三国志、特に三国志演義を見ていると戦いのシーンが多く出てきますね。華々しくも雄々しい戦闘シーンは、三国志演義の特徴でもあると思います。
そしてそんな戦闘シーンに欠かせないのが数多くある武器たち……今回はそんな武器の中でも「曹操愛用」とされた「倚天剣」についてお話しましょう。
倚天剣とは?そんな人でも分かりやすく、説明していきますね。
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倚天剣とは何ぞや?
倚天剣は、倚天の剣とも呼ばれている剣で、三国志演義で曹操が愛用した武器とされています。
倚天とは天をも貫くという意味があって、そういう意味からも曹操はこの剣を気に入っていました。
もちろん意味だけでなく、岩をも容易く斬ることのできる武器としても優秀な剣なのです。
この倚天剣は対剣とも言うべき剣があり、それが青紅剣と呼ばれる剣です。
青紅剣は倚天剣と時を同じくして作られた剣とされ、こちらも名剣として名高い剣でした。
この倚天剣と青紅剣は共に青紅倚天とも呼ばれ、曹操が寵愛していた夏侯恩に贈られました。
ただここまではあくまで三国志演義での記述です。
正史である三国志には倚天剣も青紅剣も出てこないので、この両方の剣はあくまで三国志演義での創作の武器とされています。
倚天剣は実際には使用された?それとも使われなかった?
「三国志演義の創作の剣なんだから、実際には使用されていないでしょ」と言われそうですが、三国志演義でこの倚天剣はどう使われているのかも述べていきましょう。三国志演義で曹操は名剣である倚天剣を手に入れたことを喜びますが、その後にこの倚天剣を使用して戦うようなシーンは実はほぼありません。
というのも、曹操は指揮官ですから彼が直接的と武器を打ち合って戦うシーンというのは三国志演義ではそれほど多くないんですよね。それもあってか、曹操は倚天剣を使って敵を打ち倒す……というシーンは残念ながらありません。
戦う場面こそあっても、そこで使われている武器が倚天剣かどうかまでは記載されていないのです。
倚天剣の対剣、青紅剣
ここでもう一つの名剣、倚天剣の対剣である青紅剣について少し話しましょう。倚天剣の対剣である青紅剣もまた、抜群の切れ味を持つ剣とされています。
曹操はこの倚天剣を、寵愛していた配下の夏侯恩に渡しました。
この青紅剣もまた倚天剣と同じく使われていることはなく……という訳ではないのが面白いところ。残念ながら夏侯恩に使用されているのではなく、蜀の武将である趙雲に奪われてからの活躍となりますが、趙雲はこの青紅剣の切れ味に驚き、長く愛用したとされています。
倚天剣とは違い、青紅剣には武器としての活躍がしっかりと書かれている、それも魏の武将ではなく蜀の武将の武器として……というのは何とも皮肉かつ、面白くも興味深い話ではないでしょうか。
ちょっとオマケ:青紅剣の持ち主であった夏侯恩
最期に少し、青紅剣とその持ち主である夏侯恩、趙雲のお話をしましょう。
夏侯恩は三国志演義で登場する人物で正史には存在しません。その夏侯恩に曹操は青紅剣を渡しますが、長坂の戦いで趙雲と一騎打ちをして夏侯恩は敗北。夏侯恩の剣が青紅剣と知っていた趙雲はこの剣を奪って更に活躍していくこととなります。
夏侯恩に与えられた青紅剣は趙雲の愛用の剣として名を馳せる、と考えると皮肉さがありますが、三国志演義ではそもそも夏侯恩が創作の人物。そういう意味ではここで趙雲に箔付けをするために作成されたと考えると、やっぱり三国志演義では蜀びいき、を感じてしまいますね。
三国志ライター センのひとりごと
今回は三国志演義での武器の一つ、倚天剣、合わせて青紅剣やその持ち主でもあった夏侯恩について触れてみました。ゲームなどでも曹操の愛用の剣として名高い倚天剣、しかしそれはあくまで創作の剣であり、その創作された三国志演義でも殆ど出番はありません。
そう思うと不遇の武器とも言えるかもしれませんが、時を経て色々なゲームや創作物でも曹操の愛用の剣として倚天剣は名を馳せています。それを考えるとやはり倚天剣は剣の中でも別格、出番が少しでも強く印象を残す剣ということでしょうね。
参考記事:架空の武器
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