまでの守勢を放棄、大鶴陣(だいかくじん)という包囲殲滅(ほういせんめつ)を狙う陣形を繰り出してきました。

それに対し、王翦(おうせん)も李牧を討つ為に、大鶴陣に敢えて乗るようです。

ところで、朱海平原、もう双方合わせて二十万を超える大軍が十日以上も対峙していますが、こういう事は史実でもあり得たのでしょうか?

実は大軍による同じ土地への滞在は戦争以上に危険な状態を産んでいました。

それは排泄物という人間が生きていく上で不可避(ふかひ)な産物によるものでした。

 

※この記事は新紀元社、三国志軍事ガイドという本を参考に書いています。

 

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キングダム604話ネタバレ雑学「朱海平原は排泄物だらけ」

 

朱海平原の戦いは半月経過しましたが、その間、特に陣営が動いた様子はありません。

つまり、秦と趙は同じ場所に延々、半月駐屯していた事になるのです。

この朱海平原に動員された秦軍の兵力は、序盤で王翦中央軍、58000、

蒙恬左翼軍5000、亜光右翼軍が25000で合計すると88000人という大軍になります。

 

人は平均、1日に200~300gの排泄物を出しますので88000人が一日に生み出す排泄物は26400kgから17600㎏にもなります。

十五日間、排泄物が毎日生産され続けたとすると、300gベースで最大396トンの排泄物が生産される事になります。

 

これを視覚的に分かりやすいように市販の5キロ袋で割ると79200袋という膨大な数の排泄物袋が戦場に出現します。

もっとも、十五日間で秦軍はかなり数を減らしているので、実際には、半分ほどの量かも知れませんが・・

漫画では、そんな描写は出てきませんが、もし朱海平原で秦軍が動かずに一カ所に駐留し続けていると仮定するなら

5キロ袋換算で79200袋という排泄物が戦場の周囲にあるわけで、朱海平原の戦いは別の意味で壮絶です。

 


 

キングダム604話ネタバレ雑学「最大の敵は趙ではなく排泄物」

病気になった兵士

 

これは冗談ではなく、遠征する軍隊にとって衛生は最大の懸念でした。

キングダムより400年後の三国志の時代でも、208年の赤壁の戦いにおける魏や253年の合肥新城の戦いでの呉は、

大軍で一カ所に長期駐屯した為に衛生状態の悪化で軍が破れています。

キングダムの時代に細菌という概念はありませんでしたが、長期間、一つの戦場に留まると兵士の間に下痢が大流行し、

病人と死者が続発する事は経験で知っていました。

 

衛生上の問題から、どこにでも陣が張れるというものではなく、①河川が近くにある事、②家畜の草や煮炊きの木材が得られる事

③丘陵地であり湿地ではない事、この辺りが駐屯の条件でした。

 

川が近くにないと煮炊きの為に必要な炊事と飲料水が得られません。

また草は馬や牛のような移動用の家畜を養う為に必要でした。

最期に丘陵地である事は、水が流れ込まない高地であるという事です。

湿地帯に陣を敷くと食料が腐りやすいですし、低い土地だと、雨が降った場合に、肥溜が溢れて陣地に逆流するかも知れません。

ウンチはあらゆる伝染病の温床であり、どうしても陣地から見て、低い位置にないといけませんでした。

 

陣地は、決して思い付きで決められるのではなく、前以て先遣隊が陣地に適した土地を探し出して決定していました。

ぶっちゃけた話、陣地選びをしくじれば、趙と戦う前にライフラインの脆弱(ぜいじゃく)さから士気は低下するので、

陣地の環境は敵である趙よりもずっと重要なものだったのです。

キングダムで描かれたわけではありませんが、恐らく河了貂(かりょうてん)が一番ベストと思われる陣地を選定してから

飛信隊を誘導したのだと思います。

 

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キングダム604話ネタバレ雑学「長期滞陣は伝染病のリスク」

秦の旗を掲げる兵士

 

それでも滞陣が長引くと、陣地の環境は急速に悪化した事は否定できません。

戦っていない時の兵士は排泄物製造マシーンであり、排便用のトイレ穴は次々と埋まっていき、新しいトイレを作らないといけなくなりました。

また、河川の水量が不十分の場合には、飲食物の煮炊きが不十分になりそれにより兵士が体調を崩し、便秘になったり下痢になったりします。

大軍が滞在している時に伝染病感染者が出ると、もう大変です。

人間が密集している中で、伝染病患者が出ると瞬く間に広がっていき一気に戦闘に支障が出る事に繋がるからです。

 

戦死者や病死者の処理も、早急に対処しないといけない事でした。

人間の死体は、ありとあらゆる病原菌の住処であり、急いで穴を掘って埋めないと、新しい伝染病感染に繋がったからです。

中国では伝統的に火葬をしませんから、死体は埋めるしかなく、これは生き残った兵士に取って重労働だったでしょう。

 

なので本来、大軍は野戦で一カ所に留まる事を好みませんでした。

常に移動して環境を変えるのが衛生を維持する上で好ましかったのです。

 

一方で城内では、予め入る人数が決まっているので、排泄物(はいせつぶつ)の処理も計画的になっていて長期の籠城にも耐えられる設計です。

ただ、鄴城は収容人数を上回る避難民を受け入れているので、実は、排泄物の問題も深刻なのかも知れません。


  

 

 

キングダム604話ネタバレ雑学「秦軍を襲う凍死の危機」

樊城の戦い

 

もう一つ、リアルに秦軍を襲っているかも知れない危機があります。それは栄養失調を原因とした凍死です。

朱海平原は、そんなに寒そうではありませんが、凍死は外気温ばかりではなく栄養失調で体が熱を作り出す事が出来なくなって起きる事もあります。

 

ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典の解説によると

凍死とは、寒冷に起因する低体温が原因の死であり寒さによって血液の粘性が増加、末梢神経が収縮して心臓の負担が増し

心機能の停止を招く事が原因と考えられ低温以外にも、湿潤、強風、飲酒、疲労、空腹により促進されるとあります。

 

朱海平原は、南方ではなく北方で雪は降らないにしても常夏ではありません。

さらに飛信隊は一部を除き、三日間の絶食状態にあり連日の戦闘による疲労蓄積そして空腹が常態化しています。

これでは、ある日、目を醒ますと隣の味方が凍死していたというケースもリアルに考えるとあり得るのではないかと思います。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

79200袋の大量の排泄物、戦死者の処理、栄養不足、伝染病や凍死の恐怖などなんの変哲もない朱海平原は、

実は死の恐怖と隣り合わせの空間かも知れません。

kawausoは今、リアルに秦軍に必要なのは、全兵士の健康を見てまわれる医者ではないのだろうかと切に願うのです。

もっとも、これは朱海平原の戦いをリアルに見た場合の話であって、漫画としてのキングダムという視点から見ると、

全く下世話な話という事になってしまうんですけどね。

 

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