子供のままでいい!世界の超痛い成人式


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元服をしているシーン(日本人)

 

前回は、日本の戦国時代の成人式である元服(げんぷく)を紹介、武士にとっては元服が初陣の前祝いであった事を書きました。これは大人になるのが血みどろの合戦に参加する事と=だった事を意味しています。

 

日本戦国時代の鎧

 

戦国時代のような戦乱の時代でなくても、世界的に見ると成人になるという事は、辛い事、痛い事を我慢して女房、子供を守っていく事でした。そこで、成人式に我慢強さや勇気を求める超痛い儀式が生まれ、それに耐えられる人間だけが成人を許されるようになったのです。

 

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縄文時代の超痛い成人式抜歯

 

痛い成人式としては、最古と考えられるのが抜歯(ばっし)です。縄文時代晩期には、日本でも広い地域で行われていた成人式の一部でした。岡山県津雲(つくも)貝塚と愛知県吉胡(よしご)貝塚の縄文晩期の人骨を見ると、成人の全員が上顎左右の犬歯を抜いている事が分かります。抜歯の方法は強烈かつ凄惨(せいさん)で、抜く歯の内側に堅い棒を当て外側から石で叩いてグラグラにし、弱ってぐらついた歯に紐を引っ掛けてブッコ抜いていました。もちろん麻酔も消毒もありません。下手すると出血が止まらずに死んだり、細菌が入って歯が化膿して死ぬリスクもある危険なやり方です。信じられない事に当時の抜歯はそれで終わらず、結婚すると下顎の犬歯を抜いたり、下顎の切歯を抜いたりしています。さらに家族が死んだり、村で高い地位に就くとまた抜歯するなどして、最高では14本抜歯された人がいたようです。

 

餓えた農民(水滸伝)

 

どうして縄文時代に、こんなクレイジー成人式が行われていたかと言うと縄文時代の晩期に自然資源が豊かではない西日本で人口が大幅に減少した事が原因のようです。西日本の縄文晩期遺跡の人骨を調べると成人は、ほぼ抜歯をされている事が分かるそうで、自然環境が厳しくなって、生きる事が大変になったので家族や部族の団結を強める為、抜歯をして痛みを共有し(きずな)を強めたと考えられています。


マンダン族のオーキーパの儀式

オーキーパwiki

 

世界には過酷な成人式が山とあります。多くは文明社会の尺度から見ると経済的に貧しく、生きていくのが大変な民族に多くある印象です。

 

毒アリに手をわざと咬ませグローブみたいに手が腫れ上がるシーン

 

それらの成人式にはバンジージャンプの元になったものや、銃で撃たれたような激痛が走る毒アリに手を嚙まれるなど勇気と苦痛が必要なものがありますが、このような痛い成人式でも、19世紀まで存在したインディアン・マンダン族のオーキーパの儀式より過酷なものはないでしょう。

 

オーキーパは、成人を迎える若者が4日間の絶食をする事から始まり、次にバッファローの踊りを行います。ここまででもかなりキツイですが、これは前哨戦にもなりません。踊りの後、若者達は(のろ)い師が待機するアース・ロッジと呼ばれる大きなテントに入り、そこで鎖骨(さこつ)の下辺りを刃物で切り裂いて(わし)の爪を刺し込み、これをバッファローの皮紐で繋ぎアースロッジの天井に吊るされます。さらに重りが足す為に、足首にバッファローの頭蓋骨(ずがいこつ)が結び付けられ、他の戦士がこれを引っ張ります。この苦行は肉がちぎれて若い戦士が地面に落ちるまで続きます。

 

バッファローの踊りWikipedia

 

さて、地面に落ちたら苦行は終りかというとそうではなく、次に若い戦士は呪い師の前に行き、手斧で自分の小指を切り落とされます。小指を切られても、まだ終わりません、傷の手当もないまま、血をダラダラと流しつつ、アースロッジから出された若い戦士は、今度は背中の肉を切り、そこに鷲の爪を刺して、バッファローの頭蓋骨を皮紐で結び、背中の肉がちぎれるまで周囲を走り回らされるのです。

 

kawauso編集長

 

なんだこれ、マゾか?と思いますがそうではありません。オーキーパとは、かつて海の底に沈んでいた世界を浮かび上がらせた精霊に感謝する儀式で、血を流し痛い思いをすればするほど、豊かな恵みがもたらされると考えられたからです。ただ、そんな深い意味があるとは知らないアメリカ大陸の白人社会は、オーキーパを野蛮な儀式として嫌悪して弾圧し今日まで伝わる事はありませんでした。でも、いくら神聖な儀式でもこんな痛い儀式は、時代の流れと共に消えざるを得なかったのではないでしょうか?


琉球女性の嗜み針突

 

針突(はじち)とは、琉球国時代の女性が大人の女として認められるために両手の甲に入れたタトゥーを意味しています。大体、12歳から嫁ぐ20歳までの間に、針突を入れるのが女の(たしな)みとされ針突がないと「お前は女ではない」と(いじ)められたり、仲間外れにされたり嫁のもらい手がない、死んでからも、あの世でひどい目に遭うなど、結婚に密接に関係している成人儀礼でした。

 

ところが、この針突、縫い針や蘇鉄(そてつ)の葉のような尖った道具を何本か束ね、、墨や木灰(もっかい)、藍の汁、スス等を先端に付け、皮膚を刺してすりこむという痛いものでした。針を斜めにして、はじくように突くので、どうしても痛くて指が動き、動かないように手首を押さえる人がつく時もありました。特に、神経が集まっている指先を針で突くのがとても痛かったそうです。

東京五輪でテロ対策をしている警察や警察犬 いだてん

 

では、どうして、琉球の女性が痛い思いをしてまで、針突を入れたのかというと、針突の痛みを堪えられれば、結婚生活の苦労にも耐えられ妻としての自信に繋がる意味があったようです。また、完成し腫れが引いた針突は、青く透き通り白い素肌に映えて美しく、我慢した分だけ愛着も強くなっていきました。手の甲に針突を入れる習慣は、奄美大島や宮古・八重山、台湾先住民にもありますが、琉球が日本に併合された後は、野蛮な風習として禁止され、現在、針突を入れている女性は百歳以上の高齢者でない限りいません。


kawausoの独り言

 

昔は、生きていくのが大変だったので、成人の儀式に痛みが伴う事が普遍的(ふへんてき)にありました。この程度の事に耐えられないなら、お前は大人としてやっていけないという叱咤もあったでしょうし、無事にクリアできれば、この苦痛に耐えられたのだからという自信にも繋がった事でしょう。でも、kawausoは痛いのにとても弱いので、今回取り上げた全ての成人の儀式に耐えられそうにもありません。

 

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【命がけの成人の歴史】
命がけの成人の歴史

 

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