キングダム休載スペシャルも、はやいもので4回目に突入しました。kawusoは適当にキングダムの当たらない予想してゴールド貰えていいなぁ
なーんて思われているかも知れませんが、本編の漫画が動かないと地獄ですよJIGOKU。という事でもうひと踏ん張りキングダムの雑学をやります。
今回は、リアルな飛信隊の戦い方について書いてみようと思うでござる。
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十字キーとABボタンで出来そうな動き
漫画キングダムにおける飛信隊の戦いぶりは自由の一言に尽きます。
騎兵は言うに及ばず、尾平や干斗のような歩兵でさえ、力一杯に戦場を走り前進したり逃げ回ったりします。しかしながら、実際の戦争では、八千人の兵力が自分勝手に動いたら、あっという間に空中分解してしまうので、兵士には特定の型が決まっています。
春秋戦国から唐の時代頃まで、兵卒の動きとは、前進、後退、右向、左向、坐、跪の6つにパターン化されていた事が武経七書等からうかがい知る事が出来ます。あれだけ複雑な動きをする兵士達がたった6パターンです。見ての通りコントローラーで言えば、十字キーとABボタンでも出来そうなとても単純な体勢ですが、そうでないと万単位の兵卒に十分に訓練は施せないでしょう。そう考えると、考えに考えられた合理的な動きがこの6つなんですね。
最強防御姿勢跪
前進、右向け、左向け、後退は、分かるとしても、坐と跪については、?と思う人が多いかも知れません。この中で跪というのは、漢字辞典で見てみると、ひざまずくや片膝を立てるというような意味があり、坐とは膝を折り尻をつけて座るの意味だそうです。
二つの姿勢は、円形の陣を敷いて敵の突撃を防ぐ為に有効な方法であり、実際に兵馬俑には跪の姿勢で弩を放つ構えの兵士があります。なので、武経七書の記述を裏付けるものであるとも言えそうです。
普通に考えても、片膝立ちにより姿勢を安定させ、低い視点から正確に矢を放つ事が出来そうですし、前列の兵士が負傷したりして、後列の兵士と交代する時には、前列の兵士は跪の姿勢を堅持して援護する事ができて有効ですね。
人間は恐怖で足が竦んで立てなくなったりするので、すでに片膝をついて安定して弩を放てる跪は防御向きの姿勢かも知れません。とにかく逃げる事なく前線に踏みとどまらないと行軍の意味がないので、春秋戦国時代の指揮官も、どうしたら、兵士の恐怖心を軽減できるか必死に考えたんでしょうね。
進む時は膝を使って進む
一方で坐については、兵法書である司馬法の厳位編に、行軍の方法に伏せたままで膝を使って進む方法として出てきます。こちらは奇襲の時の方法として使用され、その時は声を出さないように枚と呼ばれる棒っきれを嚙んで行軍しました。
姿勢を低くし、少しの声も漏らさない為に、足音を立てない為に膝で歩く方法が考案されたという事でしょう。
また、この坐の移動方法は、士気が上がらないで兵士が怖気づいている時にも使用されたようです。兵卒が怖気づいていれば、指揮官は兵士を集結させて隊伍を組ませ、坐の姿勢を取らせてすこしずつ前進するわけです。
坐の姿勢を取っていると、立っているよりも周囲が見渡せないので、遠くにいる敵が視界に入らず、近くても伏せている分は敵に発見されにくいので味方の動揺を抑えられるのだそうです。また、集団で密集していれば一人ではないという安心感も増します。
でも、リアルな飛信隊が、膝歩きで趙本陣に前進してくるのを見たら、絵ヅラ的には笑ってしまうような気がしますね。
ぶっちゃけ、中国の古代の戦争ドラマ等では、兵士は前進するばかりで、片膝をついて弩を放ったり、ましてや座ったままで膝をついて移動するシーンなんて全然見た事なかったので考えた事もないのですが、実際、怖かったらとても立っていられないので、坐、跪の姿勢は合理的に思えますね。
実際にはうるさかった戦場
漫画では、河了貂も信もよく通る声で数千名にもなる飛信隊の兵卒に命令しています。
しかし、実際の戦場は怒号と悲鳴と、その他諸々の声が渦巻く喧しい場所であり、どんな大声であっても、1人の人間の声では兵士一人一人には届きません。そこで、本陣では主に太鼓を使って前進を知らせ、後退は鐘を叩いていました。方向転換については、軍旗を使っていたようです。
これらの命令は、軍団の最小単位である伍を率いる伍長がキャッチし、太鼓のかわりに板切れを叩いて前進を知らせ、退却の時には甕を叩き、旗のかわりに竿を振り回して方向転換を指示して、卒に示していました。すでに飛信隊の面々はそれなりに出世したので、甕を打ち鳴らしたり、竿を振る様子は見られませんが、リアルな飛信隊なら、そういう光景が見られたんでしょうね。
キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
今回は、リアルな春秋戦国時代の飛信隊の戦い方について調べてみました。
飛信隊は8000名の大所帯ですが、龐煖にドカドカ殺戮されたりと、かなりの損耗率なので実際には入れ替わりが多い部隊なんじゃないかと推測します。すると、なかなか隊長の信と一般の兵卒のコミュニケーションなんか取れないので、多くは太鼓や鐘で作戦を伝達し、前進、後退、右向け、左向け、坐、跪の六種類の基本姿勢を駆使して戦乱を生き抜いたんじゃないかなと思います。
参考文献:武経七書 司馬法等
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